ドリトル先生の競馬
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第二幕その十一
「口裂け女のお話はね」
「そうしてだよね」
「他のことでもだよね」
「妖怪のお話も面白いよね」
「日本の妖怪のお話も」
「イギリスは確かに妖精や妖怪のお話が多いよ」
先生もお国のお話をします。
「けれどね」
「日本もだよね」
「随分多いね」
「もう何ていうかね」
「あれこれとあって」
「それでだよね」
「何度か調べて論文を書いてきたけれど」
日本の妖怪そして幽霊のこともというのです。
「その度に楽しい思いをさせてもらっているよ」
「学問は楽しく」
「そうしていくものだし」
「楽しいとね」
「それだけでいいことね」
「だからだよ」
先生は皆にさらにお話しました。
「さっきの人は僕の予想ではね」
「やっぱり口裂け女よね」
「そうよね」
「それでその口裂け女を見ても」
「楽しいのね」
「うん、この世界にいるのは人間や動物、植物だけではないんだ」
先生はこうも考えています、その学問の中でこのことを確信する様になったのです。
「神様もおられて」
「妖精もいるよね」
「そして幽霊も」
「それが世の中だね」
「そうだよ、幽霊と人間の違いは」
これはといいますと。
「身体があるかないかだね」
「あっ、そう言われたら」
「幽霊は魂だから」
「魂だけの存在でね」
「身体がないだけで」
「人間ね」
「そうだよ、違いはあまりないよ」
身体のあるなしだけだというのです。
「その実はね」
「そうだよね」
「日本じゃ生霊と死霊があるけれど」
「生霊は身体から魂が出ていて」
「死霊は身体が死んでいる」
「その違いで」
「魂だね」
これのことだというのです。
「だから幽霊は人間とね」
「実は変わらないのね」
「全く違う様に言われていても」
「その実は」
「そうなんだ」
「そうだよ、その違いは」
本当にというのです。
ページ上へ戻る