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仮面ライダーディロード~MASKED RIDER DELOAD~

作者:紡ぐ風
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第二部~雅、結婚騒動~
  第32話『雷と風』

これまでの、仮面ライダーディロードは─
「何が強い意志だ!知っているぞ、雅。本当のお前は臆病者だ。人に傷つけられ、怯え、そして逃げるためにその力に手を延ばした!」
「確かに、僕が行ったことは人の道を外れたことだ。それでも、僕のことを救いのヒーローと言ってくれた人たちがいた!僕を仮面ライダーと呼んでくれる人はまだいる!だから僕は!まだ仮面ライダーディロードなんだ!」
「お前の本当の敵は、案外よく知っている奴かもな。まあ、深く考えないで、もっと単純に考えてみろ!」
「雅の奴、ようやく解ったみたいだな。」
「何故…どうしたあなたがここに…いや、何故あなたがドラゴンロードを率いているのですか。凪風流先代当主、凪風龍道!」

装填の守護者、ディロード。幾多もの世界を救い、その心は何を思う─

「どうした?お前が手にしたかったものは、その程度か?」
「まだだ!ロードスラスター、再構築!」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身!」
雅はディロードに変身し、レイジングハートエクセリオンのカードをロードスラスターにスキャンし、スターライトフォームに変身する。
「レイジングハート、エクセリオンモード、リリース!」
[exelion mode standby ready.]
ディロードはレイジングハートをエクセリオンモードに変える。
「凪風流槍術、奥義!牙突哮!」
ディロードはレイジングハートを槍として扱い、槍術の奥義を放つ。しかし、
「凪風流弓術、奥義!一点破!」
龍道はディロードの右肩をエクシードデバイスから放たれる魔力弾で撃ち、攻撃を到達させない。
「凪風流は守りの力!無闇に傷つけることができると思うな!」
龍道の言葉を聞き、ディロードは立ち上がる。
「それなら!」
【CHANGE RIDE-NEO AMAZONS DRIVER VERSION NEO-】
雅は変身を解除し、ディロードライバーをネオアマゾンズドライバーに変えて、アマゾンズインジェクターをセットする。
[ne・o…]
「アマゾン!」
雅は仮面ライダーアマゾンネオに変身し、アマゾンネオソードを展開する。
「凪風流剣術、奥義!殲甲!」
アマゾンネオは剣術の奥義を放とうとする。
「その程度で奥義を使えると思うな!」
龍道はアマゾンネオの太刀筋を見切り、それを避けるとエクシードデバイスでアマゾンネオを払い飛ばす。
「だったら!」
【CHANGE RIDE-FAUSTROBE-】
雅はアマゾンネオへの変身を解除し、キャロルが纏っていた錬金術の鎧、ダウルダブラのファウストローブを身に纏う。
「♪星々を見上げてると 己の小ささに嗤う…」
雅はダウルダブラが奏でる旋律に力を込めて龍道を殴ろうとするが、龍道は軽く躱す。
「♪亡くなる命の 終の煌めきよ!その目に 焼き付け 重ねよ…」
雅はダウルダブラから70億のフォニックゲインを解き放とうとするが、身体に負荷がかかる。
「雅、みんなを救おうとすることは素晴らしい。だけど、その所為で自分が傷つき、それが切っ掛けで周りの人が悲しんだら意味がないだろ!」
龍道は止めようとする。
「たとえそうだとしても、僕の力は、みんなを救えなければ意味がないんだ!♪只、武器になれるなら!只、盾になれるなら!死に堕つまで…!魂すら くれてやろう!」
雅はフォニックゲインの波動を放つが、その反動は凄まじく、ファウストローブは自壊してしまう。
「だから言ったんだ。無茶をするなって!」
龍道は雅にそう言うが、雅はそのまま立ち上がり、構える。
「凪風流、奥義!」
「やめろ、雅!無理に身体を動かすな!」
「凪絶つ風!」
雅は自身を止めようとする龍道の言葉を無視して凪風の奥義を放つ。
「仕方がない。凪風流、奥義!凪絶つ風!」
龍道は同じ奥義を放ち、相殺する。
「凪風の奥義は、お前にはまだ早かったんだ!」
龍道は雅に対して言う。
「だとしても…今の凪風を受け継いだのは、僕だ!」
「いいや!お前に凪風は早い!それに、流夜は凪風を学ぶべきではなかった。だから、ここに宣言する!凪風流は、俺の代をもって断絶にする!最初から、こうするべきだったんだ。これなら、雅が凪風の重責に悩む必要も、流夜が大ショッカーの首領になり、世界の破壊者になることもなかった。」
龍道は雅に対して言う。
「確かに、僕は責任を重く考え過ぎていました。それに、流夜もそのことで闇風に手を染めることもなかったかもしれません。ですが、それはあくまでも流派の話です!家族として、流夜の思いに気付けなかった時点で、僕も、父上も、家族失格だったんだ!だから、いくら凪風を終わらせても、未来は変わりません!それなら、僕が凪風を、引き継ぎます!」
雅はそう龍道に返す。
「そうか。俺の知らない400年で、すっかり大人になったな。だが、今の雅の凪風では、俺は継承を認めるわけにはいかない。雅の凪風は、何のためにある!それに自分が気付けないようでは、俺を認めさせるには及ばないぞ!」
龍道は雅の成長を喜びながらも、鋭い目を向ける。
「今のままでは…それなら!僕は僕のまま、未来を、自分らしさを貫き通す!」
雅は覚悟を決める。
「雅、負けないで!」
そんな雅をフェイトは応援する。
「凪風流、新奥義!」
雅は右手を手刀の形にし、左手は拳を握る。
「新奥義ときたか。それも凪風の基礎である拳。まるで昔の俺みたいだ。やっぱり、雅も俺の息子だな。だが、雅が新奥義を放つというなら、俺も手加減はしない!凪風流、奥義!龍道式!」
龍道はエクシードデバイスを雅に向け、辺り一帯の空気をエクシードデバイスに集め、真空状態を作り出す。
「凪絶つ風・斬ノ型!」
龍道はエクシードデバイスを振るい、風の刃を雅に放つが、
「雷!風!堂!々!」
雅は右手を使って縦一文字に風の刃と龍道のエクシードデバイスを砕く。
「何!?」
「ハアッ!」
そして、スナップを効かせながら左手の拳を龍道の心臓目掛けて放ち、それが龍道に直撃し、龍道は倒れる。
「父上!」
雅は倒れた龍道を抱える。
「雷風堂々…雅の風と、嬢ちゃんの雷。自分だけじゃなく、大切な何かと共に進む。それが、雅の答えか。確かに、雅らしさが出ている。いいだろう。凪風流の正式な17代目当主として、雅を認めよう。」
「父上、ありがとうございます。」
「よかった。これで、俺の二つ目の願いも、無事に叶った…」
「それが、父上の二つ目の願い…」
「ああ、俺はメデューサと契約する時、後継者がしっかり決まる前に死んだ時に蘇ること、それから、時期当主をしっかり決めることを願った。自分で子供を作っておきながら、どっちにするかきめられなくて、悪魔の力を頼って、結局俺も、まだまだ半人前だったってことだな…だから雅が、チームディロードなんて作って、それこそこの世界と融合していない世界を含めれば50を超える世界を救ったこと、世界を救うために一人汚れ役を買って出たこと、すごく立派だと思えた。戦わなくていいって言ったのは、俺の本心でもあった。だけど、これだけしっかりしているなら、俺も安心だ。さすがは、次元保護国の象徴なだけある。俺も、父親として嬉しいよ。」
「父上…」
「だけどな雅、俺には流夜だって大切な息子だ。確かに、凪風から離れてもらったが、俺のことを親父って気軽に呼んでくれていたことは、父親として嬉しかった。俺は、本当は雅にも、そう呼んでもらいたかった。まあ、雅にそれが出来ないことは解っている。っと、そろそろ、限界か。」
龍道の身体が光の粒子に変わろうとしている。
「父上!?」
「願いが叶ったんだ。今度は、代償を支払う番だ。フェイトさん、うちの息子を、頼みます。こいつは誰かを救うためなら、自分の命に価値を見出せなくなることがある。フェイトさんが、雅を大切にしてやってほしい。」
龍道はフェイトに向かって言う。
「…はい、わかりました。」
「それじゃあ、これでドラゴンロードは壊滅だ…」
龍道はそう言い、消滅する。
「父上ぇぇぇ!」
雅は嘆く。すると、
「…ここは?」
一つの人影が、雅達の前に現れる。
「そんな!?」
フェイトは驚く。
「やはり、生き返っていたのか…」
雅はその人影、凪風流夜に向かって言う。
「…俺は、誰?あなたは、どうして俺のことを?」
流夜はたどたどしく言う。
「もしかして、記憶を失っているのか?」
雅は近づきながら言う。
「…っ!」
流夜は近づく雅を見て頭を抱える。
「大丈夫か!?」
雅は心配して流夜に触れる。すると、流夜はそんな雅の手首を握り締める。
「…ああ、大丈夫だ。全部思い出したよ。会いたかったぜ、兄貴。」
流夜は雅の手首をひねりながら言う。
「流夜、記憶が戻ったのか!?」
「お蔭様でな。それにしても、随分と老けたな。」
「そうだな、あれから7年も経っているからな。」
「そうか…7年も経つのか。楽しかったぜ、あの時の殺し合いは。まさか兄貴にも、あんなに醜い部分があったなんてな!」
流夜は笑いながら言う。
「流夜…」
「さあ、俺も蘇って身体が鈍っているけど、その無様にボロボロな状態の兄貴を殺せるくらいには身体が動くからな。」
流夜はディケイドライバーを装着し、ディケイドのライダーカードを取り出す。
「変身!」
【KAMEN RIDE-DECADE-】
流夜はディケイドに変身する。
「まずは、これでも試してみるか。」
【KAMEN RIDE-GAIM-オレンジアームズ!花道、オンステージ!】
ディケイドはディケイド鎧武にカメンライドする。
「ここからは、俺のステージだ。」
【ATTACK RIDE-DAIDAIMARU-】
ディケイドはアタックライドのカードを使ってライドブッカーを大橙丸に変える。
「流夜、もう争いあうことはやめよう。流夜だって、本当は解っているはずだ!僕を殺したって、凪風流の当主になれないことを!僕を殺すことに、本質的な意味がないことを!」
「煩い!俺はずっと、兄貴のそういう綺麗事が嫌いだった!だから、兄貴を殺して、凪風流を終わらせる!」
ディケイド鎧武は大橙丸を構える。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
「待ってくれ、流夜!」
「今更何を言っている!」
「愉しませてもらったぜ。」
「お前は…バアル!?」
「行こう、フェイト。」
次回『凪風流の未来』希望を紡いで、全てを救え! 
 

 
後書き
新カード紹介
ネオアマゾンズドライバー(ネオ):ディロードライバーをアマゾンネオ用のネオアマゾンズドライバーに変えて仮面ライダーアマゾンネオに変身するためのカード。
ファウストローブ:ディロードライバーを殲琴ダウルダブラのファウストローブに変えるカード。
仮面ライダー鎧武:ディケイドをディケイド鎧武にカメンライドさせるカード。
大橙丸:ライドブッカーを大橙丸に変えるカード。

流夜が変身するディケイドは、ビルドまでの仮面ライダーに対応していますが、ドライバー自体は旧バージョンのままです。 
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