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レーヴァティン

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第百四十八話 連合王国降伏その九

 そのうえでだ、こう言うのだった。
「そうした連中は苦手だな」
「ベルセルクはこの世界にもいるでしょ」
 ここで双葉が言ってきた。
「この浮島に」
「ああ、北の方にな」
「バイキングの中に」
「時々いてな」
「物凄い強さを発揮するのよね」
「本当に狂ったみたいになってな」
 かつて極寒の地を旅したその時のことを思い出しながら久志は双葉に応えた、その旅のことも今は懐かしい思い出だ。
「そうしてな」
「戦って」
「文字通り動けなくなるまで戦うんだよ」
「ダメージをものともせず」
「本当にたまにだけれどな」 
 バイキングの中にというのだ。
「いてな」
「手強いのね」
「そしてスパルタは言うなら軍全体がか」
「ベルセルクとなるわね」
「正直巨人やドラゴンにも勝てそうだな」 
 久志はぼやく様に言った。
「そんなのだと」
「あの、実際に」 
 順一が久志の今の言葉に応えた。
「彼等の中には一人で」
「巨人とかドラゴンを倒せる奴いるのかよ」
「訓練の中には冒険をして」
「モンスター退治もしてるのかよ」
「実はスパルタ近辺は強力なモンスターが密集していまして」
 それでというのだ。
「彼等は訓練の一環として」
「近くに冒険に出てか」
「その強力なモンスター達を倒していて」
「巨人とかドラゴンもか」
「そうした猛者もいるとか」
「すげえな」 
 あらためてだ、久志は述べた。
「余計に戦いたくなくなったぜ」
「ですが彼等との戦は」
「避けられないよな」
「こうなれば覚悟を決めて」
 順一もこう言うのだった。
「戦いましょう」
「それしかないか」
「そうしましょう、この浮島の統一の為に」
「じゃあな、けれどまずはな」
「ドナウ川南岸とですね」
「降る都市国家を全てな」 
 スパルタ等はまずは置いておいてというのだ。
「そうしてな」
「こちらの勢力圏に収めていきますね」
「そうするな」
「では」
「ああ、ことをはじめるな」 
 こう言ってだった、久志はローマから帝国領全体の統治を進め文字通りの富国強兵を進めていきつつだった。
 そうしてドナウ川南岸及び諸都市国家群の中で降る都市国家をかなりの範囲での自治や信仰の自由を条件に使者を送ったうえで降していった。
 だがやはりだった。
「アテネとテーベにか」
「スパルタはです」
 夕子が応えた。
「どうしてもです」
「降らないか」
「そしてビザンチウムも」
「そっちもか」
「はい、降りません」
「ビザンチウムか」
 この都市国家の名前を聞いてだ、久志は言った。 
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