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銀河帝国革命

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暴れん坊革命家

 
前書き
遅くなって申し訳ありません。慣れない展開のせいでなかなか話が書けずにここまで延びてしまいました。
 

 
マサラ村の教師マオ・ツォートンのおかげで村民たちから逃げ切ることに成功したハンソンは、彼の自宅でこの惑星についての説明を受けていた。

「なるほど、『忘れられた惑星』か……噂では聞いたことはあったが、ここまで酷い物だったとは……」

「御理解していただけたようで何よりです。」

「それで?君は私に何をやってほしいんだね?」

ハンソンがそう聞くと、マオは俯きながら話した。

「実は……今度この村で雨乞いの儀式があるのですが、それで水神に捧げる生贄に弟が選ばれてしまったのです。」

「ちょっちょっと待ってくれ!雨乞いの儀式に水神に生贄?本気でそんなこと言ってるのか!?」

マオからの衝撃的な話にハンソンは動揺したが、彼は説明を続けた。この村では古くから迷信が未だに信じられており、自分が止めようとしても誰も聞いてもらず、領主に懇願しても話すら聞いてもらえず、途方に暮れていたところにハンソンのロンドリーナ・コミューン革命の話を聞いたというのだ。

「ここで会えたのは私にとっては奇跡なんです!どうかお願いします!この村の迷信を打ち払い、弟を救ってください!!!」

マオは必死に頭を下げてハンソンに懇願した。

「……わかった。私で良ければ協力しよう。そんな人民を舐め腐るような話、見過ごすわけにはいかんからな。」

「ハンソン先生……ありがとうございます!」

「それで、その儀式は何時行われるのだ?」

「3日後の昼に村外れの池で行われる予定です。」

「ならまだ時間はあるな。明日早速その場所へ連れて行ってほしい。」

「わかりました。ハンソン先生、これからよろしくお願いします。」

ハンソン達は固く握手を交わし、明日に備えるべく眠りについた。





翌日、マオの案内で村外れ来たハンソンは、池を調べていた。

「池にしては大分浅いような気がするが……」

「何か月も雨が全く降ってないのです。それで水位も浅くなっているのでしょう。」

「なるほど、だから水神に生贄を捧げて雨を降らせてもらおうというわけか。いったい誰がこんなバカげた事を言いだしたんだ?」

「村長のコノー・オーヴァカーモンです。」

「何者なんだそいつは?」

「この村で40年に渡って村長を務めているマサラ村の支配者ですよ。オーヴァカーモン家は代々この村の村長を務めている村の富農なんです。」

「事実上の領主という事か……ん?マオ君、あそこに見える洞窟はなんだね?」

「あの洞窟はオーヴァカーモン家が代々守ってきた聖地ですね。なんでも水神を鎮めるための祭壇があるとか。あそこに入れるのは村長と生贄役だけなんですよ。」

「ふーん……怪しいな。」

ハンソンはそう呟くとおもむろに立ち上がった。

「ハンソン先生、まさかあの洞窟に行くのですか?」

「儀式が行われるのはあの洞窟の中なのだろう?なら中がどうなっているのか、確かめる必要があるだろう。」

「それはそうですが……」

「虎穴に入らずんば虎子を得ず。弟さんを本気で助けたいと思うなら、くだらない慣習などに囚われない事だよ。」

ハンソンはマオにそう言うと洞窟へと向かって行った。





洞窟へと辿り着いたハンソンは、さっそく中へと入っていった。洞窟の中は暗闇が広がっており、数メートル先も見通せない状況だった。

「マオ君、何か灯りになるものはないかい?」

「ライターならありますよ。」

マオは胸ポケットからライターを出し火をつけた。辺りはぼんやりと照らされ、ハンソン達はその灯りを頼りに奥へと進んだ。

しばらく歩いていると開けた場所へ到着した。そこには祭壇らしきものが置かれていた。

「どうやらここが祭壇のようだな。」

「そのようですね。」

「何か見つかるかもしれん。さっそく調べてみるとしよう。」

ハンソン達は放置されていた燭台に火をつけ辺りを調べた。

「生贄を捧げるなんていう物騒な儀式が行われているわりには血痕が少ないな……マオ君、本当に儀式はここで行われているのか?」

「そのように聞かされておりますが……ん?なんだ?」

「何か見つけたのか?」

「ここ壁の隙間なんですが、奥に空間のようなものが見えるんですよ。」

「どれどれ……確かに何か見えるな。これはもしかして……」

ハンソンは何を思ったのか、おもむろに壁を殴りつけた。すると壁は崩壊し鉄の扉が現れた。

「なるほど隠し部屋か……ふん!……うーん流石に頑丈に出来てるな。びくともしないぞ。」

「いやいやいや先生凄すぎますよ。岩できた壁を破壊するとか普通不可能ですよ……」

「そこにいるのは誰だ!?」

ハンソン達が声の聞こえた方に顔を向けると、松明を持った数名の男たちが驚いた顔をして立っていた。

「ほう……どうやらこの胡散臭い儀式の関係者がやって来てくれたようだな。詳しいことは彼等から聞くとしよう。」

ハンソンはそう言いながら拳を鳴らした。





儀式当日、村中の人が池に集まっている事を確認した村長は儀式の開始を宣言した。

「これより雨乞いの儀式を執り行う!マオ・ツェーミンをここへ!」

村長がそう言うと、正装をした青年が連れてこられた。

「これから私とツェーミンで祭壇へ向かう!他の者たちは空に祈りを捧げるように!」

村長は村人たちに命令するとツェーミン青年と洞窟へ向かおうとした。

「待てい!!」

突然、大きな声が辺りを響かせ、ハンソンは現れた。ハンソンは縄でぐるぐる巻きにされた男を村長達の前に投げつけた。

「!?」

「お前の仲間だろ?返してやるよ。」

「貴様ぁ……何者だ!?」

「カール・ハンソン、名前ぐらいは聞いたことあるだろ?」

「カール・ハンソン?……まっまさか!帝国騒乱事件の大悪党!?」

「人身売買の元締めに悪党呼ばわりされるとは不愉快極まりないな。コノー・オーヴァカーモン村長?」

ハンソンがそう言い放つと、村長は慌て始めた。

「人身売買だと?何を言ってる!?」

「儀式と隠れ蓑にして大勢の人を生贄として連れ去り、山師に扮した自分の子分に売買させる……吐き気を催す邪悪とは貴様の事だな。」

「わっ私は何も知らない!その者も私には関係ない!」

「この期に及んで自分の罪を認めないとは本当に御しがたいな……仕方がない。マオ君、彼等を連れて来てくれ。」

ハンソンがそう言うと、マオは数名の若者たちを連れてきた。

「おっお前!?生きていたのか!?」

「貴方!?本当に貴方なの!?」

そう、彼等は皆、儀式の生贄として選ばれた者たちだったのである。

「祭壇の奥の隠し部屋に監禁されているところを救助した。これでもまだ白を切るというなら……人民を舐め腐ってる者には相応の報いを与えなくてはならんなぁ?」

ハンソンはそう言いながら拳を思いっきり振り上げた。





こうしてマサラ村に巣食っていた人身売買組織は壊滅、ボコボコにされた村長達は町の警察に突き出された。ハンソンは村人たちから受け入れられ、新たな拠点を得ることとなったである。




 
 

 
後書き
主人公が人外じみた力を発揮していますが、あくまでフィーリングなので気にしないでください。因みに前話で怪力を発揮しなかった理由は、ハンソンは無垢な人民には絶対に手を上げないと決めているからです。 
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