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レーヴァティン

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第百五十七話 完全破壊その五

「いいな」
「はい、それでは」
「これよりです」
「門を破壊します」
「敵の反撃が来てもな」
 実際に今も来ている、砲撃も銃撃も来る。矢も雨の如くだったがそれでもだ。
 久志はそうしたものを見ても平然として言うのだった。
「そのままだ」
「攻めていく」
「そうしますね」
「このままですね」
「ああ、もう城壁や門や塔ごとな」
「敵兵も倒していきますか」
「ああ」
 実際にとだ、久志は答えた。
「じゃあな」
「このままですね」
「攻めていくな」
「総攻撃を続けますね」
「攻撃の手を緩めるなよ」
 久志は兵達に告げた。
「いいな、門が完全に壊れるまでだ」
「攻撃を続けますね」
「このまま」
「そうしていきますね」
「ああ、そしてな」
 そのうえでというのだ。
「完全に壊したらな」
「それからですね」
「城に入る」
「そうしますね」
「ああ、しかし入ってもな」
 それからのこともだ、久志は兵達に話した。
「まだだ、街の中もな」
「攻撃を行う」
「そうしていきますか」
「街もこうしてですか」
「攻撃していきますか」
「ああ、もう徹底的に戦うつもりだからな」 
 敵であるスパルタ軍、彼等はというのだ。
「だからな」
「もうですか」
「こちらも徹底的に攻めて」
「そうしてですか」
「破壊していきますか」
「ああ、もう街も市民もな」
 その市民がまさにイコールスパルタ軍だからだというのだ、見れば城壁の兵士達には武装した女子供までいる。
「やっちまえ、街は後で復興させてな」
「市民は、ですね」
 夕子が聞いてきた。
「復活させますね」
「ああ、手間暇はかかるけれどな」
 それでもとだ、久志は夕子に答えた。
「もうここまできたんだ」
「それならですね」
「敵が一人残らずいなくなるまでな」
 それこそというのだ。
「やってやるさ」
「それでは」
「まずは門を破壊するな」
 そう言いつつ攻めさせる、今丁度縄文に爆裂弾が炸裂した。ダメージは与えたが門はまだそこにある。
「そうするな」
「そうして街の中も」
「壊すな、ったく素直に降伏すればな」 
 それでとだ、久志は歯噛みしてこうも言った。
「ここまで苦労しないのにな」
「全くですね、もう勝敗ははっきりしています」
「戦う前からな」
「圧倒的な大軍で街を囲んだのですから」
 だからだとだ、夕子も困った顔で話した。
「こうなればです」
「援軍が来るあてもねえ」
「ならです」
 それならというのだ。 
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