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レーヴァティン

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第百三十八話 湖沿岸部その三

「しっかりと」
「ちゃんと出してるしね」
「ああ、本当にな」
「チーズあるといいわよね」
「肉もいいけれどな」
「こんないいものないわよ」 
 清音は笑ってだ、自分もそのチーズを見た。見れば正は手を伸ばしてそのチーズを一切れ手に取って食べはじめた。
 そして清音もそのチーズを手に取って食べた。そうして言った。
「食べてそして」
「また飲むだな」
「そうしていきましょう、今は」
「そうだよな、折角飲んでるし」
「このままね」
「このチーズは」 
 ここで言ったのは順一だった。
「半島のチーズです」
「俺達が今いるローマがあるな」
「ナポリの」
「そちらの産か」
「羊はジェノヴァのもので」
「ソーセージはトリノだったな」
「そちらの産です」
「そうだったな、それでワインは」
 久志は今自分達が飲んでいるそれの話もした。
「連合王国の産か」
「そうです」
「そうか、あそこもな」
「ワインが美味しいです」
「それで結構豊かだったな」
「しかも我々とはです」
「交易しててな」
 そうしてワインを手に入れていてというのだ。
「そしてな」
「そうしてですね」
「それでな」
 さらにというのだ。
「これからどうするか」
「連合王国については」
 順一はこの国についてさらに話した。
「交易はしていてもな」
「我々のこの浮島を統一する政策にはです」
「反対しているよな」
「そうしています、ですから地中湖南岸を攻めている時も」
「その動きが気になったな」
「そうでしたね」
「じゃあな」
 それならとだ、久志はチーズを飲みつつ話した。
「これからはな」
「連合王国をですか」
「攻めるか、それかな」
「若しくはですね」
「東の半島の諸都市群をな」
 そちらをというのだ。
「攻めるか」
「どちらかですね」
「まだ騎士団と王国は争ってるしな」
 彼等の国から見て北にあるこの二大国の話もした。
「それならな」
「今のうちにですね」
「東西の敵を倒してな」 
 そしてというのだ。
「地中湖沿岸部を完全に手に入れて」
「そうしてですね」
「そのうえでな」
 さらにというのだ。
「いよいよな」
「騎士団と王国をですね」
「攻めるか」
「そうしますか」
「ああ、まあとにかくな」
 久志は飲みつつ順一にさらに話した。
「今度はな」
「連合王国とですね」
「諸都市群だな」
 この二つの勢力をというのだ。 
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