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レーヴァティン

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第百五十一話 自信を砕きその十

「終わりだな」
「何されるかわからないわよ」
「十字軍とか異端は片っ端から殺したよ」
 淳二も言ってきた。
「カトリックの信者さんでもね」
「神があの世で見分ける、か」
「そう言ってね」
「実際にそう言ってたから怖いな」
 久志もしみじみとした口調で言った、フランス南部のカタリ派を攻撃したアルビジョワ十字軍の時の話である。
「それで実際にか」
「殺し回ったから」
「無茶苦茶だな」
「これが一般市民も攻撃する軍隊で」
「絶対に世界救えないな」
「むしろ滅ぼすよ」
 淳二は笑っているがよく見れば目は笑っていなかった、そのうえでの言葉であり口調もよく聞けば辛辣なものだった。
「そんな軍隊は」
「論外だな」
「おいら達は本当にね」
「そうしたことはな」
「考えられないし」
「ロードス島でもな」
「一般市民は攻撃しない様にしようね」
 淳二も強く言った。
「そこは」
「武器を持たない相手は」
「絶対にね、ただね」
「ああ、若しあっちがな」
「一般市民を盾にするなら」
「そんな外道なことをしたらどうするか」
「その場合は問題だよ、この時は」
 淳二は久志にさらに言った。
「もう騎士団への攻撃は容赦出来ないけれど」
「それでもか」
「その盾にされる人達に働きかけよう」
「俺達は一般市民を狙うつもりはないって話してか」
「文を送ったり島を囲んだところから声で訴えてね」
「そうするか」
「それでこっちの味方につけて」
 そしてというのだ。
「あわよくば中からね」
「動いてもらうか」
「そうしてもらおう」
「それで騎士団を攻撃するか」
「そうすればいいよ、まあロードス騎士団は護民意識が強いみたいだから」
 淳二は久志にこのことも話した。
「だからね」
「市民を盾にすることはないか」
「奴隷もいるけれど」
「その奴隷にもか」
「待遇はいいみたいだし」
「だからか」
「そうしたことはないと思うけれどね」
 市民を盾にする様なことはというのだ。
「まあ一応ね」
「考えておくことか」
「世の中何があるかわからないからね」
「何が起こるかな」
「もうそれはわからないから」
 だからだというのだ。
「考えておいて」
「頭の中に入れておくことか」
「あらゆる状況を想定しておくのも政だしね」
「だからだな」
「そう、今回もね」
「それとですが」 
 源三も久志に言ってきた。
「今回は島を攻めるとなれば」
「完全に囲んでな」
「他の地域より攻めるにあたって考えることがあります」
「水か」
「はい、この浮島は海ではないです」
「湖だからな」
「そのお水を飲むことは出来ます」
 こう久志に話した。 
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