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夢幻水滸伝

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第百三十三話 高度を下げてその二

「それでや」
「ここはですね」
「徹底的に隠して」
「それでやってくで」
「それではですね」
「敵が見えてきたら」
「仕掛けるで」 
 芥川は不敵に笑って述べた、そうしてだった。
 自身も軍勢の中に入った、そしてこの時も同行している佐藤兄妹に話した。
「ほな自分達もな」
「これからですね」
「自分の率いる軍勢にですね」
「入るんや、ただ自分等も一騎打ちは出来る」 
 それだけの格闘能力があるというのだ。
「そやからな」
「それで、ですね」
「戦になったら」
「采配も大事ですけど」
「一騎打ちもですね」
「頼むで、この世界の忍者は忍ぶだけやない」
 そして情報収集や工作にあたるだけでないというのだ。
「刀も手裏剣も忍術もあるんや」
「そやったらですね」
「戦うべきですね」
「頼むで、今度も勝つからな」
「日本が」
「そうするからですね」
「自分達にも頑張ってもらう、間違ってもな」
 ここでだ、芥川は。
 陣中で車座になって花札で遊んではしゃいでいる瑠璃子達四人を指差して兄妹に話した・
「あの四人組みたいにはなったらあかん」
「はい、何ていうかえらい肝っ玉ですね」
「ある意味凄いですね」
「前の戦の時もああでしたし」
「何の緊張もないですね」
「幾らの前に過度の緊張はないのがええが」
 それでもというのだ。
「遊ぶとか言語道断やからな」
「あっ、そう言います?」
 芥川の今の言葉を聞いてだった、まずは瑠璃子が言ってきた。
「うち等があかんて」
「あと少しで戦やぞ」
 芥川はその瑠璃子に呆れた目で返した。
「そろそろ自分達の率いる隊に入ってや」
「そしてですか」
「戦闘態勢に入らんかい」
「まだええですやん」
 今度は由香が言った。
「敵はまだ離れた場所にいますし」
「戦までまだ暫く時間があるからか」
「いつも緊張しても仕方ないです」
「それはそやけどな」
「ほなまだ遊んで」
 紗枝の手には今も花札がある、見ればこの世界にもあるポテトチップスやキャラメルコーンをコーラと一緒に楽しんでもいる。
「リラックスしていきましょ」
「それで遊んでるんかい」
「遊びはぎりぎりまでやる」
 紗枝はこうも言った。
「それが遊びですやろ」
「そんな理屈あるか」
「私等はいつもそうですけど」
「そんなこと言ってたら最前線送りにするからな」
 かなり本気でだった、芥川は紗枝に言葉を返した。
「本気で」
「とはいってもうち等の戦全部最前線ですし」
 雅美はコーラを飲みつつ言った。
「少ない兵で大軍と戦いますから」
「それでか」
「最前線には行きますさかい」 
 即ち戦うというのだ。 
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