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ダイヤモンドリング

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第四章

「特にお外で食べる時は」
「そうそう、運動会の時とか」
「こうしたピクニックの時とか」
「他のお弁当でも美味しいけれど」
 それでもというのだ。
「やっぱり一番はね」
「お握りね」
「これだよ、これを食べて」
 そしてというのだ。
「あとおかずも食べて」
「果物もね」
「キーウィは柔らかいからね」
「そうそう、キーウィって熟れてないとね」
 どうしてもとだ、愛生は友樹の今の言葉に応えた。
「固くてね」
「食べられないから」
「だからね」
 それでというのだ。
「熟れてないとね」
「そう思ってね」
「ちゃんとなのね」
「熟れたの持ってきたから」
「それでアップルティーも」
「果物の時のお茶は結構色々合うけれど」
 それでもとだ、友樹はこちらのことも話した。
「何がいいか」
「そう考えたら」
「これかなって思って」
 それでというのだ。
「アップルティーにしたけれど」
「正解だったわね」
「うん、そうだね」
「ミルクティーもいいと思うけれど」
「レモンティーもね」
「けれど今思うのは」
「アップルティーが」
 この紅茶こそがというのだ。
「一番だね」
「ええ、少なくとも合うのはね」
「確かにね」
「そうよね」 
 愛生は友樹に笑顔で話した、そしてだった。
 二人でデザートも楽しんだ、そうして。
 食べつつ時間をチェックして友樹は愛生に話した。
「もうそろそろだよ」
「見られるのね」
「うん、そうだよ」
「一体何が見られるの?」
「空を見て」
 そこをというのだ。
「これからね」
「お空?」
「そう、お空をね」 
 こう愛生に話した。
「見て」
「お空って、・・・・・・あっ」
 愛生は空を見上げた、すると。
 日差しが弱まってきていた、そうして。
 太陽に左斜め下から何か黒いものが入ってきていた、愛生はその黒いものを見て言った。
「まさか」
「そう、そのまさかだよ」
 友樹も空を見上げている、そして愛生と同じものを見つつ彼女に話した。
「これがね」
「皆既日食よね」
「そうなんだ、実は今日はね」
「皆既日食が起こる日だったの」
「そうだったんだ」
 こう愛生に話した。
「それでね」
「私を誘ってくれたの」
「そうなんだ、それでね」
 友樹はさらに話した。
「もう少ししたら皆既日食の中で一番凄いものが見られるから」
「一番凄いもの」
「そう、それがね」
「それはこのまま見ていたら」
「見られるよ」
「お月様がお日様に徐々に入って」 
 太陽の中の黒いものが左斜め下から徐々に入って来る、愛生はその状況を見ながらそのうえでさらに言った。 
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