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レーヴァティン

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第百五十五話 アテネとの戦いその七

「しかしだ」
「その金をかける分はあるからな」
「疫病が出ては終わりだ」
「今回もそうだしな」
「災害の時と同じだ」
「災害も万が一に備えないとな」
「大津波は百年に一度しか来ないと言って堤防を削るのはだ」
 これは芳直も知っていることだ、何しろ自分達が起きた世界において実際に日本であったことだからだ。
「愚の骨頂だ」
「そうだよな」
「そして実際に大津波が起こってだ」
「大惨事になるよな」
「もっともそうしたことを言う奴が起こってもだ」
 その大津波がだ。
「そして多くの犠牲者が出てもな」
「平気な顔でいるよな」
「恥を知らない奴はそうだ」 
 極めて冷たい目になってだ、芳直はこうも言った。
「そうしていられる」
「そうなんだよな」
「愚か者でも恥を知っていればいいが」
「それに加えて恥を知らない奴もいるからな」
「そんな奴はそうなっても平気な顔のままでだ」 
 それでというのだ。
「他人を糾弾し続ける」
「自分のことはほったらかしでな」
「俺っち達はそんな連中じゃないからな」
「ちゃんとした政をしないとな」
「駄目だ」
 何といってもというのだ。
「そして今回はだ」
「その姿勢が功を為してか」
「アテネは手に入った」
「そうなんだな」
「そうだ、結果としてな」
「それは何よりだな」
「それじゃあアテネもこちらの勢力での政をしていって」
 双葉がここで言ってきた。
「そしてね」
「スパルタだな」
「あの国とね」
「遂に戦うことになるな」
「もうあそこはね」
「何があっても降らないよな」
「下手をすればスパルタ市民全員がね」
「女も子供な」
「全員戦ってくるわよ」
「そうだよな」
「あそこはそうしたところよ」 
 スパルタ、この国はというのだ。
「だからね」
「もうこれからは完全に潰すしかないか」
「ええ、殲滅戦よ」
「そうだよな」
「だからね」
 双葉は久志にさらに話した。
「次はね」
「これまでとは違うな」
「相手は本物の戦闘国家よ」
 スパルタ、この国はというのだ。
「生活自体が訓練で」
「日々鍛えられていてな」
「装備もいいから」
「そして戦意もだな」
「高いわよ、それもね」
「落ちないな」
 その戦意がとだ、久志も言った。
「本当にガチの戦闘国家だな」
「だからね」
 それでというのだ。
「本当にな」
「戦ってもね」
「強いわよ」
「そうだよな」
「そんな連中だから」
 繊維は落ちずにというのだ。 
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