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レーヴァティン

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第百四十三話 皇帝の降伏勧告その十一

「変な奴は弁護士とかな」
「法曹界だね」
「裁判官もそっちの世界だしな」
 即ち法曹界の人間だというのだ。
「それで学校の先生だな」
「大学の教授含めてね」
「プロ市民とかもそっちの流れだしな」
「もうおかしい、クレーマーにしてもね」
「学校の先生とかか」
 それでとだ、久志はさらに言った。
「元でも」
「そうした人が騒いで」
「弁護士がついてか」
「おかしなね」
「それでおかしな裁判官が判決するんだな」
「そういうことかな」
「洒落になってねえな、本当に」
 今の日本はとだ、久志は嫌そうな顔になって述べた。
「馬鹿が手を挙げてな」
「それが通る社会とかね」
「本当にそんな社会は駄目だな」
「まずは公共だよね」
「頭おかしい奴の意見は聞けるか」
「少なくともこっちの世界じゃね」
「そうした政していかないとな」 
 久志はあらためて言った。
「クレーマーの意見は聞かないでな」
「まともな裁判官を置く」
「それも政だからな」
「確かなね」
「全く、馬鹿の言うことなぞ聞けるか」
 正も言ってきた。
「聞くだけ時間の無駄だ」
「お前特に厳しいな」
「そうした奴が嫌いだからな」
「それで言うんだな」
「そうだ、正直起きた世界ではそうした連中が一番嫌いだ」
 何といってもとだ、正は久志に話した。
「クレーマーがな」
「自分のことだけ言う奴はか」
「そうだ、自分の権利や主張ばかり口にするが」
 それでもというのだ。
「公の仕事は全くしない」
「学校の先生だったらその時からな」
「組合のことばかりでな」
 それでというのだ。
「生徒のことも授業のこともだ」
「ほったらかしだよね」
「いじめが起こってもだ」
 滋賀県大津市のいじめでの自殺の事件の時の担任もそうだったらしい、取材にも鼻歌で応じたというからそもそも人間の心もないのだろう。
「放置だ」
「そんな馬鹿教師本当にいるからな」
「日本ではだ」
 起きた世界での日本ではというのだ。
「いい鉄は釘にならずな」
「いい人はな」
「学校の先生にならない」
「そう言っていい位酷いな」
「とかく質の悪い奴が多い」
 学校の教師、大学教授まで含めたそれはというのだ。
「ずっとマルクスかそれめいたことだけ言っていればよかった」
「それで何でも反対でな」
「やっていけた、そこに思考も倫理もだ」
 そうしたものはというのだ。
「それこそだ」
「一切だよな」
「なかった」
 まさにというのだ。
「そう言ってよかった」
「マルクス主義の倫理ってな」
「イデオロギーが絶対だった」
「まさにカルト教団だな」
「その域だったな、あさま山荘を見てもだ」
「革命戦士とか総括とか言ってな」
「最早あれはカルト教団だった」
 共産主義革命だの言って自分達は崇高なつもりだったがだ、イデオロギーも極端になるとカルトになるということだろうか。 
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