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レーヴァティン

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第百五十二話 ロードス島の攻防その六

「四十万の兵を生き埋めにした」
「長平の戦いだったな」
「実際はそこまでいなかったそうだがな」
 四十万もというのだ。
「その十分の一か」
「つまり四万か」
「それ位だったそうだが」
「それでも多いな」
「その因果か白起の結末はいいものではなかった」
 主君に追い詰められ祖国に裏切られる形で自害している、そしてこのことで同情する者も少ない様である。
「虐殺をしたからな」
「そうだよな、この世界じゃ殺しても復活させられるが」
「しかしだ」
 それでもとだ、正はさらに話した。
「今言った通りだ」
「虐殺でだ」
「寝覚めが悪いしな、やった方も」
「白起はどうかわからないがな」
 白起は他にも陵墓を焼いたりもしている、このことも彼の評判がよくない原因だ。
「しかし普通の者は違う」
「そうだよな」
「非常に寝覚めが悪くな」
 そしてとだ、正はさらに話した。
「しかもだ」
「評判も落ちるな」
「虐殺を行うとな」
「その時点でかなり落ちるな」
「だからだ、地下道はな」
 そこはというのだ。
「霧系の術を使い」
「兵も送ってな」
「少しずつだが確実にだ」
「攻めていくか」
「それでいいな」
「それしかないからな、まあ出入り口の多くを塞いでな」
 久志は今度はこんなことを言った。
「一つか二つ空けてな」
「そこで待ち伏せしてか」
「捕まえる方法もあるな」
「蟻の穴の様だな」
「それだよ」
 まさにとだ、久志は正に答えた。
「実は」
「今の言葉のヒントはか」
「そうだよ、しかしな」
 こうもだ、久志は言った。
「これをやるにもな」
「同じだな」
「生き埋めとな、だからな」
「しないか」
「これでも窒息死とかする奴出そうだしな」
「それでか」
「しないさ、じゃあ俺達もまた入って」
 地下道にとだ、久志はあらためて言った。
「粘り強く戦っていくか」
「そうしてだな」
「勝つな、持久戦も仕方ないか」
「持久戦もだ」
 こうした戦もとだ、正は久志に話した。
「これまで俺達は幸いにしてなかったが」
「それでもだよな」
「やはり起こるものだ」
「そして起こったならな」
「勝つまで戦うことだ」
「そういうことだな」
「ではいいな」
「ああ、やっていこうな」
「食いものも水も医療品もある」
 正はこうしたものも挙げていった。
「ならだ」
「少しずつ制圧していくか」
「時間をかけてな」
 正は久志にこう言うと自ら地下道に入って指揮にあたった、帝国軍は狭く暗い地下道の複雑な道を敵の奇襲を防ぎつつ制圧していき。 
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