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仮面ライダーディロード~MASKED RIDER DELOAD~

作者:紡ぐ風
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第二部~雅、結婚騒動~
  EPISODE24『終焉の追走曲』

「ソウダ…アタシは…一人じゃねぇ!私には、もう沢山の人がいるんだ!」
「おいおい。こいつは他所の世界の為に自分の命をかけられるような奴だ。もしかして、知らないのにノせられちゃった?」
「ノンノンノン。嘘じゃない。そう!僕こそ、真実の人。英雄!ドクターウェル!」
「紹介が遅れました。僕は凪風雅。次元保護国という異世界からこの世界を救いに来ました!」
「凪風さん、私達の歴史を護るなら、私と父さんの再会も、護られるべきものなの!?」

「それで、雅君はこれからどうするのだ?」
「皆さんがイグナイトモジュールを使えるようになったことで、殆ど安定しましたが、肝心のキャロルとの決着がまだついていません。なので、最後まで助力させて下さい。」
「わかった。それで、何か手は決まっているのか?」
「はい。キャロルの目的である万象黙示録を止める手段があります。」
「それは何だ?」
「ウェル博士の存在です。」
弦十郎の質問に雅は答える。
「なんだと!?」
「おい、正気か!?」
「それは危険よ!」
「あいつと手を組むなんて、正気の沙汰じゃないデース!」
雅の言葉に弦十郎をはじめクリス、マリア、切歌は反論する。
「勿論、理由はあります。世界を救うことで英雄になろうとするウェル博士と世界を解剖して全て終わらせようとするキャロルはいざこざを起こします。そうなれば、世界を救う未来を交渉材料にすれば、万象黙示録を止める手立てはあります。」
雅は、装者達に説明をする。
「なるほど、話はわかった。それで、誰が交渉に向かう?」
弦十郎が聞くと、
「その役目、私達に任せてもらえないかしら?」
マリアと切歌、調が立候補する。
「わかった。頼んだぞ。」

「それで、世界を解剖した後はどうするつもりだい?」
「どうするも何も、考えていないが。」
S.O.N.G.で会議が行われている頃、チフォージュ・シャトーでキャロルとウェル博士は言い争っていた。
「何もしないだって!?世界が無くなる危機を救えば英雄になれるんだ!そのチャンスを見逃すつもりかい!?」
「何の話だ?」
「かつて世界は幾度となく危機に瀕した。そして、それは一人の閃きが全て救った。その導き手は未来に英雄と呼ばれた。君だって英雄になれば、父親の不名誉を払拭できるではないか!」
ウェル博士は持論を力説する。しかし、次の瞬間ウェル博士はダウルダヴラによって貫かれていた。
「…楽器をそんな風に使っちゃ駄目じゃないか…」
ウェル博士はそう言い、体を支える力を失って排気口から落下する。

数日後、響は再び晄と会っていた。
「どうしてちゃんと話そうとしないの?」
「俺だって、職業柄立場ってものがあるんだ。あのコンサートが、俺達の人生が狂った原因なんだ。わかってくれよ。」
晄は、響がかつてガングニールの一部と融合する切っ掛けとなったコンサートの、偶然にも響が生還したことで世間から批判された出来事を引き合いに出す。
「どうしてそんなことを言うの!?」
響は、自分に世界を護る力をくれた一件を批判され、怒る。すると、巨大な地響きが起きて、二人が窓から外を観ると、キャロルの牙城たるチフォージュ・シャトーがそこには鎮座していた。
「あれは!?」
響は驚いて外に出る。すると、シャトーからキャロルが降りてくる。
「キャロルちゃん!」
「立花響、オレは今日、奇跡を殺す!」
キャロルはダウルダヴラを取り出す。それを見て響もペンダントを取り出す。すると、
「いいのか?その男の前でシンフォギアを使って?」
キャロルは言う。響が後ろを振り向くと、携帯のカメラモードを開いて響の姿を録画しようとしている晄がいた。
「その男はお前のことを子供とすら思っていないようだな。」
キャロルは煽る。その言葉に響は戸惑う。すると、
「響さん、ここは僕に任せて下さい!」
【CHANGE RIDE-AMAZONS DRIVER TYPE ALPHA-】
アマゾンズドライバーを装着した雅が現れる。
「雅か。よくもオレを騙してくれた。」
「これが、僕の使命なので。」
〔アルファ…〕
雅はアマゾンズドライバーのグリップを捻る。
「アマゾン。」
〔wild!wi wi wild!〕
雅は赤い炎に包まれ、仮面ライダーアマゾンアルファに変身する。
「…パパ!?」
その様子を見たキャロルはかつて父親が火刑にされた時のことを思い出し気が動転してしまう。
「行くぞ。」
アマゾンアルファは素早く動いてキャロルに近づき、殴りかかるがキャロルはそれを避け続け、キャロルは防戦一方になる。
「凪風さん!」
響は話しかける。すると、
「話しかけてこないでほしい!」
アマゾンアルファは反応する。
「えっ…」
「僕が今使わせてもらっているこの力は、確かに強い。だけど、一つだけ困った部分があって、その代償で食人衝動にかられてしまう。だから、今は黙っていてほしい。」
アマゾンアルファは強い精神力で本能を押さえ込んでキャロルとの戦闘を続行する。
「なかなかやるではないか。だが、これならどうだ!」
キャロルはそう言うと、響目掛けて火焔弾を放つ。
「しまった!」
アマゾンアルファはそれを追いかけようとするが、それをキャロルが妨害する。すると、晄はそれを庇うように響を抱きながら飛び込んで避ける。
「お父さん…大丈夫!?」
「ああ。平気、へっちゃらさ。」
晄は笑顔で答える。
(そうだ。私が普段言っていたあの言葉、お父さんが私にくれたものだったんだ!)
響は、自分の普段の口癖を思い出す。
「ところで、どうして響さん達の行動が全て解っていた!」
「何の話だ?」
「とぼけるな。クリスさんと翼さんを分断したあの作戦。まるであたかも最初からあの二手に分かれることが解っていたかのように行動していた!」
「そこまでわかっているなら言うしかないな。ご苦労だったぞ、エルフナイン!」
キャロルは笑顔で言う。
「えっ…」
エルフナインは驚く。
「どういうことだ!?」
弦十郎はエルフナインを睨む。
「僕には、なんのことかわかりません!」
エルフナインは言う。
『そのはずだ。お前とオレは五感をリンクさせているが、オレとお前のリンクは行っていない。勿論、ダインスレイフを奪わせるのも、作戦の一つだ。本当に、よく頑張ってくれた。』
キャロルは笑う。
「皆さん、早く僕の活動を停止させて下さい!」
エルフナインは自責の念にかられてその身を破壊するように頼む。すると、
『逃げようとしちゃ駄目だ!』
晄は言う。
『ずっと逃げ続けてきた奴が言っても、説得力がないかも知れないけど、逃げても何も変わらない!だから、生きて、認めてもらうんだ!』その
晄は説得する。すると、そこに装者達が集結する。
「緒川さん、彼を頼みます。」
「はい。さ、本部まで避難しましょう。」
翼は緒川に指示を出して緒川は晄を誘導する。
「待ってくれ、響が…」
「大丈夫!平気、へっちゃらだよ!」
響は晄に笑顔を見せ、晄は納得して避難する。
「翼、シャトーは私達に任せて!」
「マリアさん!皆さんの道は、僕が作ります!」
雅は変身を解除し、マリア達の手をとると、ワープのカードを使ってシャトーに突入し、雅は帰還する。
「やってくれるな。」
キャロルはダウルダヴラを奏で、ファウストローブを身に纏う。
「♪嗚呼終焉への追走曲(カノン)が薫る!殺戮の 福音に血反吐と散れぇ!」
キャロルは歌うことでダウルダヴラの出力を上げる。
「♪微分子レベル まで解剖して 反逆を 永劫に断つ!」
「これは…シンフォギア!?」
一同は驚く。
「♪奇跡など殺すと誓ったのだ!思い出など微塵と焼き消してぇ!狂い酔えば柔きあの笑顔も!世界ぃを壊す歌が忘 却へとぉ!愛など見えない!愛などわからぬ!愛など終わらせる!」
キャロルのエネルギー波を受けて一同は怯む。
「この攻撃…まるでシンフォギアの絶唱と同じ威力だ!」
翼は言う。
「シンフォギア?そんな奇跡と一緒にするな!それに、オレの力はお前達一人一人のちっぽけな力ではない。人類70億のフォニックゲインをシャトーに集めて使っている。レベルが違う!さあ、始まるぞ!万象黙示録の完成だ!」
キャロルが宣言すると、シャトーからエネルギーのラインが地球にめぐる。しかし、次の瞬間には開かれた地球の表面は再び閉じてしまう。
「一体何が起きている!?」
キャロルは驚く。

その頃、シャトー内部ではウェル博士が管制システムを制御していた。
「マリア、これで世界の解剖は止まる。」
ウェル博士はネフィリムを使ってシャトーのシステムを停止させていた。

「馬鹿な!」
キャロルは怒り、チフォージュ・シャトーの核を破壊する。

「っぐ!?」
シャトーは瓦解し、ウェル博士はマリアを突き飛ばして瓦礫の下敷きになる。
「ドクターウェル!…どうして…」
マリアは近づく。
「愛故に…ですよ…」
「何故そこで愛!?」
「マリア、君達が欲しいものはこれだろう?」
ウェル博士は隠し持っていたLiNKERのデータが入ったチップを渡す。
「マリア…僕は今度こそ…英雄になれたかな?」
ウェル博士はそう言い残して息絶える。
「…ああ。最低最悪のな!」
マリアはウェル博士の亡骸にそう言って脱出する。

時を同じくして、S.O.N.G.本部ではキャロルとリンクしているエルフナインが、キャロルのエネルギーのバックファイアを受けて肉体の限界に近づいていた。
「キャロルに…言わないと…」
エルフナインは立ち上がる。
「キャロル…父、イザーク・マールス・ディーンハイムに代わり、命題の答えを言います!」
「パパの命題?」
『キャロル、もっと世界を知りなさい。』
キャロルはイザークから言われた言葉を思い出す。
「その答えは…『赦し』です。」
エルフナインは答える。
「赦しだと?ふざけるな!」
キャロルは思い出を焼却し、翠の獅子機を錬成し、乗り込む。キャロルが燃やした思い出は優しきあの日々。憎しみにキャロルは駆られる。
「それじゃあ、なんのためにパパは!?」
キャロルは嘆く。しかし、次の瞬間キャロルの脳裏には偶然にも残っていた父親(イザーク)の微笑みが過る。
「パパ…邪魔しないでくれ!」
しかし、憎しみに呑み込まれたキャロルは己の唯一の行動理念となっていた父親との日々(もの)さえも焼き消して力に変える。
「ああ…何故オレはここにいる?解らない…だけど…これだけは解る。オレはお前達を破壊する!」
翠の獅子機は咆哮を上げる。
「さて、僕も本領発揮だ!」
雅はディロードライバーを装着し、ディロードのカードをスキャンする。
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身!」
雅はディロードに変身する。
「また別の姿に!?」
翼は驚く。
「これが僕の、仮面ライダーとしての本当の姿です。それで、このカードに願いを込めて下さい。」
ディロードは事前に渡していた白紙のカードに願いを込めてもらうように言う。
「俺達も、雅君の為に協力しよう!」
弦十郎達も渡されたカードに願いを込める。
「集え、世界の願い!」
ディロードの宣言により、ワールドホープのカードが完成し、ディロードはスキャンする。
【WORLD HOPE-SENKI ZESSYOU SYMPHOGEAR GX-】
その力により、響達のギアは限定解除され、XDモードになる。そして、ディロードの手には、一枚のカードが握られる。
「これは!?」
ディロードはカードをスキャンする。
【ATTACK RIDE-PHONIC GAIN-】
カードの力により、ディロードにフォニックゲインが宿る。
「響さん、行きましょう!」
ディロードは拳を構える。
「はい!」
ディロードと響は翠の獅子機に向かう。
「我々はこいつらを片付けるぞ!」
翼達は翠の獅子機の咆哮によって溢れ出るアルカ・ノイズ達を撃破してゆく。
「キャロル、目を覚ますんだ!」
「キャロルちゃん!」
「煩い!目障りだ!全て焼き消す!」
もはやキャロルには、目の前に映る二人(雅と響)が誰なのかも解らなくなっていた。
「ダメだ!僕達の声が届かない!」
ディロードと響はバックステップを踏んで攻撃を避ける。
「こうなれば、仕方がない!」
【WORLD ATTACK RIDE-SENKI ZESSYOU SYMPHOGEAR GX-】
ディロードはワールドアタックライドを発動する。
「立花と雅に力を貸してくれ、天羽々斬!」
「イチイバル!」
「シュルシャガナ!」
「イガリマ!」
「アガートラーム!」
翼達は自身のギアのエネルギーを響に集約させ、響はアームドギアで構築された巨大な拳となり、ディロードはそれを蹴ることで拳は速度を上げて翠の獅子機を貫く。(コア)を破壊された翠の獅子機は爆発し、キャロルは上空から落下する。
「キャロルちゃん!」
それを見て響は手を延ばす。
「パパ?」
それを見たキャロルはそう呟くが、その言葉を残して爆発に巻き込まれる。

「それでは、世界を救う為とはいえ、ご迷惑お掛けいたしました。」
事件が終わり、雅は弦十郎に頭を下げる。
「いや、こちらこそ世界を救う協力をしていただき、ありがとうございます。」
弦十郎は雅の手を握る。
「ありがとうございます。それでは、世界が救われた以上、僕という異物はすぐに帰らせていただきます。」
雅はそう言い、次元転送ポートによって、次元保護国に戻り、ソウルライドの発動が行われて、リセットのカードによって雅とシンフォギアの世界との繋がりは消え、この事件は幕を下ろした。

次回予告
突然舞い込んだ雅の見合い話。雅との思い出の話。次回『二人の思い出』 
 

 
後書き
新カード紹介
アマゾンズドライバー(アルファ):ディロードライバーをアマゾンズドライバーに変えて、仮面ライダーアマゾンアルファに変身する為のカード。
戦姫絶唱シンフォギアGX(ワールドホープ):シンフォギアGXの世界のワールドホープ。装者達のギアを限定解除し、ディロードはフォニックゲインのカードを入手する。
フォニックゲイン:ディロードにフォニックゲインが宿り、歌の力で能力が上昇する。
戦姫絶唱シンフォギアGX(ワールドアタックライド):シンフォギアGXの世界のワールドアタックライド。合体したギアを響とディロードの力でぶつけるGlorious Break RIDEが発動される。 
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