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レーヴァティン

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第百六十二話 普通の難しさその八

「確かなものにしてだ」
「治めていくわね」
「そちらもしていく、だが」
「だが?」
「当然俺達もその法の下にいる」
 英雄はこうも言った。
「法律は人が定めるが」
「人はその法に従うものである」
「それが法治国家だからな」
「無法者はおるとよ」 
 どうしてもとだ、香織は言ってきた。そうして栄螺を食べてから酒も飲んでそうしてこう言ったのだった。
「何処でも」
「そうなりたいか」
「なりたくなかとね」
「多くの者はそうだな」
「自分が法だと言う奴はおるとよ」
 香織は軽蔑を込めてそうした輩のことを述べた。
「何処でも」
「そうだな、しかしな」
「それでもだな」
「そうした奴はたい」
 まさにというのだ。
「私達は多く処罰してきたたいな」
「無法者なぞ許さん」
 英雄は一言でそうした輩について言い切った。
「それこそだ」
「そうした輩はたいな」
「その法によってだ」
「裁くたいな」
「前に町を牛耳っていた商人がいたな」
「ああ、鋸引きにしたたいな」
「魂も消し去ったが」
 そのやりたい放題やっていた輩をというのだ。
「それはだ」
「当然のことたいな」
「無法者なぞだ」
 それこそとだ、英雄は飲みつつ吐き捨てる様に言った。
「俺が法ならというならだ」
「その法によってたいな」
「容赦なく裁いてやる、そして俺達もだ」
「その法の下にたいな」
「いる」
 そうだというのだ。
「そうあるべきだ、それでこそだ」
「国は治まるたい」
「だから法を定めていく」
「そうたいな」
「それが政の最大の柱だ」
 法こそがというのだ。
「だからそうしていく」
「それではたいな」
「法も徹底させる、あと自分がその場所を牛耳っていて俺が法なぞという奴はその罪を暴いてな」
「処刑たいな」
「俺は何度も言うが屑にかける情けは持っていない」
 一切というのだ、そこにあるものはなかった。
「善良な民は護るべきだがな」
「それは絶対ですね」 
 紅葉もその通りだと述べた。
「まさに」
「百匹の屑の命と一人の民の命のどちらが大事だ」
「一人の民ですね」
「善良な、な」
「左様ですね」
「生きる価値のない奴はいる」
 英雄は言い切った。
「そうした奴は消し去っていったが」
「これからもですね」
「そうしていく」
「そうだ、だからだ」 
 それが為にというのだ。
「法はこれからもな」
「定めていきますね」
「厳しい法をな」
「左様ですね」
「だが俺は体育会系ではない」
 英雄は起きた世界の話もした。 
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