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仮面ライダーディロード~MASKED RIDER DELOAD~

作者:紡ぐ風
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第3部~希望と絶望の宝石~
  第1話『新たな混濁』

一人の少女が非常口へ向かって長い階段を走る。その階段の長さは世間一般の建設物では考えられない長さであり、少女の息遣いは徐々に荒くなるが、それでも少女は走ることを止めず、ついに非常口にたどり着き、その扉を開ける。
「えっ…」
少女は唖然とする。建物から出る為に非常口を開けたのだから外へは出られるのは当たり前だが、そこは既に異常気象を起こしており、黒く綺麗な髪を延ばし、左腕には砂時計の装飾が施された盾を着けた少女がミサイルランチャーを片手に下半身が何かの歯車のような、上下逆さの巨大な何かと空中戦を繰り広げていたからだ。黒い髪の少女は地対空ミサイルを使って巨大な何かを爆撃するが、巨大な何かは何事も無かったかのように笑っている。すると、走っていた少女の所に、白い動物らしきものがやってくる。
「君には、この絶望を打ち砕ける力がある。さあ、僕と契約して、魔法少女になってよ。」
白い動物は少女に語りかける。
「駄目!そいつの言うことを聞いちゃ駄目ぇぇぇーーー!」
黒い髪の少女は涙を流しながら叫ぶ。

─装填の守護者、ディロード。幾多もの世界を救い、その心は何を思う─

「ドラゴンロード事件からもう1年半だね、雅。」
「そうだな、フェイト。」
了を抱えるフェイトの言葉に雅は答える。
「あれから大規模の事件は無くなり、僕が直接動く程の事件も無くなったな。」
「それは、この国の防衛技術が進歩して、雅の手を煩わす程でも無くなったってことだよ。」
「それもそうだな。最近は各ライダーとG5ユニット部隊の連携も上手くとれているようだし、元管理局武装局員もエクシードデバイスの扱いに慣れたらしい。それに、次元干渉遮断システムの性能はなんの皮肉か、ドラゴンロード事件で身をもって実感しているからな。」
「それだけ、この国も安定し始めたってことだよ。」
雅の言葉にフェイトは優しい口調で返す。すると、雅達のいる次元保護国国家象徴宅にエマージェンシーコールが鳴り響く。
「フェイト、どうやらのんびりする時間は終わりみたいだ。リンディ長官からのエマージェンシーはそうそう無い。おそらく、次元規模の問題だろう。行こう。」
「うん。」
【ATTACK RIDE-WARP-】
雅はワープのアタックライドを使い、フェイト達と共に次元保護国警察庁長官室に向かった。
「リンディ長官、一体何事ですか?」
「それが、まるで照らし合わせたみたいに二つの世界でそれぞれ別の敵が出現して、困っているのよ。」
雅の質問にリンディは答える。
「二つの世界と、それぞれに現れている敵は一体何ですか?」
「異変が起きている世界はそれぞれ『仮面ライダーウィザード』と『魔法少女まどか☆マギカ』の世界で、ウィザードの世界にはまどか☆マギカの世界の敵の魔女が、逆にまどか☆マギカの世界ではウィザードの世界の敵のファントムが現れているわ。」
「また厄介な状況だな…」
リンディの説明を受けて雅は呟く。
「どうしたの雅?」
「ウィザードの世界は既に一度救い、ワールドホープも発動している。おそらく、ジオウ事件以上の危機が迫っている可能性が高い。何より、もう一つの対象が…」
「雅、その『まどか☆マギカ』の世界が問題なの?」
「ああ。フェイトは仮面ライダーウィザードの世界へ!魔法少女 まどか☆マギカの世界には僕が行く!」
雅は雅はかつてチームディロードのリーダーであった時のような力強い号令をかける。
「待って雅。魔法少女なら、同じ魔導師の私が行く方がいいんじゃないの?」
「フェイト、この世界の魔法少女達は、互いにテリトリーを持っていて、他所から来た魔法少女を敵と認識して命を奪おうとする。フェイトを守るためにも、フェイトにはウィザードの世界を任せたい。」
「わかった。雅も気をつけて。」
雅とフェイトは次元転送ポートに乗る。
「これより、フェイト・テスタロッサ並びに…」
「次元保護国国家象徴、凪風雅、行きます!」
「安心してね、フェイトさん。了は私の方で預かっておくわ。」
リンディは二人の次元転送を行う。

「これが今の見滝原か。半月後に災厄が来ると思えない程には穏やかだな。もっとも、ファントムが現れている以上、呑気なことは言っていられないか。」
まどか☆マギカの世界の舞台となる見滝原に転送された雅は言う。すると、
「僕達ファントムのことを知っているとは、放置するわけにはいかないね。」
「そうだな。上手く絶望してくれれば新たなファントムを生み出してくれるかもしれない。」
2体のファントムが現れる。
「さっそく出て来たか。」
「如何にも。俺はファントムのオルフェウス。」
「僕はエノク。さ、早く絶望してファントムを生み出してくれないかな。」
2体のファントムは雅を攻撃しようとする。
「そういうわけにはいかない。僕にはやるべきことがある。」
【CHANGE RIDE-FAIZ DRIVER-】
雅はディロードライバーをファイズドライバーに変え、ファイズフォンに認証コードを入力する。
[stunning by?]
「変身!」
雅はファイズフォンをファイズドライバーに装填する。
[complete.]
雅は赤いフォトンブラッドに包まれ、仮面ライダーファイズに変身する。
「貴様、仮面ライダーだったのか!」
オルフェウスは右手に持つ書物から光弾を放つが、ファイズはそれを避ける。
「それがどうした!」
[ready?]
ファイズはファイズショットにミッションメモリーをセットし、右手に装着してオルフェウス目掛けて走りながらファイズフォンのエンターキーを押す。
[exceed charge!]
「これでもくらえ!」
ファイズは必殺パンチのグランインパクトをオルフェウスに放ち、オルフェウスは怯む。
「オルフェウス!?」
エノクは光の鞭を出現させてファイズ目掛けて走る。
「まだいたな。」
[ready?]
ファイズはファイズポインターにミッションメモリをセットして右足に装着すると、ファイズアクセルのミッションメモリーをファイズフォンに装填する。
[complete.]
ファイズのフォトンブラッドは銀色に変わり、ファイズはアクセルフォームに変身する。
「一気に決めるか。」
[start up.]
ファイズはファイズアクセルのボタンを押し、超高速で動きオルフェウスとエノクに対して同時とキックとパンチの連撃を放ち続け、ファイズフォンのエンターキーを押す。
[exceed charge!]
[step2!5…]
ファイズが必殺技を発動すると、ファイズアクセルは制限時間のカウントをはじめる。
「これで…終わりだ!」
ファイズの必殺キック、アクセルクリムゾンスマッシュがオルフェウスとエノクにそれぞれ5発ずつ直撃する。
[2…1…time out.reflection.]
ファイズはアクセルフォームの時間制限に到達し、通常フォームに戻る。
「馬鹿な!」
「そんなことが!」
オルフェウスとエノクはアクセルクリムゾンスマッシュの威力に耐えきれず、爆散する。
「いきなり2体がかりでの襲撃か。これは、8年半ぶりに警戒を強める必要があるな。」
雅は変身を解除する。すると、
「ファントムをいとも容易く倒してしまうなんて、貴方は何者かしら?」
盾を左腕に装着した黒い髪の少女が、雅に拳銃を向けながら歩いてくる。
「驚いたな。この国にも銃刀法というものがあるはずだが?」
雅は無抵抗の意思を見せながら少女に話す。
「それは生きている人にしか通用しないわ。」
雅の言葉に少女はそう返す。
「まるで君は生きていないみたいな言い方だね。」
「…こっちの話よ。」
雅の言葉を聞き、少女は口を滑らせたと思いながら答える。
「隠す必要はない。僕もこの世界に来るにあたって、ある程度勉強はしてある。君達、魔法少女と呼ばれる者達がどういう存在なのか、その結末がどんな悲劇かを。」
「貴方、一体何が目的?」
「僕がこの世界に来た理由はただ一つ。君も解っているだろうが、本来この世界に存在しないファントムがこの世界に現れ始めた。そして、別の世界に魔女が現れている。僕の目的は、その二つの世界の歴史を正しく直すこと。今、僕の妻が本来ファントムのいた世界に向かって、向こうの対処に励んでいる。」
「それで?」
「僕としては、協力者をいち早く作って事件の解決を急ぎたい。君も君の成すべき事を成し遂げたい。つまり、僕と共闘しないか?」
雅は少女に共闘を持ちかける。
「私は、そんな簡単には甘言に惑わされないわ。」
少女は盾に備わっている時間停止の魔法を発動する。しかし、
「悪いが、時間の特異点である僕に時間を止める君の魔法で通用しない。」
雅は平然としている。
「…どうやら、分が悪いみたいね。」
少女は拳銃をしまう。
「私は暁美ほむら、貴方は?」
「僕は凪風雅。よろしく頼みます、暁美さん。」
「ほむらでいいわ。」
少女、ほむらと雅は協力関係を結び、互いに自己紹介をする。すると、
「またあなたね、私が見つけたファントムを倒したのは?」
ドリルヘアの金髪の少女が、二人の少女を引き連れてやって来る。
「その件だが、ファントムを倒したのは僕だ。」
雅は名乗り出る。
「あら、どうして暁美さんの肩を持つのかしら?」
「肩を持つわけではなく、事実だ。ファントムは本来この世界にいてはならない存在。僕はそれを退治する為にわざわざこの世界に来た。」
「そう、つまり私達魔法少女の敵というわけね。」
少女は黄色い宝石を取り出し、その宝石から光が放たれ魔法少女の姿に変身する。
「なるべく戦闘は控えたいが、簡単には逃がしてもらえそうにないな。」
【CHANGE RIDE-V BUCKLE VERSION SCISSORS-】
雅はディロードライバーをシザースのVバックルに変え、
「変身!」
雅は仮面ライダーシザースに変身する。
「そっちもその気みたいね!」
少女、巴マミはマスケット銃を出現させてシザースを狙撃する。
「ここは、一応使っておくか。」
【GUARD VENT】
シザースはガードベントを発動し、シェルディフェンスを出現させて、弾丸を防ぐ。
「暁美さん、ここは一旦引きましょう。」
【ADVENT】
シザースはボルキャンサーを召喚し、マミに向かわせると、ほむらの手を引いて逃走した。
to be continued.

次回予告
「俺達の世界にいないはずの敵を相手にするには、どうすればいいかわからない。だけど、俺達はそれでも戦わないといけない。次回『新たなる絶望』」 
 

 
後書き
新カード紹介
Vバックル(シザース):ディロードライバーをシザースのVバックルに変えて、仮面ライダーシザースに変身するためのカード 
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