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レーヴァティン

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第百五十四話 都市国家同盟その一

  第百五十四話  都市国家同盟
 久志達は諸都市国家群との本格的な戦いに入ろうとしていた、その中で久志はまずは自軍の拠点を定めた。
 そこはサロニカだった、かなり初期に降ったこの街に兵を入れてそのうえで仲間達に対して言った。
「幸いダーダネルス湖峡もエーゲ湖も俺達の勢力圏だからな」
「湖は掌握しているからね」
 留奈も言ってきた。
「アテネの水軍も港に封じ込めて」
「動けない様にしてるな」
「ええ、だからね」
 それでというのだ。
「ここからは陸路でも湖路でもね」
「補給は受けられるからな」
「このサロニカから南下していけば」
「ああ、アテネとテーベ、スパルタにな」
「向かってういけるわね」
「そう出来るな、じゃあな」
「今からね」
「このサロニカを拠点にしてな」 
 そうしてというのだ。
「戦っていくな」
「ここからはビザンチウムからの補給を受けられて」
「ドナウ川南岸からもな」
 そちらからもというのだ。
「補給を受けられるからな」
「そしてドナウ川南岸までローマとつながったし」
「もう補給に問題なし、しかもこの街は大都市だ」
 サロニカ自体の話もした。
「大軍を充分駐留させられる」
「いいこと尽くめね」
「この街が早々にこっちに来てくれてよかったぜ」
 久志は腕を組んでこうも言った。
「本当にな」
「そうね」
「ここが本当に今の拠点にいいな」
 アテネ等との戦のそれにというのだ。
「だからな、この街をな」
「充分に使うわね」
「そうするな、しかしな」
「しかし?」
「いや、ザロニカも奴隷多いな」
 久志は留奈にこの話もした。
「それがな」
「それね」
「もうそれはな」
 奴隷のことはというのだ。
「すぐにな」
「変えるわね」
「奴隷制は廃止だよ」
 それは絶対だとだ、久志は言った。
「持ち主には対価を支払うな」
「そうしたうえで奴隷を解放して」
「市民にするな」
「平民ね」
「ああ、貴族の専横も抑えていってるしな」
「奴隷も解放して」
「平民階級を多くして」
 そしてというのだ。
「その階級を育ててな」
「やっていくわね」
「ああ、あと奴隷は廃止してもな」
 久志はさらに言った。
「平民の貧しい人達を雇って」
「メイドさんとかね」
 剛が平民と聞いて言ってきた。
「召使の人達とかね」
「そうした人達を雇ってもな」
 それでもとだ、剛に話した。
「虐待がない様にな」
「法律で定めているし」
「それを破ったらな」
 そのことが発覚すればというのだ。
「厳罰にするな」
「そこもしっかりとしないとね」
「ああ、奴隷制をなくしてもな」
 それでもとだ、久志は難しい顔で話した。 
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