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夢幻水滸伝

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第百三十三話 高度を下げてその四

「こうしてな」
「そういうことやな」
「ある程度は任せとけ」
「ある程度か」
「相手の神具の分は働いたるわ」
「一騎打ちの相手のやな」
「そいつの乗りものの力位は相殺したるからな」
 こう芥川に話した。
「絶対にな」
「それだけでも有り難いわ」
「そやろ、ほなな」
「その分頼むわ」
「残るはな」
「僕自身がやるってことでな」
「暇があったら助けるからな」
「期待しとくで、さてほんまにいよいよな」
 芥川はあらためて言った。
「仕掛けることになるわ」
「そうなるな」
「そや、まあ思わぬことをやって」
「敵の度肝を抜いて」
「そのまま勝ったるわ」
 芥川はこう言うと指示を出した、すると蓬莱はその指示通りに動いた。その動きはすぐに中国側にも見られた。
 すると最初に羅が眉を曇らせて言った。
「高度をか」
「はい、思い切り下げてきて」
 花華が羅に述べた、その場には施もいる。
「海面に触れる位にです」
「蓬莱の高度が下がってるか」
「さながら島の様になってます」
「そうなんか」
「何のつもりや」
 施はその話を聞いて考える顔になって言った。
「連中は」
「わからんな」
「どうもな」 
 施は羅にも応えた。
「これは」
「ああ、日本の連中どういうつもりや」
「高度下げてどうなるねん」
「艦隊と共に攻撃を仕掛けるつもりでは」
 ここで花華と共にいる美蓮が言ってきた。
「それでは」
「いや、普通に艦隊同士の戦は日本は南洋戦でもしてた」
 施は美蓮にすぐに答えた。
「それでそっちでもな」
「台風で痛めつけてでしたね」
「そうして勝ってる、艦隊の戦はどっちにしろあるし」
 海での戦いになるからだというのだ。
「艦隊と一緒に戦うつもりなら」
「こっちもですね」
「そうする、こっちの艦隊は技術は落ちるが」 
 それでもとだ、施はさらに話した。
「それでもな」
「こちらはですね」
「数は圧倒してる、向こうがそろそろドレッドノート型の艦出してきてこっちはまだその前の型のままやが」
 まだ副砲が左右の舷に多く置かれているタイプだ、施達が起きている世界で言うと定遠や三笠の型である。
「けどな」
「数がちゃうので」
「それを使ってな」
 そうしてというのだ。
「戦うしな」
「そうしますね」
「そやからな」 
 それでというのだ。
「ここはな」
「そうして戦いますか」
「それだけやろ」
「ほなな」
 羅は花華と美蓮そして施の話を聞いてだった、施に対して提案した。
「ここはこっちもそうするか」
「高度下げてやな」
「海面すれすれ位の高度にまでしてな」
 自分達の移動要塞、崑崙をというのだ。 
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