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仮面ライダーディロード~MASKED RIDER DELOAD~

作者:紡ぐ風
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第二部~雅、結婚騒動~
仮面ライダージオウ ディロードライドウォッチ編
  EP.EX08 2019:セカイのシンジツ

「俺は決めたんだ。オーマジオウのような王にはならない。俺が目指すのは最高最善の王だ。」
「そうか、やはり君とは、分かり合うことは出来ないみたいだ。僕は、オーマジオウと話をしたことがある。」
雅は、少し前の出来事を振り返る。

─時代を駆け抜けた、平成仮面ライダー達。全ての力を集め、新たなレジェンドが始まる。祝え!真の王の誕生を!─

「侑斗さん、もう一つ、行ってほしい時間があります。」
「何処だ?」
「2068年、仮面ライダージオウが、オーマジオウとして君臨している時間軸です。」
「わかった。俺もその魔王に興味がある。行こう。」
ゼロライナーに乗って、雅と侑斗は2068年に向かう。
「随分と荒廃しているな。」
侑斗は言う。
「その原因を調べるために、僕は今からオーマジオウに会いにいきます。侑斗さんはもしものために待機してもらえますか?」
「わかった。雅、無茶はするなよ。」
「はい。」
雅は当てもなく歩き始める。それから少し歩くと、荒野の中に不自然に存在する玉座を発見する。
「あれは…」
雅は呟く。すると、
「珍客が来たようだな。」
威厳のある声が玉座から聞こえる。
「あなたが、この時代の常磐ソウゴさん、オーマジオウですか?」
「如何にも。私は、かつて世界を救った最高最善の王、オーマジオウだ。」
「お会い出来て光栄に思います、オーマジオウ。」
「ほう、私を前にしてそのようなことを言えるとは。」
「仮にも、こことは別の世界で国家象徴となっていますので。」
「そうか。お前は、別の世界の王か。ならば話は早い。何が聞きたい?」
「まず、あなたは何故、世界を救っていながらも、今の状態を維持しているのですか?」
「この世界が、仮面ライダーの世界であることは、お前も周知のはずだ。」
「はい。」
「明光院ゲイツとか言ったか。仮面ライダーの世界には、正義と平和を取り戻す仮面ライダーと、それを妨げる悪が必要不可欠。それが失われれば、この世界という時計は壊れ、止まってしまう。故に、私はこの状態を保ち続けなければならない。それが、王になったせめてもの償いだからだ。」
「そういうことでしたか。では2019年、あなたが王になった年、どのようなことがあったのですか?どうも、あなたがオーマジオウになられる前後の時間に、向かうことが出来なくて。」
「あれは、悲惨な出来事だった。今でも時々夢に見る。ダイマジーンが6体現れ、この世界を消し去ろうとした。私は力を欲した。その時、ウォズが私に、この力を授けた。私はこの力を振るい翳し、ダイマジーンと、それを護衛するカッシーンを破壊し、世界の消滅を防ぎ、それを促していた3人の仮面ライダーを倒した。しかし、何時の頃からか、あれらを操っていた諸悪の根源が私だという話が出回っていた。私は、それを否定する術を知らず、全てを受け容れた。」
「そうですか。最後に一つ、この時代で、飢餓や疫病は流行っていますか?」
「そのようなこと、起きるはずがない。」
「そうですか。貴重なお話、ありがとうございます。勿論、過去のあなたに話すつもりはありません。」
「そうか。王との会話、実に楽しめた。早く向かうといい。」
雅はオーマジオウと別れて侑斗と合流し、現代に戻る。

「君は確かに強い正義感を持っている。だが、その強すぎるまでの正義感が、君をオーマジオウに変える。」
「そんなことはない。雅、俺と戦って。それで、俺がオーマジオウになるかどうか、見定めてよ。」
「…わかった。いいだろう。」
ソウゴの提案に雅は乗り、外へ出る。
「始めようか、雅。」
ソウゴはジクウドライバーを装着する。
「ジオウ、俺達も協力してやる。」
ゲイツとウォズもベルトを装着する。すると、
「なにやら、面白そうなことが起きているみたいじゃないか。俺も混ぜろ。」
仮面ライダーディケイド、門矢士が現れる。
「ディケイド…あなた達に、僕とソウゴ君の一騎打ちを邪魔させません。あなた達には、こいつと戦ってもらいます!」
【SUMMON RIDE-ZETUMU-】
雅はロードスラスターから『電撃学園RPG Cross of Venus』のラスボス、絶夢を召喚する。
「けっ、何故俺を召喚した、雅!エンターテイナーの戯れ言に従い、それを守り抜くお前が!」
「適材適所なだけです。あなたが持つ夢を絶つ力が、そこにいる世界を破壊する男に敵うと思っただけです、」
「ほう、確かにそこにいる男は、俺と同じくエンターテイナーのただの創造物というわけではないみたいだな。そこの貴様、何故貴様はその世界を破壊する力を無駄づかいする!?」
「決まっているだろう。俺は全てを破壊して、全てを繋ぎ、仲間を作る為だ。」
絶夢の質問に士は答える。
「言ってくれるね、士。だけど、忘れたわけじゃないだろうね?僕の方が、ずっと昔から通りすがりの仮面ライダーだってこと。」
そこに海東が現れる。
「海東大樹!?どうしてここに!?」
「久しぶりだね、雅君。絶夢の力、そのお宝は僕がいただく。士、協力してあげるよ。」
「海東、足を引っ張るなよ。」
士達は絶夢と戦う意思をみせる。
「仕方がないな。こちらも本気で行くか。」
絶夢はそう言うと、黒い靄に包まれて、禍々しい真の姿をみせる。
「いいだろう。さあ、スペシャルマッチといこうじゃないか!」
「お前達、行くぞ!」
士達は変身し、真・絶夢と戦闘を始める。
「ソウゴ君、これを渡してあげよう。」
雅はそう言うと、ディロードライドウォッチに電王のライダーカードを翳し、ディロードライドウォッチをディロード電王ライドウォッチに変えてソウゴに投げ渡す。
「これなら、なんか行ける気がする!」
ソウゴは20のライドウォッチをグランドジオウライドウォッチに変え、ジクウドライバーにセットする。
「では、僕達も始めよう。」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「「変身!」」
〝グランドタ~イム!クウガ!アギト!龍騎!ファイズ!ブレイ~ド!響鬼!カブト!電王!キバ!ディケイ~ド!ダ~ブ~ル!オーズ!フォーゼ!ウィザード、鎧武、ドラ~イ~ブ~!ゴースト~!エグゼ~イド~!ビ~ルド~! 祝え! 仮面ライダー!グ!ラ!ンド!ジオウ!〟
雅はディロードに、ソウゴはグランドジオウに変身する。
「まずはこうだ!」
【CHANGE RIDE-OOO DRIVER-】
雅はディロードライバーをオーズドライバーに変えて仮面ライダーオーズ スーパータトバコンボに変身する。
「だったらこっちも!」
〝クウガ!カブト!ウィザード!〟
グランドジオウはクウガ ペガサスフォーム、カブト ハイパーフォーム、ウィザード インフィニティスタイルを召喚する。
「その程度で、止められるものか!」
オーズは時空間移動を行う。
「向こうもやっているな。なら見せてやる。これが俺の世界だ…」
真・絶夢はゲイツリバイブの辺り一帯を歪な闇、ユメノナイセカイで包み込み、連続攻撃を放つ。
「ぐあぁぁっ!」
ゲイツリバイブは吹き飛ばされる。
「だったらこっちも!」
ゲイツリバイブは必殺技を発動しようとするが反応しない。
「何っ!?」
「俺の世界にそんなものは必要ない。この攻撃、耐えられるかな?」
真・絶夢はユートピアドーパントに化けるとエネルギー波を放つ。
「ここは替われ!」
ディケイドはゲイツリバイブを突き飛ばし、その攻撃を受ける。すると、真・絶夢はン・ダグバ・ゼバに姿を変えて、炎を纏わせた拳でディケイドを殴りつけ、真・絶夢は更にロードバロンに姿を変えてグロンバリャムでディケイドを切り裂く。
「今がチャンスだね!」
【KAMEN RIDE-ACCEL BRAVE-】
【ATTACK RIDE-CROSS ATTACK-】
ディエンドはアクセルとブレイブを召喚し、連撃を真・絶夢に放つ。
「ありがとう、海東!」
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DECADE-】
ディケイドは怯んだ真・絶夢にディメンションキックを放つ。
「ぐぅっ!」
「私も行かせてもらうよ!」
〝ファイナリービヨンド・ザ・タイム!超銀河エクスプローション!〟
ウォズも銀河系のエネルギーを纏ったキックを真・絶夢に放つ。
「ゲイツ君、今だ!」
「わかった!」
〝フィニッシュタ~イム!剛烈! 一撃!タ~イムバースト!〟
ゲイツリバイブの一撃必殺のパンチが真・絶夢に炸裂する。
「おのれ…自分の意思を持たない…創造者の、作り物の分際でぇぇぇっ!」
真・絶夢は変身を解くと、そう言い残して爆散した。
「さて、一気に決めるか!」
オーズは時空間移動を行い、クウガのアークルをトラクローソリッドで破壊し、カブトのオオヒヒイロノカネを打ち抜く攻撃を行い、
〔スキャニングチャージ!〕
スーパータトバキックをウィザードに放ち撃破すると、雅は再びディロードに変身する。
「これならどうだ!」
【ATTACK RIDE-BARDICHE ASSAULT-】
【FORM RIDE-DELOAD LIGHTNING-】
ディロードはライトニングフォームに変身し、バルディッシュアサルトをハーケンモードに変え、
「ハーケンセイバー!」
魔力の刃をグランドジオウに放つ。
「だったら!」
〝龍騎!ブレイド!フォーゼ!〟
グランドジオウはドラグシールドを構えた龍騎、メタルを使ったブレイド、シールドモジュールを展開したフォーゼを呼び出し、攻撃を防ぐ。
「ライダーを道具扱いするなんて…」
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
「アルカス・クルタス・エイギアス。疾風なりし天神、今導きのもと撃ちかかれ!バルエル・ザルエル・ブラウゼル。フォトンランサー・ファランクスシフト。撃ち砕け、ファイア!」
ディロードは必殺の弾魔法の弾幕でグランドジオウを攻撃するが、グランドジオウはその攻撃を耐えきる。
「俺はオーマジオウにならない!」
グランドジオウは立ち上がる。
【CHANGE RIDE-ARCL-】
「超変身!」
雅はディロードライバーをアークルに変えて、クウガ アルティメットフォームに変身する。
「オーマジオウが悪だといつから錯覚していた!」
クウガは超自然発火能力を使いグランドジオウを燃やす。
「なんだと!?」
〝キバ!〟
グランドジオウはキバ バッシャーフォームを召喚し、アクアフィールドを展開してもらい、炎を消す。
「確かに、人は減っているのかもしれない。だが、今の世の中みたいに人と人とが争うことも、飢餓に苦しむ人もいない。この地球という星は、人間が生息出来る許容範囲は35から40億が限界なんだ。人が減ることで、世界は安定している。理不尽に人が人に殺されることもない。少なくとも、今の世の中は満ち足り過ぎているから、水土ミヤビのような悲劇が生まれる!」
クウガはグランドジオウを殴る。
「でも、雅がアナザーディロードを倒さなければ、ミヤビは自殺しなかった!」
「何故そんなことを言う!」
「だって、ミヤビは自殺しないために、アナザーディロードになったんだろう?」
グランドジオウも負けじとクウガを殴る。
「それは違う。ミヤビは、そんなことのためにアナザーディロードになったわけではない!」
「じゃあどうして!?」
「ミヤビが願ったことはただ一つ。ただ、平和に生きていていいよって、言ってもらいたかったからだ。」
「どういうこと?ミヤビは普通に生きていたじゃん!」
「人に怯え続け、自らその命を終わらせようと思う人を、平和だと思えるのか!」
クウガは右足にエネルギーを溜め、必殺のアルティメットキックをグランドジオウに放ち、グランドジオウの変身は解除され、ディロード電王ウォッチが砕け散ると、グランドジオウウォッチは消滅する。
「確かに、僕は国を束ね、法を整備した。その結果イジメが原因の自殺者を三分の一に減らせた。」
「そんなに!?」
「だが、その犯行の九割が子供、その八割が人間によるものだ。結局、人の心が何時だって人を殺める。みんなで仲良くなんて言っている間は、君は王にはなれない。」
雅はその言うと、突然意識を失った。

「…やび!雅!」
雅が目を覚ますと、隣にはフェイトがいた。
「フェイト?」
「大丈夫ですか、雅国家象徴!」
不思議がる雅の所にリンディがやってくる。
「リンディ長官、僕の身に一体何が?」
「雅国家象徴はラプラスの魔に頼まれてNのフィールドを調査しているうちに、その空間に飲み込まれてしまっていました。」
リンディが雅に説明をする。
「雅さん、申し訳ありません。雅さんを飲み込んだ空間はNのフィールド第202018番世界、〝19の墓標〟という場所でした。歴史が消え、全てが束ねられた空間は、一つの歴史を区切り、それを墓標に見立てる。そんな空間でした。」
「ありがとう、ラプラスの魔。リンディ長官、今回の出来事を資料にさせてもらっていいでしょうか?」
「はい。大丈夫です。」
雅はパソコンで事件の詳細を入力し始める。
『─以上が、僕がこの世界で体験した出来事の全てである。』
「リンディ長官、これを資料として、参考にして下さい。」
雅は資料をリンディに渡すと、雅を残して全員部屋から出て行く。
「それにしても、随分に悲しい世界だった。」
雅はポケットからフォームライドウォッチを取り出すが、それはすぐに砂となって消えてしまい、この事件の幕は降りた。

『かくして、凪風雅は次元保護国に戻り、我々の歴史は元に戻りました。めでたしめでたし。しかし、水土ミヤビは、それで本当に幸せになったのでしょうか?』
仮面ライダージオウ ディロードライドウォッチ編 完 
 

 
後書き
アイテム紹介
ディロードライドウォッチ
ディロードの力を宿したライドウォッチ。ディロードが持つ適合者の選定能力を持ち、雅以外の人間は触れることが不可能になっている。

ディロード電王ライドウォッチ
ディロードライドウォッチが電王のライダーカードによって変化したライドウォッチ。電王ライドウォッチとしての機能を果たし、ディロードライドウォッチの機能は失われる。

フォームライドウォッチ
砂時計型のライドウォッチでディロードのフォームライドの力を宿す。

アナザーディロードウォッチ
水土ミヤビから奪った仮面ライダーディロードの力を宿すアナザーウォッチ。ディロードの適合者の選定能力を持ち、非適合者が使用する場合、その人物を爆死させる。 
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