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万能主人公

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第三章

「それが一瞬かよ」
「強過ぎるだろ」
「ここまで強かったら本当に何でもありだな」
「それこそな」
「もうこいつ一人でいいだろ」
「この主人公一人でいいだろ」 
 読者もアニメの視聴者もこの結論に至った。
「もうな」
「仲間いらないだろ」
「色々モブみたいに出て来るけれどな」
「どうせ主人公が全部解決するからな」
「こいつ何でも出来るからな」
 万能、文字通りのそれだからだというのだ。
「もう展開一つしかないしな」
「この主人公が何でも解決して」
 どんな問題でもというのだ。
「そうしてな」
「仲間出来てヒロイン追加」
「こればっかだしな」
「もうこの作品な」
 冷めきった、そうした声での言葉だった。ネットの書き込みも同じだった。
「主人公だけでいいぜ」
「こいつだけでどんな問題も解決するからな」
「他のキャラいらねえだろ」
「それで苦境に陥ってもな」 
 他の作品と違ってだ。
「平気な顔で解決するしな」
「何処かのゴル何とかより凄いからな」
「ゴル何とかでも一人で百万の大群倒さねえしな」
「流石にそれはなかったしな」
「魔法とか超能力も使わねえよ」
 その最強主人公でもというのだ。
「しかも最高レベルで」
「そう思うとこいつ何だよ」
「無敵過ぎるだろ」
「俺TUEEEEEEEEEEEもここまでくるとな」
「完全に白けるな」
「何でも解決するから」
「本当にな」
 こう話してだ、完全にだった。
 宮城が書いているその作品に白けてしまった、あまりにも強くて完璧過ぎてモテ過ぎる主人公を見て。 
 だが彼等は。
 少し考えてだ、こうも言い合った。
「もうこれは別の楽しみ方あるよな」
「ああ、無敵主人公が何でもやる」
「作者はシリアスなつもりでもな」
「逆でそうするな」
「そうした作品だって思ってな」
「ギャグだってな」
 どんな問題も無敵能力で平気で解決する、というのだ。 
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