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レーヴァティン

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第百四十三話 皇帝の降伏勧告その十二

「そして学校の教師連中もな」
「カルトだったな」
「そうだったからな」
 だからだというのだ。
「ああした風になった」
「組合活動にだけ熱心でか」
「肝心の生徒や授業のことはな」
 それこそというのだ。
「どうでもいいな」
「完全に本末転倒だな」
「そしてそんな奴が定年を迎えてだ」
「プロ市民になってか」
「家ではクレーマーだ」
「ったく、迷惑だな」
「自分ではそうは思っていないがな」
「碌なもんじゃねえな、まあそういう奴の言うことはな」
 久志は正の言葉を聞いたうえであらためて言った。
「聞かないからな」
「あくまで公が第一だな」
「そうだよ、そんな自分しかない奴なんてな」
 我、それしかない輩はというのだ。
「本当に無視していいさ、それでこの連合王国の領地もな」
「手に入れていくとだな」
「公を第一の政治をするな」
「そうしていくな」
「ありきたりな言葉だけれどな」
 こう前置きしてだ、久志は正に話した。
「最大多数の最大幸福をな」
「求めるな」
「それで実現する様にするな」
「これを何の力もなく心もない奴が言えばな」 
 その場合はとだ、正は前置きして話した。
「我が国の元総理でいたな」
「ああ、あのろくでなしだな」
「震災の時のな」
「辞めるって言って辞めなかった奴だったな」
 何ヶ月かそのままでいたのだ。
「あいつだな」
「あいつもそう言ったが」
「あいつはとんでもない無能で最悪の自己中だったからな」
 まさに自分のこと、保身しか考えていないそうしたことが手に取る様にわかる輩だったというのだ。
「あいつが言うとか」
「馬鹿の戯言だがな」
「俺が言うとか」
「これまでの政がある」
 この世界でのそれがというのだ。
「だからだ」
「それでか」
「お前が言うと説得力がある」
「そういうことなんだな」
「そうだ、ならだ」
「俺は最大多数の最大幸福をか」
「考えて政を行えばいい、だが」
 正は久志にこうも言った。
「わかっていると思うが」
「どうした」
「そこから漏れる人間や街や村、家畜もな」
「出来る限りか」
「救える様にすることだ、救えなくてもな」
「出来るだけましにか」
「する様にしろ、それも政だ」
 こう久志に話した。
「それもわかっているな」
「ああ、ずっとこの世界にいてな」
「そうだな、なら政を進めていくぞ」
「わかったさ」
 笑顔でだ、久志は正の言葉に頷いた。そうして軍を動かしもしてだった。
 連合王国内の各勢力に使者を送り続け軍勢にモンスターや賊の征伐を淳二にその軍勢を率いて行わせた。
 そうしていると一戦も交えずにだった。
 セビーリャとその周りおおよそ五百キロメートル程が扇状に勢力圏に入った、久志はこの状況を見て言った。
「よし、後はな」
「ここからやな」
「リスボンに向かうか」
「連合王国の首都の一つにか」
「ああ、あそこを手に入れるか」
 こう言うのだった。 
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