最初は嫌いでも
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第一章
最初は嫌いでも
横溝真由美は黒くて量の多い髪の毛をボブにしていて大きな目を持っている少女だ。その髪の毛に赤いカチューシャ型のリボンをよく着けている。幼稚園の高学年である。
両親と母方の祖父母と一緒に仲良く暮らしている、家にはミルクという雌の雑種の犬もいる。
ミルクは顔の上半分と背中それに尻尾が茶色で他の部分は白い小型犬である。垂れ耳と大きな目ガトレードマークだ。
人懐っこく明るい性格だ、それで家族全員から懐かれているが。
真由美は高学年になってすぐに家に来たミルクについて家族にこう言っていた。
「ミルク怖いの」
「えっ、怖いか?」
「ミルクが?」
「だって牙あるから」
ミルクの口のそれのことをだ、両親に話した。
「それで噛まれるしいつも追い掛けてくるし」
「追い掛けてくるのはな」
「真由美ちゃんが好きだからよ」
「ミルクはいい子だぞ」
「本当にね」
二人で娘に話した。
「だからね」
「怖がることないわよ」
「そうなの?追い掛けられて噛まれそうで」
それでというのだ。
「怖いから」
「どうしてもか」
「ミルクが嫌なの」
「噛まれそうで」
また両親に話した、とにかく一家で真由美だけがミルクを怖がっていた。
だがそんなある日だ、幼稚園でクラスメイトと喧嘩をして。
家に帰って泣いているとだ、そっと。
その傍にミルクが来た、真由美は家に帰ってもずっと蹲って泣いていてたがミルクを見るとだった。
「来ないでよ」
「クゥ~~ン・・・・・・」
ミルクはその彼女を見て心配そうな顔と声をあげた、そして。
少し離れた、だがそこからずっと真由美を心配そうに見ていた。そのミルクの顔を見て。
真由美はわかった、それでだった。
ミルクに対してこう言った。
「・・・・・・いいよ」
「クゥン・・・・・・」
「よかったら傍にいて」
「ワン・・・・・・」
ミルクは真由美の傍に戻ってきた、そしてだった。
そのまま落ち込んでいたが少しして泣き疲れて眠ってしまった、夕方遅くになって起きたがその時にもだった。
ミルクは傍にいた、しかも寝ておらず真由美が起きるとまた心配そうな顔で彼女に声をかけてきた。
「クゥン」
「ずっといてくれたんだ」
真由美はそこにミルクの心を見たと確信した、そしてだった。
ミルクの頭を撫でて晩ご飯まで一緒にいた、その後で。
晩ご飯の時に両親に話した。
「今日幼稚園でお友達と喧嘩してお家で泣いていたら」
「どうだったんだ?」
「どうかしたの?」
「ミルクが来てくれたの」
自分のところにというのだ。
「それでずっと一緒にいてくれたの」
「そうしてくれたんだな」
「あの娘が」
「そうなの」
晩ご飯のマカロニグラタンを食べつつ答える、真由美の好物である。
「本当にね」
「そうか、よかったな」
「喧嘩したことはよくないけれどね」
今度は祖父母が言ってきた。
「ミルクが傍にいてくれて」
「本当によかったな」
「うん、ずっと怖かったけれど」
そのミルクがとだ、真由美はっ優しい顔立ちの祖父母に話した。両親は若い分しっかりした感じが強い。
「それでもね」
「今日のことでだな」
「ミルクが怖くなくなったのね」
「何かね」
実際にというのだ。
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