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レーヴァティン

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第百四十三話 皇帝の降伏勧告その十

「通ったんだよ」
「それが日本の裁判官ですか」
「弁護士もおかしいの多いだろ」
「はい、何かと」
「人権がどうとか言うな」
「それは私も思います」
 残虐な処刑には消極的な夕子でもだ。
「どうも」
「それでな」
「裁判官もですか」
「ああ、今話した通りにな」
「今の日本ではおかしな人が見受けられるのですね」
「そんなおかしな裁判官はな」
 久志は強い声で言った。
「俺達が任命してるしな」
「任命する権限を持つ者としてですね」
「即刻罷免してな」
 そしてというのだ。
「裁判もな」
「おかしな判決なら」
「捜査からやりなおさせるぜ」
「そうされますか」
「日本じゃ出来ないけれどな」
 今の日本ではというのだ。
「三権分立だからな」
「司法は独立していますし」
「立法、行政とな」
「そして司法は」
「だから無理だし三権分立自体はいいさ」
 この制度自体はとだ、久志は話した。
「民主的でな、権力の暴走も防ぐしな」
「それでもですね」
「こっちの7世界は違う政治システムだろ」
「治めるのは私達なので」
「俺が皇帝として裁判官の任命権も持っているんだ」
 それでというのだ。
「だったらおかしな裁判官はな」
「罷免していい」
「いい裁判官を置くさ」
「民の為に」
「ああ、法の為にもな。けれどな」
 ここで久志はこうも言った。
「こっちの世界でそんな変な裁判官一人もいないな」
「少なくとも帝国の中ではね」 
 淳二は自分達が治めている国の中の話をした。
「いないね」
「一人もな」
「そうだよね」
「っていうか日本の裁判官がおかしいのかよ」
「それも相当にね」
「そのせいかい?」
「そうかも知れないね」 
 淳二は久志に考える顔で話した。
「今挙げた例は全くないからね」
「判決のな」
「人殺したらちゃんと死刑判決出るし」
「クレーマーの文句も聞かないしな」
「誰でも嘘を言うと思って判決するし」
「そうだよな、というか今の日本の裁判官がおかし過ぎるんだな」
「異常な世界なのは確かかもね」
 淳二も否定しなかった。
「やっぱり」
「それは間違いないな」
「裁判官もおかしければ」
「文句言う奴もな」
「どっちもおかしいから、というかね」
 淳二はこうも言った。
「文句つける人ってね」
「そのクレーマーか」
「おいらが聞くに元学校の先生で」
 それでというのだ。
「今はお年寄りで先生だった時もね」
「おかしな奴か」
「組合とかの活動ばかりで」
 それでというのだ。
「生徒のことはどうでもいいとか」
「そうした馬鹿教師が定年になってか」
「お家にいる様になった」
「そんな奴が言うことか」
「そんな気がするんだよね」
「そうかもな、今の日本ってな」
 それこそとだ、久志は淳二に応えて述べた。 
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