| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

レーヴァティン

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第百五十三話 不戦勝その六

「あそことは」
「相手の兵は少ないけれど」
「滅茶苦茶強いしそんな風に戦うんならな」
「長期戦になるわ」
「そうなることは間違いない、ならな」
「先にアテネとテーベを倒して」
「そうしてスパルタ以外に敵をなくしてな」
 その様にして、とだ。久志は話した。
「全力でかつじっくりとな」
「戦うのね」
「殲滅戦になるなら」
 久志はこの言葉は強い声で出した、そうして言うのだった。
「もう他に敵をなくしてな」
「そうして全力を向けて」
「時間をかけてでもな」
 今度は源三に話した。
「戦ってやるさ」
「ロードス島の時以上に」
「ああ、正直スパルタの兵は強いしな」
「無傷でこちらに迎えたいですね」
「出来たらな、けれどな」
「敵は最後の最後まで戦うつもりです」
「それから仕方ないさ」
 今度は諦めの言葉を出して話した。
「こっちもな」
「最後の最後まで」
「戦う、そして必要とあれば」
「私達も神具を使って」
「そうして勝つな、モンスターや獣との戦では使ってきたが」
 神具、それをというのだ。
「軍勢同士での戦では使ってこなかった」
「あまりにも強いので」
「それこそ倒さなくてもいい奴や街とかまで壊しちまうからな」
「そういうことですね」
「だからな」
 久志はさらに言った。
「使ってこなかったが」
「この度は」
「どうしてもっていうならな」
 そうした時だと判断すればというのだ。
「使うな」
「スパルタに対しては」
「あんまりにも強い奴でまともに戦って損害が出るならな」
 その場合はというのだ。
「使わざるを得ないかもな」
「こちらの犠牲を抑える為に」
「使うのが駄目だと言ってこっちの損害を増やしたら馬鹿だよ」
 その場合はというのだ。
「だからな」
「スパルタとの戦では」
「使うな、レーヴァティンも」
「その剣ね」
 双葉は久志の腰にあるその剣を見た、軍勢同士の戦ではこれまで一度も使われたことのないそれをだ。
「これまで使ってこなかったわね」
「巨人も一撃で焼き尽くす剣だからな」
「まさに世界を救う剣ね」
「しかし悪く使うとな」
 その世界を救う剣がとだ、久志は双葉に話した。
「それでもな」
「その時はね」
「ああ、世界を救うどころかな」
「滅ぼすわね」
「そうする剣なんだよ」
 レーヴァティン、久志は自分が持っているその剣の話をした。
「だからこれまで軍勢同士の戦にはな」
「使ってこなかったわね」
「あまりにも強いものは悪用すればとんでもないことになるからな」
「おいら達の神器は全部そうだよ」
 まさにとだ、淳二も話に入ってきて言った。
「悪用するとね」
「とんでもないことになるよな」
「それもちょっとやそっとの悪事じゃなくてな」
「大虐殺も出来るな」
「国を滅ぼすこともね」
 それもというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧