ギャルの林檎

「魔女も助かるなんて」
「ああ、それはな」
「じゃあ林檎じゃなくてね」
「お菓子かよ」
「買いに行こう」
「確かにお菓子の家出るけれどな」
　それでもとだ、或人は朋美にまた言った。
「別にお菓子は必要ないだろ」
「だってお菓子の家じゃない」
「お菓子の家でもな」
　それでもというのだ。
「あれは作りものだろ」
「お菓子で造らないの」
「お菓子で家造るってどれだけかかるんだよ」
　そのお菓子の量がというのだ。
「だからな」
「ないのね」
「あるかよ」
　幾ら何でもというのだ。
「本当にな」
「それは残念ね」
「金もかかるからな」
「じゃあ普通にダンボールとかで造るのね」
「そうだよ、考えたらわかるだろ」
「折角クッキーとかチョコとか飴で造って終わったら食べると思っていたのに」
「そんなことあるかよ」
　或人は朋美に眉を顰めさせて言った。
「常識で考えろよ」
「常識ね」
「そうだよ、じゃあお菓子買いに行かないな」
「あっ、じゃあね」
　それならとだ、朋美は或人にすぐに返した。
「林檎買いに行こう」
「話戻ってるだろ、白雪姫じゃないんだぞ」
「だって林檎美味しいから」
　だからだというのだ。
「それでね」
「林檎買いに行くのかよ」
「そうしよう」
「やれやれだな」
「そういう岩木っちも林檎好きでしょ」
「ああ、って何でそのこと知ってるんだよ」
「だってあんた結構お昼に林檎食べてるから」
　それを見てわかったというのだ。
「それでなのよ」
「だからかよ」
「そう、じゃあ林檎買いに行って」
　そして実際に買ってというのだ。
「食べようね」
「おやつか」
「そう、おやつに食べて」
　そしてというのだ。
「楽しもう」
「そうしろっていうんだな」
「あとお菓子も買って」
「そっちもかよ」
「皆で食べようね」
「何かな」
　或人は眉を顰めさせて述べた。
「お前のペースだな」
「駄目かな」
「駄目じゃないけれどな」　
　それでもと言うのだった、或人にしても。
「お前基本ギャルだよな」
「見たままよ」
「それで人翻弄するよな」
「わざとじゃないわよ」
「けれどそれがな」
　どうにもというのだ。