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レーヴァティン

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第百四十七話 捕虜と外交その三

「連合王国との戦も終わりだ」
「そうなりますね」
「ああ、ただな」
「ただ、ですね」
「王様や貴族はいてもな」
 久志はここでこんなことも言った。
「あまり力は持たせない様にな」
「これまでの政策通りですね」
「連合王国でもしていくな」
「そのことは、ですね」
「貴族は官僚や軍人にしていってな」
「領地ではなく給与で、ですね」
「土地は持っていてもな」
 それでもというのだ。
「農民は自由民にしていってな」
「国家の民になってもらいますね」
「帝国のな、貴族は教育受けてるし必要な人材にしてもな」
「権力は多く持ってもらっては困りますね」
「領邦になってもらいたくないな」
 くれぐれもというのだ。
「領地は個人の家のものだけにして」
「官僚や軍人になってもらい」
「そこで収入を得てもらってな」
 そしてというのだ。
「民は全員帝国臣民にするな」
「そして彼等の税金を、ですね」
「国家財政の柱の一つにするな」
 そうするというのだ。
「中間権力は置かないな」
「そして軍隊も」
「ああ、これまで通りな」
「連合王国の軍隊もですね」
「帝国の軍隊にするな」
「国王や貴族の軍隊ではなく」
「そうしていくな、しかしな」
 久志は考える顔になりこうも言った。
「俺のこの中央集権政策に叛乱は起こってないな」
「それはやはり戦って勝ってです」
「降していってるからか」
「はい、命や爵位や財産は保証してもらい」
 そしてというのだ。
「官僚や軍人にも登用されていますね」
「能力に応じてな」
「さして強い反発は受けていません」
「権益とかも守ってるからか」
「そうです、これで革命の様に全て奪うなら」
 それならというのだ。
「彼等も生活があるので」
「必死に反発するか」
「そして叛乱も起こしますが」
「戦って勝って降してか」
「命や地位や財産を保証されたうえで」
 それでというのだ。
「中欧集権化に組み込んでいっているので」
「いいんだな」
「そうです」
「そうか、戦って降すとか」
「相手は従う立場になるので」
「叛乱も起きないか」
「これが国内で一気に行おうとすると」
 その場合はとだ、源三は話した。
「反発を受けることもあります」
「急激な改革ってやつか」
「それは時としてです」
「既得権益の破壊になってな」
「その権益を持っている層の反発を受けます」
「そうなるよな」
「そしてです」
 反発を受けてというのだ。
「大規模な叛乱もです」
「起こったりするな」
「そうです、若し国内で大規模な改革を行うなら」
「既得権益とな」
「それを手にしている層のことを考慮しないといけないです」
「さもないと叛乱が起きるか」
「叛乱が起きてもいいのなら」
 そう考えるならというのだ。 
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