レーヴァティン

「今なのよ」
「そういうことか」
「そう、だからね」
「ここはか」
「もう覚悟を決めて」
　そのうえでというのだ。
「戦っていきましょう」
「それしかないか」
「そう、もう地下道も」
　そこもというのだ。
「虱潰しでね」
「攻略していくか」
「迷路になってるけれど」
「ダンジョンか」
「多分モンスターはいないけれどね」　
　清音はここで笑って冗談を入れた。
「流石に」
「ロードス騎士団には獣使いはいないか」
「そうみたいよ、どうやら」
「それでか」
「獣使う人もいなくて」
「モンスターもか」
「それでそうしたのはね」　
　獣やモンスターはとだ、清音は久志に話した。
「いなくて」
「それでか」
「そっちは気にしないでいいみたいよ」
「それは何よりだな」
「ええ、けれどね」
「ダンジョンとなるとな」
　久志は再び真剣な顔になった、そのうえでの言葉だった。
「やっぱり複雑だからな」
「攻めにくいわね」
「どうしてもな」
　実際にというのだ。
「だからな」
「それでよね」
「ああ、もうな」　
　それこそというのだ。
「そこはな」
「霧系の術を使っても」
「時間をかけて少しずつ進んでいってな」　
　そしてとだ、久志は話した。
「制圧していくか」
「そうしていこうね」
「まあ一番簡単なやり方は」　
　地下通路、迷路の様になっているそれのとだ、久志は言った。腕を組んで考える顔での言葉であった。
「埋めればいいな」
「生き埋めか」
「穴の出入り口を全部塞ぐ」
　久志は正に話した。
「そうしてな」
「そのまま窒息死させるか」
「そのやり方もあるな」
「あるにはあるが」
　それでもとだ、正は言う久志にどうかという顔で言った。
「したいか」
「生き埋めなんかしたら殲滅戦より寝覚め悪いだろ」　
　久志は正に真顔で答えた。
「それこそな」
「その通りだな」
「だからな」
「それはしないな」
「絶対にするか」
　断言、まさにそれであった。
「何があってもな」
「若しお前がやると言えば反対していた」
　正はその久志に話した。
「絶対にな」
「やっぱりそうか」
「それは虐殺だからな」
「戦闘の中でしてもな」
「それになるからだ」
　だからだというのだ。
「俺は止めていた」
「一気に終わるにしてもな」
「白起になるか」
　正は中国戦国時代の秦の将軍の名を出した、名将ではあったがその歴史的な評判はお世辞にもいいと言えない。