ドリトル先生の野球
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第一幕その七
「例え日本一になっても」
「連覇はしにくくて」
「投手陣がしっかりしてないと」
「本当の強さとは言えないのね」
「理想はね」
野球のそれはといいますと。
「投手陣も打線も強くて」
「投打だね」
「その二つが揃って」
「それだけじゃないんだね」
「まだ」
「そうだよ、そこに野手陣の守備に」
これにというのです。
「機動力もあるとね」
「完璧なんだね」
「その時は」
「そうなるのね」
「流石にこうしたチームは少なかったよ」
野球の歴史においてもというのです。
「確かに今の阪神は総合力があるけれどね」
「ちょっと投手陣偏重?」
「そうかもね」
「打線も強くてね」
「守備もそこそこで走れる人もいるけれど」
「それでも」
「うん、投手陣が物凄く強くて」
今の阪神もそうだというのです。
「そしてだね」
「言われてみればね」
「今の阪神もそうよね」
「滅茶苦茶強いけれど」
「その軸はあくまで投手陣」
「十二球団でダントツと言われてるね」
「あの投手陣からはそうそう点を取れないからね」
先生もその阪神の投手陣についてお話します。
「だからね」
「強さの軸だよね」
「まさに」
「そうだよね」
「あのチームは」
「そうだよ、あのチームの強さは」
まあにというのです。
「投手陣だよ、総合力が高くても」
「その軸はね」
「あくまで投手陣」
「あの物凄く強力な投手陣があって」
「後に打線と守備、走塁があるのよね」
「二点取るのがやっとで」
阪神投手陣からというのです。
「三点を取るのは至難だとね」
「難しいよね」
「勝つこと自体が」
「どうしても」
「そうよね」
「投手陣がとにかく強いチームで打線や守備は強いという程度だね」
確かにいいことはよくてもというのです。
「あくまで」
「ううん、言われてみると」
「それなりに強かったりよかったりしても」
「滅茶苦茶いいっていう程か」
「そこまでいかないかも」
「そう、全てのジャンルで極めて高いレベルだったチームは」
そうしたチームはといいますと。
「八十年代後半から九十年代前半の西武ライオンズかな」
「ああ、あのチームね」
「埼玉のチームだね」
「パリーグでユニフォームが青い」
「あのチームだね」
「その頃の西武は」
それこそというのです。
「とんでもない強さでね」
「それでだったんだ」
「投手陣も打線も物凄くて」
「守備も走塁も」
「どれもとんでもなかったんだね」
「総合得点では今の阪神が上かも知れないよ」
ここでこうも言った先生でした。
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