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レーヴァティン

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第百五十五話 アテネとの戦いその五

「解決していこうな」
「それでお金もですか」
「帝国が出してくれるのですか」
「こちらの政のことでも」
「そっちがよかったらな、疫病を流行らせるよりな」
 今問題となっているこの問題を再び起こさせるよりもというのだ。
「そっちの方がいいからな」
「だからですか」
「そちらからお金を出して」
「そしてですか」
「ああ、何とかしてくれるか」
 こうアテネの者達に話した。
「いいか」
「予算を出してくれるのなら」
「我々も異論はありません」
「ですがそれでもです」
「そこまでして頂くとは」
「医師や薬だけでなく」
「治療も徹底されていますし」
 アテネの者達は快く申し出る久志に対して怪訝な顔で問うた。
「しかもそこまでされますと」
「流石に」
「だからな、疫病はこっちも迷惑なんだよ」
 こちらにも影響が及ぶからだとだ、久志は彼等に答えた。
「それでだよ」
「そこまでして頂けるのですか」
「アテネを救って頂く」
「左様ですか」
「ああ、だからな」
 それ故にというのだ。
「いいな」
「それでは」
「そこまで言われるなら」
「我々も」
「そういうことでな」
 やはり闊達に言う久志だった、彼はそれで陽気にテーベに帰ったが一週間後だった。彼はアテネからの知らせを聞いて驚いて言った。
「おい、まさか」
「そのまさかよ」
 留奈は驚く久志に笑って答えた。
「アテネがね」
「議会の議論の結果か」
「こっちに降ることを決定したのよ」
「そうなんだな」
「ええ、そしてね」
 留奈は久志にさらに話した。
「アテネの勢力圏もね」
「そこにある都市国家もか」
「全てね」
 まさにというのだ。
「降ることもね」
「決定したか」
「そうよ、あんたのその決定にね」
「アテネは降ることを決めたんだな」
「あんたが進んで助けてくれたからね」
「だってな、一般市民は誰だってな」
「疫病になれば」
 留奈は久志に話した。
「助けないとっていうのね」
「そういうものだろ」
「それでお医者さんとお薬も出して」
「街のこともな」
「お金を出してなのね」
「それ位の金は帝国にはあるしな」
 アテネの都市整備位はというのだ。
「だからな」
「それで、よね」
「多くの人が助けられるしな」
「その意気よ」
 留奈は微笑んで話した。
「アテネはあんたの意気に感じてね」
「降るんだな」
「そうよ、だからね」
「アテネは降ってか」
「そしてね」
「勢力圏の都市国家もか」
「降ったのよ、戦はしなかったけれど」
 それでもというのだ。 
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