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ドリトル先生の野球

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第六幕その四

「いい時だったね」
「そうした考えもあったんだね」
 チーチーの言葉はしみじみとしたものでした。
「かつては」
「そうした時代だったってことかな」
 ダブダブは少し考えるお顔で言いました。
「つまりは」
「いい時代と言えばいい時代だね」
「特に練習が好きでない人にとっては」
 チープサイドの家族もお話します。
「休めて」
「いい時だったんだね」
「恵みの雨と確かに言うけれど」
 ホワイティはお外の雨を見ながら言いました。
「実際にそうだったんだね」
「スポーツにおいても」
 トートーも雨を見ています、静かですが確かに降っています。
「そうだったんだね」
「まあね」
 今度は老馬が言いました。
「そこはそれぞれだね」
「練習したい人は嫌だったかも知れないけれど」
「晴れの日ばかりじゃないし」
 オシツオサレツも二つの頭で言います。
「人もそれぞれで」
「恵みの雨といえばそうなるね」
「雨も降らないと」
 そもそもと言うポリネシアでした。
「駄目だしね」
「皆の言う通りだよ、身体には休養も必要だし」
 いつも動かしている訳にはいかないというのです。
「だから昔は雨が降ったら」
「身体を休める」
「そうしていたんだね」
「そうなんだね」
「野球でもね、ただ雨の日を休みとしたら」
 その場合はといいますと。
「不定期だしね」
「休める時が」
「それはそれで」
「そうなっていたんだ」
「だから今はね」
 どうかといいますと。
「雨だと室内練習場で練習して」
「それで休みの日はもう決めていて」
「その日にちゃんと休む」
「そうなっているんだね」
「そうだよ、そしてね」 
 先生は皆にさらにお話しました。
「効果的な練習が出来ているんだ」
「それも文明の進歩ですね」 
 トミーは先生に笑顔で言いました。
「そうですね」
「うん、そうだよ」
 その通りだとです、先生はトミーに笑顔で答えました。
「スポーツもね」
「文明の進歩が影響していますね」
「勿論野球でもね」
「そうですよね」
「昔に比べてバットやグローブも」
 そうした野球の道具もというのです。
「よくなっているしね」
「何か」
 ここで言ったのは王子でした。
「昔の、十九世紀位のグローブは」
「殆ど手袋だね」
「今と全然違うね」
「うん、実際にね」
「かなり違ったんだね」
「昔の、本当に黎明期の野球は」
 先生はその頃の野球のお話もしました。
「今と比べるとね」
「全く違うね」
「そうだったんだ、ユニフォームも」
 こちらもというのです。 
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