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レーヴァティン

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第百五十四話 都市国家同盟その七

「とてもな」
「守りはでしたね」
「脆い街だったな」
「それはテーベやアテネも同じで」
「スパルタもか」
「そうです、もうスパルタになりますと」
 この街はどうかとだ、源三は話した。
「野戦一辺倒で」
「街の守りはか」
「ほぼない」
「そこまで言っていいんだな」
「左様です」76
「戦闘特化ってのは野戦でか」
「街についてはです」
 こちらはというと。
「これといってです」
「強くはないんだな」
「むしろ攻めることだけを考えていて」
「守りはか」
「考えていないとまで言っていいです」
「つくづく極端だな」 
 ここまで聞いてだった、久志はスパルタについてどうかという顔で述べた。
「本当に」
「そうですね、ですが」
「そこがこの辺りの特色でか」
「衝けるものです」
「万が一攻城戦になっても楽か」
「そこはビザンチウムとは違います」
「あそこは特別凄かったな」
 久志はビザンチウムについてはこう述べた。
「本当に」
「ローマも堅固にしてカルタゴも相当なものですが」
「そうした街よりもな」
「ビザンチウムは堅固ですね」
「ああ、だからな」
 それでとだ、久志は源三に話した。
「あそこが栄えるのも当然だな」
「湖と陸の交通の要衝ですし」
「あの堅固さだとな」
 それならというのだ。
「もう栄えるな」
「あの様に」
「あそこは冗談抜きでこの浮島の東方の統治の要だな」 
 久志は腕を組み真剣な顔で言い切った。
「そうなるな」
「間違いなくそうなりますね」
「そうだな、今も使ってるしな」
「サロニカの後方基地として」
「湖からも武器や兵糧を送れるしな」
「ですから」 
 それでとだ、源三も言う。
「今後もです」
「ビザンチウムは使えるな」
「難攻不落の大都市として」
「本当にそうだな」
「はい、では」
 それではとだ、源三はあらためて言った。
「アテネとの戦いの時もですね」
「サロニカ、そしてビザンチウムはな」
「使っていきますね」
「そうするな、じゃあ敵が近付いてきたら」
「そこで、ですね」
「陣を敷くか、そうしてな」
 そのうえでとだ、久志はさらに言った。
「会戦に挑むか」
「そうしますね」
「そして勝つな」
 二万のテーベ軍、彼等にと言ってだった。
 久志は軍勢を進ませつつテーベ軍との決戦のことを考えた、すると次の日のテーベ軍の動きを聞いてだった。
 久志は全軍に即座に命じた。
「もうすぐ敵が来るからな」
「はい、それでは」
「これよりですね」
「陣を敷きますね」
「そうするな、敵軍はかなり速く来たからな」 
 それ故にとだ、久志はそれぞれの軍団の司令官達に話した。 
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