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レーヴァティン

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第百三十九話 西への出航その四

「それじゃあな」
「水軍はな」
 久志はまた言った。
「大事だな」
「本当にな、それだけにな」
「優れた人材が必要だな」
「間違ってもね」
 留奈が笑って言った。
「強制徴募隊みたいなことはしないね」
「昔イギリスにあったんだよな」
 久志は留奈が話に出した強制徴募隊についても答えた。
「イギリス海軍にあったな」
「そうそう、もう手当たり次第にね」
「船に放り込んで水兵にしてたんだったな」
「病人でもね」
 それが動けない様な者でもだ、無理やり船に入れていたのだ。
「あっちから来た子に聞いたけれど」
「とんでもない兵隊の集め方もあるな」
「そうよね」
「ガタイのいい男を見たらな」
 大抵はそうした者を見付けてだったのだ。
「飲み屋に連れて行って酔い潰すかな」
「いきなり襲い掛かってな」
「叩きのめしてね」
 そうして気絶させてだ。
「船に放り込んでね」
「強引に水兵にしてたな」
「港町でね」
「よくそんなこと出来たな」
 久志は腕を組んでかなり真剣な顔で言った。
「ちょっと俺にはな」
「考えたこともないでしょ」
「あまりにもえげつないしな」
 兵の集め方がというのだ。
「それにそうした集め方をしてもな」
「質のいい水兵さんは集まらないでしょ」
「どう考えてもな」
 だからだというのだ。
「だからしないさ」
「こうしたやり方もあるって知ってても」
「絶対にな」
 それこそというのだ。
「しないさ」
「そうよね」
「だからな、俺はな」
「募兵ね」
「陸も水もな」
 どちらもというのだ。
「あと数は少ないけれど空船の方もな」
「そっちもだね」
「無理に集めないでな」
「募集してよね」
「そこからちゃんとした奴を採用して」
 そしてというのだ。
「しっかりとした訓練と軍律で鍛えてな」
「戦わせるね」
「そうするな、それとな」
 さらにだ、久志は話した。
「今空船の話出たけれど連合王国のそっちは」
「空船だね」
「これまで戦った相手は何処もまともに持ってなかったけれどな」
「今度もやで」
 美奈代が久志の今の言葉に答えた。
「やっぱりな」
「空船はか」
「せや、殆ど持ってないわ」
「そうなんだな」
「うち等も少ないけどな」
 その数はというのだ。
「それでもな」
「連合王国もか」
「五隻もないわ」
「そうなんだな」
「三隻あって全部動くか」
 それもというのだ。 
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