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レーヴァティン

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第百五十六話 一騎当千の者達その三

「そうだね」
「切り込んでくるならな」
「迎え撃つね」
「どう強くても囲んでな」
 そしてというのだ。
「切り伏せてやるさ」
「そういうことだね」
「ああ、その前に槍も使う」
 帝国軍の誇り長槍、パイクの中でもとりわけ長いそれをというのだ。
「それでな」
「近寄せない」
「まずそうするな、しかし」
 久志は前に進みながら銃撃を行ってくるスパルタ兵達をさらに見た、その銃撃で帝国軍の将兵達に倒れる者も出ている。
「狙いは正確でしかも全員が鉄砲使ってくるな」
「うん、砲撃もそうだったし」
「槍も剣も持っている」
「術もだし」
「連中どんな武器でも使えるんだな」
「ここの将兵がね」
「こんな軍隊ははじめてですね」
 源三も苦い顔で述べた。
「まさに」
「個々の将兵が色々な武器に精通しているとかな」
「流石戦闘国家ということでしょうか」
「全員どんな状況でも戦える」
「そうした国か」
「ただ将兵の個々が強いだけではない」
 源三は苦い顔で言った。
「スパルタ兵は」
「装備もよくてな」
「あらゆる武器にも精通している」
 源三も彼等を見ている、そのうえでの言葉だ。
「それだけに強いですね」
「本当にそうだな」
「では彼等は槍も剣も」
「使うな、じゃあな」
「最後まで、ですね」
「戦うな」
「そうしましょう」
 こう言ってだった。
 源三も術を放つ、そしてだった。
 スパルタ軍を攻撃する、そのうえで。
 久志はこれからのことを考えていた、数は圧倒的でありしかも攻撃も終えていない。だがそれでもだった。
 スパルタ軍は退かす数も攻撃の程までは減っていない、しかも反撃も止まらない。それでまた言うのだった。
「これが訓練の成果ならな」
「恐ろしい限りですね」
 源三もそのスパルタ軍を見て言う。
「これは」
「ああ、訓練もここまでいくとな」
 久志も言うことだった。
「物凄いな」
「はい、文字通りの精鋭です」
「本当にな」
「過酷な軍事訓練にです」
「モンスターとの戦闘にも出てるんだったな」
「そうです、それだけにです」
「この強さだな」
 久志は思わず唸った、そのうえでの言葉だった。
「そうだよな」
「左様ですね」
「他の都市国家との戦闘も多かったですし」
「ただ強いだけじゃないか」
「あらゆる訓練と戦闘を経てきて」
「レベルも高いからな」
「そのレベルは」
 スパルタ兵のそれはというと。
「平均して二十、いえこれは」
「三十はあるか」
「そうだよな」
 まさにとだ、久志も頷いた。
「連中は」
「我が軍も鍛えていますが」
「よくて十だからな」
「将兵のレベルは」
「俺達は置いておいてな」 
 久志達のレベルは三百近い、これは久志だけでなく仲間達も同じだ。それだけに強さは圧倒的であるのだ。そこに神器も加わるから余計である。 
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