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レーヴァティン

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第百五十七話 完全破壊その九

「奴隷制は廃止だ」
「奴隷は解放してですね」
「平民になってもらう」 
 その様にするというのだ。
「これからはな」
「そうなりますね」
「ああ、奴隷達にも事情を話してな」
 そのうえでというのだ。
「そうなってもらうな」
「そこも変わりますね」
「ただな、その奴隷達がな」
 その彼等のことに直接言及した。
「スパルタにはいなかったな」
「スパルタ軍が安全な場所にやっていたのよ」
 清音が微笑んで言ってきた。
「それでよ、スパルタは奴隷は酷使するけれどね」
「戦闘には参加させていなかったな」
「だからね」
「奴隷達はか」
「戦に巻き込まない、それと邪魔になるから」
 この二つの理由でというのだ。
「安全な場所にね」
「避難させていたんだな」
「そうしていたのよ」
「街の戦の前にか」
「そうしていたから」
 だからだというのだ。
「全員無事よ」
「そうか、じゃあそのスパルタの奴隷達はな」 
 その彼等はというと。
「街の復興は俺達がするが」
「すぐに仕事に戻れるわ」
「そうだよな、有り難いな」
「それならね」
「ああ、だからな」
 それでというのだ。
「奴隷達には事情を話すな」
「そうしてですね」
「これからは帝国の臣民として」
 この立場でというのだ。
「頑張ってもらうな」
「そうするわね」
「奴隷はいらないってことでな」
「私達は意見が一致してね」
「政もやってるからな」
「貴族はいても」
 彼等が権限だけでなく教育を受けているだけあってそれなりの能力を持っているからだ、久志達も彼等の存在は認めたのだ。
 だが奴隷、この存在はというと。
「どうしてもね」
「奴隷はな」
「不要ね」
「ああ、個人とか国家の財産じゃなくてな」
「市民としてよね」
「働いてもらうな」
 そうしてもらうというのだ。
「勿論農業でもな」
「同じね」
「その場合は村民だな、どっちにしてもな」
「帝国臣民ね」
「その様にしていくな」
 社会的身分はというのだ。
「これからな」
「ええ、ただ奴隷ってね」
 清音はこの立場について眉を曇らせて述べた。
「この浮島にはあるわよね」
「この半島は特に多いけれどな」
「全体的にあるわね」
「ああ、それがどうもな」
 久志は眉を顰めさせてその奴隷について話した。
「嫌だな」
「そうよね」
「これは俺達が今の日本人だからか」
「そうね、というか日本って奴隷は早いうちになくなったでしょ」
 制度自体がというのだ。 
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