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レーヴァティン

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第百五十九話 美酒その十

「そしてだ」
「そっちでも豊かになるたいな」
「そうなってもらう、浮島の西全体の水路でな」
「商いば盛んにして」
「そちらでも豊かになる、港もだ」
 これもというのだ。
「整えていく」
「既にある港は拡充し」
 海賊である幸正が言ってきた。
「そしてだな」
「これはという場所もだ」
 英雄は幸正にも応えて話した。
「港を築いていく」
「そうしていきな」
「銭はかかるが」
「その分の益は出る、いや」
「築いた分よりも遥かにだな」
「益は出るからな」
 だからだというのだ。
「これはという場所にはな」
「港を築いていくな」
「瀬戸内だけではない」
「山陰や北陸の方もだな」
「港を築いていく」
 そちらもしていくというのだ。
「そしてだ」
「益を出すな」
「あと城でも堤でもそうしているが」
「港を築く際に働かせている民達にはか」
「飯も報酬もだ」
 そのどちらもというのだ。
「弾む」
「そうしていくな」
「そしてふんだんに働いてもらいな」
「銭も使ってもらうな」
「そうだ、銭を使えばな」
「経済が動く」
「だからいい」
 銭を使うそれもというのだ。
「勿論生活が大事でな」
「過度の浪費は駄目だがな」
「しかし破産しない程度ならな」
「使っていいな」
「そうだ、だからだ」
 銭もというのだ。
「使ってもらう」
「人夫達にもか」
「そして港が出来れば船乗り達にもな」
「銭を使ってもらうか」
「アムステルダムの船乗りやバッカニア達の様にとは言わないが」
 彼等の放蕩ぶりはかなりのものだったという、それこそ銀の食器を使いギャンブルや娼館で散財していたとある。
「やはりな」
「遊んでもらいだな」
「経済を動かしてもらう」
「そういうことだな」
「銭は使うことだ」
 それが第一だというのだ。
「天下の回りものだ」
「回れは回るだけ経済がよくなる」
 幸正もこう言った。
「だからだな」
「人夫達にはな」
「報酬も弾むな」
「飯も奮発してな」
 そうしてというのだ。
「仕事に頑張ってもらいだ」
「銭も使ってもらう」
「そのつもりだ、俺は使うからには大いに使う」
 銭、それもというのだ。
「だからな」
「ふんだんにだな」
「銭も使う、だが」
「それでもか」
「破産はしない様にする」
 幕府の財政、それはというのだ。 
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