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レーヴァティン

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第百四十四話 リスボン掌握その三

「まさに殲滅しなければ」
「どうにもならなかったからな」
「それで、でござったな」
「女子供もいたけれどな」
「武器を持っていたので」
「戦になるんだよ、比叡山にしてもな」
 この寺でのことは実はその一部を焼いたに止まり山全体を焼き討ちにしたのではないという説もある。
「相手は僧兵だからな」
「戦になってもでござるな」
「当然だったからな」
「信長公にしても」
「武器を持たない相手には何もしなかったさ」
 殺戮を厭わなかったと言われた彼もというのだ、尚実際の信長はあくまで最低限の者だけを殺していた。降った敵には寛容であった。
「そうだったからな」
「それで、でござるな」
「俺もな」
「武士道でござるか」
「その考えによってな」
 それでというのだ。
「武器を持たない相手はな」
「攻めないでござるな」
「今でも自衛隊がそんなことするかよ」 
 まさにというのだ。
「しないだろ」
「ないでござる」
「そうだよな、何があってもな」
「自衛隊にそうした作戦のマニュアルはないとでござる」
「聞いてるよな」
「そんなものは全くないと」
 実際にそうしたものは存在しない、市民の盾になって犠牲になれと言われることはあってもである。
「その様でござるな」
「だからな、俺もな」
「そうでござるな」
「自衛隊みたいにな」
「市民を攻撃しない」
「自国民は絶対でな」
 それでというのだ。
「敵の国民もな」
「やがて自分達の国民になるので」
「それはしないさ」
「そうでござるな」
「例えずっと敵だっていう国があってもな」
 例えそれでもというのだ。
「やっぱりな」
「その国民は」
「ああ、手出しはな」
 それはというのだ。
「しないさ」
「そうするでござるな」
「どうしても武器を持たない民はな」
「手を出さないでござるな」
「俺は今の日本にいるからな」
 起きた世界ではそうだからだというのだ。
「そうした考えになるな」
「左様でござるな」
「人間はやっぱりそこにいる場所の考えになるな」
「軍隊の在り方についても」
「ああ、そっちもな」
 まさにというのだ。
「今の日本の考えになってるよ」
「自衛隊の」
「それでな」
 その為にというのだ。
「武器を持たない民にはな」
「敵国であってもでござるな」
「手を出すって考えにはならないな」
「そうでござるな」
「だからな」
 それが為にというのだ。
「俺もしないさ」
「そういうことでござるな」
「それはやったらいけないことだってな」 
 それこそ何があってもだ。 
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