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夢幻水滸伝

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第百三十二話 北西へその十一

「対策をすぐに出してくる」
「それでやな」
「敵に気付かれん様にする」
 このことが大事だというのだ。
「そうしてくで」
「わかったわ」
「その為の策やからな」
「今回は」
「敵の星のモン達をどうしても一騎打ちに持ち込む」
 どうしてもというのだ。
「ええな」
「それがこっちが勝つ条件やな」
「そや、さもないとな」
 それこそというのだ。
「日本は勝てんで」
「ほんまにそやな」
「若し日本が今の五倍の兵力があったら」
 芥川は中里にこの仮定も話した。
「戦い方が違ったわ」
「三百万の兵があったらか」
「それでもこれから戦う中国の半分以下にしても」
「六十万と三百万やとな」
「全くちゃうからな」
「それで戦い方もやな」
「全く違ってた、けどな」
「現実は、やな」
「それだけや」
 六十万の兵しかいないというのだ。
「そやとな」
「六十万の兵の戦い方をするしかないか」
「そや、寡兵には寡兵の戦い方があって」
「勝ち方があるってことやな」
「言うならジグゾーパズルや」
 芥川はこうも言った。
「頭使って一つ一つ重ねていってな」
「そしてやな」
「そうして戦っていって」
「勝つもんやな」
「このジグゾーパズルは相手がおるが」
 それが敵であることは言うまでもない、芥川は事実今現在戦いをジグゾーパズルの様に考えつつそのうえで話した。
「しかしな」
「それでもやな」
「相手の考えもせんことをして」
「そしてこっちの流れにもっていって」
「そして勝つ」
「パズルを完成させるんやな」
「そうする、ええな」
 こう言ってだ、そのうえでだった。
 芥川は北西、中国の移動要塞が来ている方を見て綾乃と中里に告げた。
「ほなな」
「これからやね」
「出陣やな」
「そうなるな」
「ほな」
 綾乃は芥川の返事を受けていつものおっとりとした調子で言った、この辺りの言葉の出し方は綾乃らしく変わらなかった。
「全軍戦闘用意」
「配置についてやな」
「戦はじめるで」
 中里に対しても答えた。
「これから」
「ほなな」
「そして」
 綾乃は言葉をさらに出した。
「戦おうな」
「中国軍とぶつかったら」
「それで勝つで」
 綾乃は強い決意と共にこうも言った。
「絶対に」
「そうしよな」
「それで」
 綾乃はさらに言った。
「配置についた後で」
「もうその頃には飯の時間や」
 中里は綾乃に応えて述べた。 
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