仮面ライダーディロード~MASKED RIDER DELOAD~
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第3部~希望と絶望の宝石~
第4話『蛇と火の鳥』
「待て!さっきの魔力はマミさんのだ!」
「現実を受け入れるんだ。巴マミはファントムのキルケによって殉死した。」
「けどマミさんは、お前達と違って正義のために戦っていた!」
「彼女のどこが正義だ?」
「みんなが平和に暮らせるように、ファントムと戦っていた!」
「この現実が受け入れられないなら、この件から手を引く方がいい。」
雅とほむらはさやかとまどかから去って行った。
─魔法の指輪、ウィザードリング。今を生きる魔法使いはその輝きを両手に宿し、絶望を希望に変える─
「リンディ長官、リンディ長官!駄目だ、連絡がとれない。」
フェイトは経過報告を行おうとするが、フェイトの連絡がリンディに繋がることは無かった。
「どうやら、何者かが魔法による通信の妨害をしているみたいで、現状の報告ができません。」
「そうか。さすがに世界が違うから、電話で連絡も厳しいか。まあ、俺達は俺達で魔女を倒しながらファントムを見つけ出そう、フェイトちゃん。」
状況を説明するフェイトに晴人は軽く言う。
「それより、どうしてファントムが見つからないんだ?キマイラも困っているぜ。グリーフシードの魔力はご馳走だけど、食べ過ぎが怖いって言っている。」
「仁藤さん、そう言う話では…っ!魔女の反応が出ています。バルディッシュ、ここからどれくらい?」
[南西に約20kmの距離に反応あり]
「20キロならそんなに遠くないか。行きましょう。」
フェイトの索敵魔法が反応し、フェイト達は反応のある場所まで向かう。
「またすごいことになっているな。」
“ドライバーオン…プリーズ…”
「さて、さすがにそろそろ処理方法を考えないとな。」
“ドライバーオォン!”
「行くよ、バルディッシュ。」
[yes sir!]
三人は目の前にいる擬態の魔女を前に変身の準備を整え、
「変身!」
“フレイム…プリーズ…ヒー!ヒー!ヒーヒーヒー!”
「変~身っ!」
“L!I!O!N!ライオーン!”
「バルディッシュ・アサルト!セぇーットアーップ!」
晴人はウィザードに、仁藤はビーストに変身し、フェイトもバリアジャケットを纏う。
「さあ、ショータイムだ。」
「さあ、食事の時間だ!」
「フェイト・テスタロッサ、行きます!」
三人は武器を構える。
「ゥワァァァァァ!」
擬態の魔女は叫び声をあげると使い魔を呼び出すが、使い魔達はすぐさま体をぐねぐねと動かし、かつてプレシアが使役していた傀儡兵に姿を変える。
「あれは、母さんの傀儡兵!?使い魔は私に任せてください!」
「ああ、わかった。行くぞ、仁藤!」
“ドラゴライズ…プリーズ…”
「オッケー!さあ、メインディッシュだ!」
“キマイライズ!ゴー!”
ウィザードとビーストはそれぞれ契約しているファントムを召喚して騎乗し、擬態の魔女に向かってゆく。
「行くよ、バルディッシュ。プラズマランサー!ファイア!」
フェイトはプラズマランサーを放ち、傀儡兵達を撃破してゆく。
「向こうも派手にやっているな!こっちも暴れようぜ、キマイラ!」
「うむ!」
ビーストキマイラは凄まじい速度で突進するが、擬態の魔女は巨大ファントムのウロボロスに擬態してその突進を避ける。
「ドラゴン、俺に力を貸せ!」
“ドラゴタイマー!セットアップ!ファイナルタイム! オールドラゴン!プリーズ…”
ウィザードはかつてウロボロスを倒した時と同様にドラゴンの力を解放してオールドラゴンにスタイルチェンジする。
「晴人さん達も頑張っているんだ。私達も頑張ろう。サンダーレイジ!」
[thunder raze.]
フェイトはサンダーレイジを放ち、広範囲の傀儡兵達を纏めて撃破する。
「どうやら順調みたいだな。っと!」
ウィザードはフェイトの戦況を観て体勢を整えていると、擬態の魔女は不利と認識してウロボロスから巨大ファントムのジャバウォックに擬態する。
「よし晴人、あいつは俺に任せろ!」
“キックストライク!ゴー!”
ビーストはかつてジャバウォックを倒した時と同様に必殺技を発動し、ビーストキマイラは獣の足を彷彿させるストライクモードに変形。ビーストはビーストキマイラで敵を踏みつけるバイティングビーストを放ち、擬態の魔女は撃破される。
「やった!」
魔女が倒されたことで使い魔達も結界と共に消滅する。
“晴人よ、我々も撤退させてもらう。”
“仁藤攻介、グリーフシードはいつものようにドライバーを通せ。あれはそのまま食べるのは体がキツい。”
召喚されたドラゴン達も晴人達のアンダーワールドとビーストドライバーの中に戻る。
「それにしても、グリーフシードは本当に謎だらけだよな。」
仁藤はグリーフシードを広い、キマイラに食べさせる。
「確かに。本来魔女は魔法少女のソウルジェムの穢れにあわせて生まれるはずなのに、この世界でこんな大量に生まれるなんて。」
「フェイトちゃん、そのことについては面影堂に戻ってから話そう。」
「はい。」
晴人達は状況整理の為に拠点である面影堂に戻る。
「おっちゃん、ただいま。」
「おお晴人、お帰り。」
晴人達が帰ると、面影堂の主である輪島繁が出迎える。
「晴人君、お帰り。久しぶりね。それで、隣にいる女性は何方かしら?」
「あっ、仁藤さんもいるんですね。って、その隣にいる女性は誰ですか!?」
凛子と瞬平は久しぶりに晴人達に会い、嬉しそうに挨拶するが、横にいるフェイトを見て驚く。
「知らないのか?次元保護国とかいう凄い所のお偉いさんの奥さんだぞ。」
驚く二人に対して仁藤はあっけらかんとした表情で答える。
「次元保護国って、確か数年前に出来た統合国家よね。」
「はい。私は次元保護国の警察庁警部、フェイト・テスタロッサと申します。」
フェイトは自己紹介をする。
「こちらこそよろしくお願いしますテスタロッサ警部。」
「あ、フェイトで大丈夫です。」
「わかったわ、フェイト警部。」
凛子はフェイトに対して他の警察官に対する対応と同様の対応をするが、フェイトが名前で呼ぶように促し、凛子はそれにあわせた対応に変える。
「それで、どうしてフェイトはここにいるんですか?もしかして、晴人さんに憧れて魔法使いになりたいんですか!?」
瞬平は事情が掴めておらず、フェイトに質問する。
「いえ、この世界の仮面ライダーは魔法使いという情報を基に、魔導師の私が適材適所と判断され、今回の事件の担当になりました。」
「えぇー!?フェイトさんも魔法使いなんですか!?」
瞬平はフェイトの言葉を聞き、驚く。
「それよりも、ファントムじゃない敵か。」
「ああ、確か呼び名は魔女で問題ないんだよな?」
「はい。私も詳しく聞かされてはいませんが、魔法使いの女の子の絶望のエネルギーによって生まれると聞いています。」
輪島と晴人の会話を聞き、フェイトは補足する。
「絶望のエネルギーか。なら、あれはやっぱりキマイラの新しい餌だな!」
フェイトの話をしっかり聞いた仁藤は魔女がファントムの替わりの食料になると納得する。
「それで、晴人さんのために新しい指輪を作ってきました!」
瞬平は晴人にあるウィザードリングを渡す。
「これって…ディロード…」
そのウィザードリングはディロードの頭部を象った見た目であり、フェイトは反応する。
「ディロード?フェイトちゃんは何か知っているのか?」
「はい。それはおそらく、私の夫が変身する仮面ライダーの力を宿していると思います。」
「なるほどね。」
“シャバドゥビタッチヘンシーン…シャバドゥビタッチヘンシーン…”
晴人はディロードウィザードリングをウィザードライバーの変身用モードでスキャンする。
“ギャクサイド!”
しかし、ディロードウィザードリングは変身用のリングではなかったため、ウィザードライバーから発動を拒否される。
「なるほどね。」
“ルパッチマジックタッチゴー!”
晴人はウィザードライバーの手、ハンドオーサーを魔法発動用に切り替えて再びディロードウィザードリングをスキャンする。
“エラー!”
しかし、スキャンしたリングの効果は発動されない。
「瞬平、これ失敗作だろ。」
晴人は言う。
「いや、そんなこと無いはずだぞ?俺も隣で見ていたから、これが完成品だってわかる。もしかしたら、魔女が現れたことと何か関係があるのかもしれない。」
輪島は推測する。すると、偵察に行っていた晴人の使い魔、プラモンスターのレッドガルーダが帰還し、発見したものを報告する。
「みんな、どうやら魔女だけじゃなくて、ファントムも現れたらしい。行くぞ。」
晴人達はレッドガルーダに案内されて目的地に向かう。
「ちっ、また生まれたのは魔女か。」
「もしかして、私達はあいつに騙されているんじゃないの?」
晴人達が目的地に着くと、二体のファントムが新しく生まれた魔女、記憶の魔女を見て残念そうに見ながら撃破する。
「お前達、フェニックスにメデューサか!?」
晴人達は警戒する。
「誰かと思えば、指輪の魔法使いか。まったく、僕をあんな脳筋野郎と一緒にしないでほしいな。」
「私の方こそ、あんな性悪女と一緒にしないでもらえる?」
「僕はファントムの朱雀。」
「私はファントムのゴルゴン。私達もファントムが生まれなくて大変なの。あなた達の相手をしている余裕はないわ。」
二体のファントム、朱雀とゴルゴンは呆れるように言う。
「それで、今は何を?」
フェイトはバルディッシュを構えながら朱雀達に質問する。
「僕達はあいつの口車に乗せられて、魔女のいた世界にファントムを送り、その代わりに魔女をこちらの世界に連れてきてもらった。その結果、ゲートになるのは常に子供なうえ、絶望させてもファントムが生まれずに魔女しか生まれない。僕達はあいつに騙されたんだ!」
朱雀は苛つく。
「それで、そのあいつとは、一体誰のことですか?」
「僕達を騙して、この世界の絶望のエネルギーを独り占めしようとしている奴はキュゥべえだ。あいつの所為で、僕達ファントムは壊滅状態だ!しかも、ファントムを向かわせた世界でも仮面ライダーがどんどん僕達を倒していっているらしいじゃないか!」
朱雀は話をはじめた。
to be continued.
次回、仮面ライダーディロード
「やっぱり、知っている人が戦死するのはつらいですか?」
「私にはもう関係ないことよ。」
「ほむらちゃんも、もっと仲良くなってくれればきっと!」
「君はもう、関わらない方がいい。」
「この見滝原は、このさやかちゃんに任せなさい!」
次回『望みと我欲を間違えないほうがいい。』
ページ上へ戻る