巨乳で浴衣

　　　　　　　　　　　　　　　　巨乳で浴衣
　この時川辺雄馬は困惑していた、それは彼女の麗子のことだ。
　麗子は穏やかな顔立ちで口元はいつも艶やかに微笑んでいる、黒髪をロングにしていて背は一六二程だ。
　ここまでは普通だ、だが彼女の胸は。
　九〇ある、文字通りの巨乳でしかも形がいい。その彼女が何気なく雄馬にこんなことを言ってきたのだ。
「今度の夏祭りの時浴衣着ていっていい？」
「浴衣？」
「ええ、浴衣をね」
　こう雄馬に言ってきたのだ。
「いいかしら」
「いや、浴衣とか」
　その服はとだ、雄馬は麗子に返した。
「ちょっと」
「ちょっと？」
「麗子ちゃんのスタイルだと」
　その胸を見て言う、夏服だが薄い生地から胸がはっきりと出ている。
「もうね」
「駄目かしら」
「駄目とかじゃなくて」
　それこそというのだ。
「犯罪だよ」
「犯罪？」
「うん、そうだよ」
　こう麗子に言うのだった。
「ちょっと刺激的過ぎるよ」
「そうかしら」
「うん、だからね」　
　それでとだ、雄馬は麗子に必死に話した。
「浴衣は」
「あれっ、けれど」
　麗子は戸惑いを露わにさせている雄馬に穏やかな顔で言った。
「別にね」
「別に？」
「胸は関係ないでしょ」
　こうあっさり言うのだった。
「浴衣に」
「そうかな」
「ええ、むしろ普通の服よりもね」
　今着ているそれよりもというのだ。
「目立たないでしょ」
「そうかな」
「ええ、だって隠れるから」
「隠れる？」
「浴衣の生地って結構厚いし」
　こう雄馬に話すのだった。
「それにね」
「それに？」
「帯締めてそれが胸のすぐ下に来るから」
「あっ、そのせいで胸も」
「そう、目立たないわよ」
「そうかな」
「雄馬君心配し過ぎよ、お祭りに出る人が私の胸に注目するっていうんでしょ」
「やっぱり麗子ちゃんの胸はね」
　雄馬は彼氏として言った、見れば。
　背は一七〇程で一重のきりっとした目で眉の形は男らしい。髪の毛を金髪に近い位に脱色していて顔立ちもきりっとしている。身体は痩せて引き締まっている。ジーンズとシャツがよく似合っている。
「大きいから」
「それでなの」
「浴衣になったら」
「だから浴衣だとね」
「かえってだね」
「シャツとかブラウスよりも」
　そうした服よりもというのだ。
「目立たないわよ」
「本当かな」
「そうよ、じゃあ実際にね」
「夏祭りではだね」
「浴衣着て来るから」
「そうするんだ」
「その目で見て確かめてね」
　こう雄馬に言うのだった。