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レーヴァティン

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第百五十五話 アテネとの戦いその十一

「お前のその剣もだ」
「使うことをか」
「考えておくことだ」
「街を焼くか」
「スパルタのな」
「街も市民、つまり敵兵も」
「全て焼き尽くすことも考えることだ」
 こう告げるのだった。
「いいな」
「核兵器使う様なものだな」
「俺達の起きた世界で考えるとな」
「やっぱりそうなるか」
「核兵器を使う覚悟はあるか」
 正は久志を鋭い目で見据えて問うた。
「お前に」
「日本は持ってないけれどな」
「あの兵器の威力は知っているな」
「ああ、もうな」
 それこそとだ、久志は正に深刻な顔で答えた。
「全てを焼き尽くしてな」
「破壊し尽くすな」
「放射能もあるしな」
「一発で街を消し飛ばす」
「広島や長崎みたいにな」
「俺は広島に行って資料館を見た」
 原爆のそれをとだ、正は言った。
「あれは恐ろしい兵器だ」
「戦争自体がとんでもないものだけれどな」
「荒れはその中でも特にだ」
「恐ろしいものだな」
「一発で何十万も惨たらしく殺せる」
「影だけが残るとかな」
「そうした殺し方をする兵器だ、そしてだ」
 正はまたレーヴァティンを見て久志に告げた。
「俺達が持っている神器もな」
「それだけの武器だよな」
「それを使うとなると」
 まさにというのだ。
「覚悟が必要だ」
「そういうことだな」
「理想としては」 
 夕子がここでこう言った。
「神器は使わないで」
「そうしてな」
「勝つことがです」
 そのことがというのだ。
「理想ですね」
「そうだよな」
「ですから」
 それでとだ、夕子はまた言った。
「ここはです」
「出来る限りか」
「使わないということで」
「使うと本当に戦に関係ない人も街も全部巻き添えにするからな」
「田畑にしても、ですが」
 夕子はここで必死の顔になって久志に言った。
「やはりです」
「使わざるを得ないならか」
「使うこともです」
 それもといいうのだ。
「決断しましょう」
「そういうことだな」
「戦はやはりです」
「早く終わらせるべきだからな」
「それが大きな犠牲を出すものでも」
「長引かせるともっと大きな犠牲出すしな」
 ここで久志はさらに言った。
「原爆にしてもな」
「戦争の早期終結の為に使用したという説がありますね」
「他の説もあるけれどな」
 兵器の実験だったという説もある、この辺りは諸説ある。
「その説あるよな」
「はい、ですから」
 それでというのだ。
「百の犠牲を出す兵器でも」
「その後の二百の犠牲出すよりはな」
「使うべき場合もあります」
「それが現実だよな」
「ですから」
 それ故にというのだ。 
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