レーヴァティン
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第百六十三話 治の仕組みその六
「薩摩は江戸から遠いだけにな」
「お金がかかりましたね」
「そこに加えて賦役も命じられていた」
幕府からである。
「薩摩藩は幕府の潜在的脅威だったからな」
「その賦役で力を弱める」
「その為にな」
「お金をとにかく使ったので」
「その為だ」
まさにというのだ。
「年貢は高くな」
「他にも何かとよくないことをして」
「やっていった、褒められたことではないがな」
「薩摩藩にも事情がありましたね」
「そういうことだ、だが俺達はそこまでの事情はない」
「だからですね」
「そうだ」
それ故にというのだ。
「俺達はだ」
「それはしないですね」
「年貢は軽くしてな」
「奄美大島でもですね」
「そうしたことはだ」
砂糖を無理に作らせることはというのだ。
「せずにな」
「普通にですね」
「やっていく」
「お砂糖にしても」
「作らせるが」
それでもというのだ。
「無理にはな」
「作らせないですね」
「他の作物、そちらの百姓達が暮らせる分はな」
それだけはというのだ。
「普通にだ」
「作らせてですか」
「そしてだ」
「暮らしてもらいますか」
「薩摩藩はサトウキビだけを耕させてだ」
「その売り上げを全て薩摩藩のものにして」
「そしてだ」
そのうえでだったのだ、薩摩藩はかなり悪質な搾取をしていたと言える。西郷もそれを知って怒ったのだ。
「民にはお米等を高く売っていた」
「そうしていましたが」
「俺はしない、そもそも砂糖は他の地域でも作らせている」
「和三盆ですね」
「それを作らせて売らせている」
だからだというのだ。
「それでだ」
「尚更ですね」
「そうしたことはしない」
薩摩藩の様なことはというのだ。
「俺もな」
「左様ですね」
「それではな」
「これからもですね」
「砂糖も作らせていく」
そして産業にするというのだ。
「普通にな」
「それでは」
紅葉も頷いた、そうしてだった。
十三人を軸として治めていった、その中で。
英雄は天下の政を行いつつこれからのことを見据えていた、だがまだ動かず。
それでだ、兵も訓練させてその状況を見たが。
長槍に弓矢に鉄砲そして大砲を使うのを見て彼は仲間達に言った。
「訓練すればな」
「それだけ強くなるな」
「やはりな」
こう耕平にも話した。
「そうなる」
「そやな、実戦が一番強くなるにしてもな」
「それでもだ」
「訓練もな」
「兵を強くする」
「そやな」
耕平もその通りだと頷いた。
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