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レーヴァティン

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第百四十八話 連合王国降伏その二

「そしてマドリードを攻めてな」
「陥落させますね」
「どうしてもっていうんならな」
 あくまで降らないならというのだ。
「そうするな」
「左様ですね」
「ああ、しかしな」
「それはあくまで最後の手段で」
「城を囲む大軍を見せて」
「そこからですね」
「また使者を送るさ」
 降伏勧告のそれをというのだ。
「城攻めをしてもいいことはないしな」
「あれは大変な戦になりますから」
「手間暇かかって金もかかってな」
「犠牲も出ます」
「いいことなんてないからな」 
 それでというのだ。
「やっぱりな」
「城攻めは出来るだけ、ですね」
「避けるな」
 そうするというのだ。
「本当に」
「それがいいですね、では」
「アルカーサルに入城したらな」
「今度はマドリードに使者を送って」
「降る様にな」
「言いますね」
「そうするな」
 こう言ってだった、そのうえで。
 久志達は大軍を率いてアルカーサルに入城した、実際に彼は軍に略奪暴行を許さず彼等も余裕ある行動だった。それでだった。
 街は落ち着いたままだった、しかし久志はその中ですぐに動いた。
「じゃあ予定通りな」
「うん、使者を送るね」
「そうするな」
 こう淳二に答えた。
「マドリードまでな」
「降伏を促すね」
「降伏すればな」
 その時はというのだ。
「もうな」
「それでいいね」
「王位も保証するしな」
 それもというのだ。
「命も財産もな」
「それもだね」
「全部な」
 それこそというのだ。
「保証してな」
「それでだね」
「ああ、そのうえでな」
 久志は淳二にさらに話した。
「俺達の統治に入ってもらうな」
「そうするね」
「平和にな」
「じゃあ早速だね」
「人を送るな」 
 こう言って実際にだった、久志はマドリードに使者を送った、すると使者はすぐに返ってきてアルカーサルの市庁舎に入っていた久志に話した。
「マドリードにおいてです」
「俺と話したいか」
「そう言われています」
「ああ、じゅあな」
 それならとだ、久志は使者に軽い口調で答えた。
「マドリードに行くな」
「そうされますか」
「何なら俺一人でな」
「いや、それは流石にだ」
 その軽い口調での言葉にだ、正はどうかという顔で忠告する様に言った。
「危険だ」
「俺一人で行くとか」
「罠ならどうする」
「誘い出してその場でか」
「暗殺ということもある」
「そうだな、けれど俺にはこれがあるからな」
 腰にあるレーヴァティンを見て言う。 
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