腐女子の素顔
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第二章
「気にしたら負けよ」
「色々書かれてもか」
「そうよ、むしろそういうのが面白いんだよ」
千夏はまた真顔になって言った。
「これでしょ」
「強いな」
「っていうかさ、ギャグ漫画ってね」
千夏はさらに言った、二人共上は白の半そでのシャツで下は青のスカートだが遥は折っていてかなり短くしている。脚も奇麗だ。
「もう何か言われるのがね」
「普通かよ」
「そう、そっちの恋愛ものよりもね」
「ボーイズラブのか」
「そうした行為はなくてもね」
「あたしの漫画は健全路線だしそんなシーン描いたら」
それこそというのだ。
「高校生としてまずいしな」
「それに健全なサイトだしね」
「すぐに十八禁の方に強制移動だろ」
「そうだよね」
「そこまでは考えてねえしな」
作者である遥の方もというのだ。
「だからな」
「それでなのね」
「健全路線で描いてるけどな」
「マンネリって書かれて」
「今どうかってなってるんだよ」
「そういうことね、だから私が思うにね」
千夏はあっさりとした声で話した。
「もうね」
「気にするなってか」
「女の子だって言ってるのに山上先生ってないでしょ」
「ガキでかとか冒険ピータンとかええじゃない課とかな」
「あそこまでぶっ飛んだ下品というか下品ギャグ描いてないのに」
「あくまで川崎先生だよな」
「脱いで褌にならないね」
そうした感じのというのだ。
「それか現代チックの」
「どう考えても山上先生じゃねえよな」
遥が読んでもだ、千夏の漫画はそうである。
「ああした路線はあの人にしか描けねえな」
「絶対にね、とにかくね」
「ギャグ漫画は色々言われるか」
「だからよ、もうね」
「マンネリとか言われても気にするな」
「恋愛でもそうでしょ、王道行ったら?」
「お前にしちゃまともなこと言うな」
遥はこの言葉は半分本気で出した。
「これはまた」
「そこでそう言う?」
「実際だからな、しかしな」
「そう、もうね」
「書き込みは一々気にするなか」
「どうせなら本当に山上先生みたいな漫画描く?」
「あたしの中に一切ねえよ」
ああした強烈なギャグ、下品と言われても驚異的な破壊力とインパクトがあるそれはというのである。
「鴨川先生みたいなの描いてみたいけれどな」
「あの人も凄いわよね」
「昔のチャンピオンのギャグって神がかってたよな」
「そうよね」
こんな話もしながらだった、遥はこの日も部活で部員達と話しながら漫画のネームを考えたり実際に描いていった。
だが自分でもマンネリ感があった、それでやはり同じクラスで同じ漫画部員である深津愛生にも言った。
「あたしの漫画マンネリってな」
「ボーイズラブばかりだから」
愛生は遥に無表情で答えた、スカートの丈は千夏と同じ位で黒髪ロングに切れ長の目と小さな唇、高い鼻を持っている。背は一五六位である。顔立ちは整ってはいるがとにかく表情が一切存在しない。
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