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レーヴァティン

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第百四十二話 セビーリャ攻略その五

「そうするか」
「軍議を開かないのか」
「真面目だな」
「これからのことを話すべきだと思うが」
 それでとだ、正は言うのだった。
「ここは」
「それは二人が戻ってからでいいだろ」
 夕子と美奈代、今セビーリャに行った二人がというのだ。
「それでいいだろ」
「それもそうだな」
 言われてみればその通りだとだ、正も頷いた。そのうえで久志に答えた。
「ではな」
「ああ、なら今からな」
「飲むのか」
「そうするか」
「お前昨日かなり飲んだな」
 正は軍議は今はいいとした、だがそれでもだった。
 昨夜の話をしてだ、そのうえで久志に問うた。
「それでもまだ飲むか」
「酒はあるだろ」
「あるならか」
「飲みたいっていうのが人情だろ」
「だからといってまた飲むのか」
「今からもな、それに実は昨日飲み過ぎてな」
 それでとだ、久志は笑って述べた。
「頭が痛くてな」
「二日酔いでか」
「二日酔いには迎え酒だろ」
「それでか」
「今からな」
 まさにというのだ。
「飲んでな」
「二日酔いを解消するか」
「ああ、そうするな」
「自堕落では」
 順一は二日酔いには迎え酒、つまり酒を何処まで飲むという久志の言葉を聞いて彼にどうかという顔になって述べた。
「流石に」
「そうか?」
「はい、節制が大事ですので」
「こっちじゃ普通だからな」
 この浮島ではとだ、久志は述べた。
「普通に何処でも朝からワインなりビールなり飲んでるだろ」
「それはその通りですが」
「それでな」
「今からですか」
「また飲んでな」
「二日酔い解消ですか」
「その為にも飲むか」
 是非にという言葉だった、もう決めているという感じの。
「そうしたいんだよ」
「二日酔いにはでござる」
 ここでだ、進太が言うことはというと。
「水でござるから」
「湖に飛び込んでか」
「酔いを醒まされては」
「今鮫いるぜ」
 その湖を見てだった、久志は進太に話した。見れば湖には鮫の背びれが幾つも見える。この浮島には淡水生の鮫も存在しているのだ。
「そこに飛び込めっていうのかよ」
「久志殿なら鮫が何匹いても素手で勝てるでござるな」
「楽勝でな、けれどな」
「あえて危険に飛び込むことはでござるか」
「ああ、本当にな」
 それこそというのだ。
「俺はそうしたことはしない主義なんだよ」
「それはいいことでござるが」
「迎え酒はか」
「それがしもどうかと思うでござる」
「じゃあどうすればいいんだよ」
「カードにしておけ」
 正ははっきりと答えた。
「今はな」
「二日酔いはそのままでか」
「それは自業自得だ」
 二日酔いになったことはというのだ。 
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