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レーヴァティン

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第百四十六話 マドリードへ向けてその五

「それを敵に幾つも一度にぶつけてね」
「押し潰す方陣だよな」
「ええ、鉄砲や術の攻撃もあるし」
「無数のパイクも使ってな」
「押し潰すのよ」
「そうした方陣だな、それならな」
 久志はさらに言った。
「こっちとしてはな」
「攻城戦ね」
「それでいくな、カラコールもな」
 騎兵隊の戦術についても述べた。
「言うなら車輪だな」
「騎兵隊が自体がそう動いてよ」
「どんどん攻めてくるな」
「そうして敵の戦力を削るのよ」
 術や術の攻撃を絶え間なく行ってというのだ。
「そうした戦術よ」
「言うなら信長さんの三段射撃を騎兵隊でやるものだな」
「その通りよ」
「だったらな」
「そちらもね」
「破り方があるさ」
 久志はカラコールについても述べた。
「しっかりとな」
「そちらはそちらで」
「ああ、だからな」
 それでというのだ。
「どっちもな」
「これからの会戦で」
「破っていくな」
「そうするわね」
「これからな」
「じゃあ今から」
「戦闘開始だよ」
 まずは砲撃がはじまった、それと共に連合王国軍はテルシオを動かしてきた。重厚な方陣達がzしりという音を立てて足を踏み出した。
 だが敵の騎兵隊はまだ動かない、久志はその彼等を見て言った。
「予備戦力か」
「その様でござるな」
「ここぞって時に動かすか」
「その様でござるな」
「そうか、じゃあまずはな」
「テルシオをでござるな」
「攻めるな」
 こう進太に答えた。
「今は」
「そうするでござるな」
「ああ、そしてな」
 久志は進太にさらに話した。
「敵さん大砲も多いな」
「左様でござるな」
「これは結構辛いな、だからな」
「それで、でござるか」
「ああ、まずはこちらの砲撃と術の攻撃はな」
 それはというのだ。
「そちらに集中させるな」
「そうするでござるな」
「そしてその後でな」
「テルシオでござるな」
「砲撃は早いめに潰すに限るさ」
 威力のあるそれはというのだ。
「確かに数は多いけれどこっちはな」
「より多いでござる」
「しかも敵の大砲は古いタイプだ」
 自分達の大砲に比べてとだ、久志は話した。
「重くて動かしにくくて砲撃の間隔もな」
「長いでござるな」
「こっちの大砲に比べてな、そして術を使う奴は」
「こちらより少ないでござる」
「しかも全部テルシオに向けているな」
「ならでござるな」
「砲撃戦には少なくともすぐに向けられないだろ」
 それならというのだ。 
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