仮面ライダーディロード~MASKED RIDER DELOAD~
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第二部~雅、結婚騒動~
仮面ライダージオウ ディロードライドウォッチ編
EP.EX03 2019:アナザーディロード
『この本によれば、常磐ソウゴ。彼は魔王にして時の王者、オーマジオウとなる未来が待っていた。しかし、アナザーディロードは我々では止められず、仮面ライダーディロード凪風雅をもってしても苦戦を強いられる。そんな中、タイムジャッカーにも動きがあり─失礼しました。そんな歴史、この本には記されていませんでした。』
「生きていれば、の話です。ディロードの歴史が消えれば、2012年6月25日には僕はいない。それが、歴史が消えるという意味だ。」
「いないってどういうこと?」
「ここまで言って解らないですか。」
「怪人に殺される心配をしているのか?なら安心しろ。怪人も存在しなかったことになる。」
「ゲイツさんもそう考えているとは。僕が言っているのは、そんな単純な話ではありません。あの日…ディロードになれなければ、きっと僕は…自殺していた。それが、歴史が狂うという意味だ。」
─時代を駆け抜けた、平成仮面ライダー達。全ての力を集め、新たなレジェンドが始まる。祝え!真の王の誕生を!─
「自殺していた?」
ソウゴは戸惑う。
「自殺?一体どういう意味だ。この世界は平和なはずだ。どうして自ら死ぬ必要がある?」
ゲイツは雅に言う。
「僕がディロードになるきっかけは、とても小さな、些細な出来事だった。僕は学校で虐められていた。君達は、泥や砂を食べさせられたことがあるか?理不尽に20人から殴られたことがあるか?机に彫刻刀で死ねって彫られたことがあるか?給食のスープを、意図的に溢されたことはあるか?」
「酷い…」
「こんなものはほんの一握りだ。」
「どういうことだ?この時代は平和なのではないのか!?」
「平和…確かに平和ではあります。ですが、その中で生きる理由を奪われて、心が壊れて、自分の命を終わらせようと思う人が数多くいる。僕だって、ディロードを手にしなければ、きっとその一例になっていた。ゲイツさんは、未来で人口が減少しているから解らないと思いますが、この現代で、どれだけの人が虐め、いや迫害、人格否定、集団暴行を苦に自殺しているか解りますか?」
「さあな。そんなの、ごく少数だろう。」
「日本だけでも年間でおよそ4万3千人前後、その三分の一が未成年です。」
「何故だ?」
「平和になった分、平和を望まない人も増えました。そういう人は、穏やかに暮らしたい人の人生を壊して、楽しみ、そしてそれを廃棄物か何かと勘違いして捨てる。それがこの時代だ。この時代では、怪人よりも目の前の人間の方が、よっぽど脅威になる可能性がある。そして、それがアナザーディロードの誕生にも関係してくる。」
「どういうことだ!?」
「アナザーディロードの変身者は、僕と同じ顔をしていた。だからすぐに解った。アナザーディロードの正体は、この世界の…ディロードになる歴史が失われた僕だ。」
時は2018年9月2日。既に異変は起きていた。
「決めた!俺は、魔王になる!ただし、なるのは最低最悪じゃない。最高最善。優しい魔王だ!」
“ジオウ!”
「変身!」
“ライダータ~イム!仮面ライダージオウ!”
「祝え!全ライダーの力を受け継ぎ、時空を越え、過去と未来をしろ示す時の王者。その名も仮面ライダージオウ!まさに生誕の瞬間である。」
ジオウが誕生した時、別の場所でディロードは財団XのXガーディアンと戦っていた。しかし、
「あれ?力が安定しない?」
ディロードの存在は不安定になっていた。そして、月日は進み、
“アーマータ~イム!3!2!1!フォーゼ~!”
ジオウはアナザーフォーゼとの戦闘で初めてフォーゼアーマーを纏う。
「祝え!全ライダーの力を受け継ぎ、時空を越え、過去と未来をしろ示す時の王者。その名も仮面ライダージオウ フォーゼアーマー。」
ウォズによる祝いが行われている頃、
「行くぞミヤビ、流星!理事長の暴走を止めよう!」
[リミット ブレイク]
「ああ!」
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
「これで決める!」
[meteor storm! meteor limit break!]
フォーゼ、ディロード、メテオストームのトリプルライダーキックがサジタリウスゾディアーツに放たれようとしていたが、フォーゼ達の変身は突然解除されてしまう。
「いってぇ!流星、大丈夫か?って、お前誰だ?」
弦太朗はミヤビに質問する。
「お、お、お前達こそ誰だよ!」
ミヤビは怯えながら走り去って行く。
雅がソウゴ達に話している頃、タイムジャッカーの間でも口論が起きていた。
「ウール、何故あんなアナザーライダーを作った?」
タイムジャッカーの中でリーダー格の男性、スウォルツはウールに質問する。
「スウォルツってさ、本当にジオウに代わる時の王者の擁立を考えているの?」
「何?」
「あのアナザーライダー、アナザーディロードはジオウの誕生によって失われた歴史の仮面ライダー、ディロードの力を使っている。つまり、存在しない歴史の力でないと倒せない。時の王者の擁立にこれほど丁度いいものはない。スウォルツは、本当は時の王者の擁立以外に別の目的があるんじゃないの?」
ウールは確信に迫る質問をする。すると、
「ウール、お前の意見は求めん。」
スウォルツはウールの質問に答えずに去ってしまう。
「とにかく、仮面ライダーディロードの歴史が消えた瞬間を確認する必要がある。」
「でもどうやって?」
雅の言葉にソウゴは質問する。
「今は何時だ?」
「今は12時11分だけど。」
「ありがとう。それでは、行って来る。」
12時12分12秒に雅はクジゴジ堂の扉を開け、時の砂漠に向かう。
「ウォズ、雅はどこに行ったの?」
「我が魔王、おそらく彼は時の砂漠に向かった。」
「時の砂漠?」
「この本によれば、仮面ライダー電王の活動拠点である時の列車、デンライナーが走る時の通路と記されている。」
「なるほどな。電王ウォッチはまだ入手していない。電王の歴史が残っているから、電王の力にアクセスしたということか。」
「その通りだ。ゲイツ君にしては冴えているね。」
「一言余計だ。」
「二人とも落ち着いて。今は雅の帰りを待とう。」
ソウゴはゲイツをウォズの喧嘩を止める。
「待っていれば、来ないわけでもないが、今は緊急事態だ。」
【CHANGE RIDE-ZERONOS BELT-】
雅はディロードライバーをゼロノスベルトに変える。
「変身!」
[altair form.]
雅は仮面ライダーゼロノスに変身し、ゼロライナーを呼び寄せる。
「どうした。何故止まった!?」
仮面ライダーゼロノス、桜井侑斗がゼロライナーから降りてくる。それを見て雅も変身を解除する。
「誰かと思えば雅か。一体どうした?」
「桜井さん、向かってもらいたい時間がありまして、ここに来ました。」
「お前なら、自分の力でいけるだろ?」
「それが、この世界に転送されたことで、殆どのカードを失ってしまいまして。それに、この世界に仮面ライダーオーズの歴史が無いことで、僕のマシンディローダーもなくなってしまいました。それで、一番融通の利く桜井さんに相談しに来ました。」
「事情は解った。どこに行けばいい?」
「向かう時間は、2012年6月24日の深夜から6月25日。」
「その日に何がある?」
「この世界では、ディロードの歴史はジオウという魔王の誕生で消滅してしまっています。なので、この世界の僕はその時にどんな行動をするのか確認が必要で。もしかすると、今僕が関わっている事件のヒントが見つかるかもしれません。」
「解った。すぐに行こう。」
雅と侑斗はゼロライナーに乗って本来ディロードの契約が行われる時間に向かった。
その頃、アナザーディロードに変身する青年、水土ミヤビは一人の青年に絡まれていた。
「お前、アナザーライダーだな?」
「お前は誰だ!?」
「俺か?俺は加古川飛流。もう一人のジオウだ。」
“ジオウ…”
青年、加古川飛流はアナザージオウに変身する。
「お前もアナザーライダーなら、ウォッチを渡してもらう。」
アナザージオウは剣を振り回してミヤビを襲う。
「この力は、傷付けられる人を守る為にあるんだ!」
“アナザーライド…”
「変身!」
“ディロード!”
ミヤビもアナザーディロードに変身する。
「俺は常磐ソウゴから全てを奪われた!それを取り戻すためには、お前の力を奪う必要がある!」
“ビィルドォ…”
アナザージオウはアナザービルドウォッチを使い、アナザービルドに変身し、バスケットボール型の火球でアナザーディロードを攻撃する。
「人から奪い合う世界なんて間違っている!人と人は確かに発展するためにぶつかり合うこともある!だからって、人から何かを奪うために力を使うのは間違っている!」
“アナザーライド…”
「ビルド!」
アナザーディロードもアナザービルド(以下アナザーDビルド)に変身する。
「煩い!家族を奪われた悲しみが!当たり前だった日常を奪われた怒りが!それを招いた奴が平和に過ごしている憎しみが!お前に解るか!」
アナザービルドは火球の弾幕を展開する。
「恐竜!F1カー!ベストマッチ!」
アナザーDビルドは2本のボトルを飲み込み、その力を開放。高速移動で弾幕を縫って進み、右手と左足で噛みつくような攻撃を放ち、飛流の変身を解除させる。
「確かに、それはつらいことかもしれない。でも、それを理由にして人から奪って、傷付けていたらお前もそいつと変わらない!」
ミヤビも変身を解除し、飛流に言うとミヤビは去って行く。
「なんなんだよ!俺が常磐ソウゴと同じ?ふざけるな!俺は奴に全てを奪われた。俺は奴の被害者だ!」
飛流は叫ぶ。すると、アナザージオウウォッチに変化が起きる。
“ジオウ…Ⅱ…”
アナザージオウウォッチはアナザージオウⅡウォッチに進化する。
「…やっぱりそういうことか。」
「雅、どういうことだ?」
「アナザーディロードは、紛れもなく仮面ライダーディロードそのものだ。いい意味でも、悪い意味でも。」
「雅、何の話だ?まさか、この惨状が今回の事件に関係していると言いたいのか?」
「はい。それから、もう一つ行ってほしい時間があります。」
to be continued.
次回、仮面ライダージオウ
「もう…限界だ…」
「君が正義のヒーローになるんだ。」
「俺がみんなを…守るんだ!」
「歴史が変わって、今日から君が、仮面ライダーディロードだ!」
次回『2012うしなわれたハジマリ』
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