剣製と冬の少女、異世界へ跳ぶ
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004話 お買い物
前書き
更新します。
学園長室を後にしてから桜咲に女子寮まで案内させてもらった。
だがやはり男である俺が普通なら男としては楽園な場所にイリヤがついているとはいえ、大丈夫なのだろうか?
桜咲に聞いてみたところ、
「だ、大丈夫ではないでしょうか?」
と、疑問系で言葉を返されてしまった。
現在俺はライブで先行きが不安です。
そこにイリヤが心配(?)してきたのか………いや、むしろ脅しか?
「ふふふ……もしもシロウがおかしな行動するんだったら、コロスワ」
ワ~オ、びっくりだ。久々に“ぎんいろのあくま”が降臨しちゃっていますよ。
桜咲も引いてる引いてる。
……ゴッド、俺はなにも悪いことはしていませんから、できることならこれ以上俺を女難の相という不幸の谷に落とさないでください。
いや、本気と書いてマジで。
「で、では。私はこれで失礼します。……頑張ってください士郎さん。微力ですができる限りお助けしますから」
そういって桜咲はそそくさとまるでイリヤから逃げるように自分の部屋に戻っていった。
うぅ~、ええ子や。俺の中で桜咲の印象は急上昇中だ。
さて、それより中に入るとしよう。
「おー、やっぱり寮長室だけあって結構広いな」
「そうね。これなら不自由しなくて済みそうだわ」
部屋の中はさすが寮長室だけあって部屋二つ分以上の広さがあり、しきりもできるので滅多なことがない限り問題はないだろう。
イリヤの行動によって落差はするだろうが。例えば俺の寝床に侵入してくるとかしてくるかもしれない。
と、それより。そういえばこんな普通の部屋にゆっくりと居座ることになるなんていつぶりだろうか?
そんなことを考えていると、
「こんな部屋で眠ることができるなんていつぶりかな、シロウ……?」
「同じ事考えてたか。ごめんな、イリヤ、俺のわがままで今まで苦労のさせっぱなしで……」
「ううん、そんなことはないわ。本当なら私はもう死んじゃってこの世にいない運命だったんだから、シロウにはほんとうに感謝してるんだから」
「そうか。それじゃこれから新生活が始まるけどなるべく前の世界みたいにイリヤには負担をかけないよう心がけるよ」
「ありがと、シロウ。あ、そうだ! いい事思いついちゃったわ」
ッ!? な、なんでありましょうかイリヤ様?
とてつもない寒気が体を突き抜けていったのは今は幻覚だと信じたい。
変に直感スキルが上がったのかこういうときにはまずいい事なんてあったためしがない。
「これからは戸籍上だけど本当に私達は姉弟になるんだから、色々と呼び方は修正した方がいいわよね。主にシロウだけだけど。これからは私のことはお姉ちゃんと呼びなさい」
はい正解。これはもう回避不可能だな、コンチクショー!
「却下だ。この歳になって、しかもこのなりでいまさらそんな恥ずかしい呼び方できるか」
「えー? 別にいいじゃない?」
「ダメだ。それだけは勘弁してくれ。しても姉さんで許してくれ。でないと俺は恥ずかしさのあまりなにかの宝具の真名を開放するかもしれない」
「ぶー……まぁそれでもいっか。これからずっと姉さんと呼ばれるんだー……」
どうやらイリヤ、もとい姉さんは夢心地のようだ。
だが、すぐに現実に戻ってきてとあることを聞いてきた。
「そういえばシロウ? 心象世界と宝具、そして真名開放とかのことは言わなかったらしいけど、よかったの……?」
「そのことか。ああ、なにも全部教えることはないだろう? 全部明かしてしまってはいつ情報が漏れたときに対処が難しいからな」
「そうね。聖杯戦争のときと比較してやっぱりシロウは成長したわよね。昔のシロウじゃそんな先のことなんていちいち考えないで猪突猛進していたもんね」
「ぐっ!? まさに正論で反論の言葉がでてこないな。あ、そういえば気になっていたことがあるんだが?」
「なに、シロウ?」
「それがさ、魔術を使ったときに感じたことだがどうも前以上に動きがよくなっていた。それに加え投影も負担が軽くなっていた」
「トウコがなにか人形に細工を施したのかしら?ちょっとメモがあるかもしれないからもらった宝石の袋を開けてみたらどうかしら?」
「わかった」
それから俺とイリヤは宝石の袋の中、リュック、身体周辺を探してみたが特にめぼしい物は発見されなかった。
しばらくして解析もつかって見たがやはり発見できなかった。
なんだ? 橙子さんにかぎってこんな重要なミスをするとは思えない。
なにか、どこかに仕掛けがあるはずだ。
どこかに、
「あ! そういえばアヴァロンを埋め込んだって言ってたわよね、トウコ?」
「確かに言っていたな。だがそれが……まさか体に刻み込んだとか言わないよな?」
「わからないわよ? トウコはシロウの解析能力のことも知っているからもしかしたらって事もあるじゃない?」
「……確かに。遠坂も関わっていたんだからその可能性は十分に考えられるな。よし、ひとまず体を解析してみるとしようか」
――同調開始
体内の27本の魔術回路通常稼動。
全て遠き理想郷の半分の存在を確認。現在正常に稼動中。
無限の剣製、現在体内封印中。武具のデータに一切の破損無し。
宝石剣(試作品)、夕凪の登録を無事確認。
各部分の再確認。
確認中……、
「む?」
「どう? なにか発見できた?」
「ああ、なにか暗示みたいなものが発見できた。解析次第開いてみる。えー、なになに?」
解析して開いてみると橙子さんのメモらしきものが発見できたので呼んでみることにした。
『ああ、このメモに気づいたって事は体の違和感に気づいたようだね?
それじゃ説明をしてやろう。その素体の人形の体にはアヴァロンを埋め込んでと遠坂嬢に頼まれてな。
それで私はそんな高価なものを埋め込むのにただの人形では私のプライドが許さないと判断してね、今までの作品の中で最高級品の出来のものを使わせてもらった。
まずだが衛宮の魔術は投影した武器に共感して模倣することができると聞いたが、同時にもとの体は決して戦闘者のものではないとも聞いた。
だからどうせこれからも戦い続けると判断した私と遠坂嬢とで戦闘者に向いている体にしてやったよ。
それなら今からでも一つのものを極めようと思えばいずれは一流になることができるだろうよ。何十年とかかるか知らんがな。
ま、衛宮の性格からして今の戦闘スタイルは変えないだろうからこれから生きていく為の保険と受け取っておいてくれ』
俺は途中で一息ついて読むのを中断した。
この体は本当にすごい。読んでみて改めて実感できた。
「トウコって気前がいいわね。これなら今まで二流止まりだったシロウの剣技も共感していけばどんどん成長していくってわけね」
「しかも俺の性格も先読みした上での保険とは本当に助かるな」
「ええ、リンにも感謝しなくちゃね。きっと今頃は“心の贅肉よ”なんて呟いてるに決まっているわ。それでシロウ、続きを読んでくれない?」
「わかったよ」
『そして次は魔術のほうだが投影はもう試してみたのだろう?
ならもうわかったはずだ。以前より魔力の負担が軽くなっていることに。
それと剣以外のものもそれなりに魔力の負担は小さく投影できるよう調整してみた。
衛宮のふざけた投影の魔術理論は解明したとか言っていた遠坂嬢に説明してもらったからなんなくできたよ。
無論、イリヤスフィールが使う魔術も負担は軽いはずだ。
……だが、だからといって英霊エミヤが使ったという“無限の剣製”はそうそう使うんじゃないよ?
負担が軽くなったとはいえ所詮付け焼刃に過ぎん。
もとは妖精や悪魔、死徒が使う禁忌中の禁忌の大魔術。人間が使うには過ぎた代物だ。使用は時と場合を選ぶことだ』
「なるほど。だから違和感があったのか。にしても俺がもう無限の剣製を使えることがわかりきっている言い様だな」
「そうね、実際条件が揃えば発動は可能だもんね。アーチャーと違って時間の制限は短いけど」
「なあ姉さん? アーチャーはアインツベルンの城で発動したときどのくらい持ったんだ? 改めて聞いておきたいんだが?」
「わからない。あの時は無限に時間が過ぎるのを感じたから……でもかなり保っていたはずよ。
英霊で、それに単独行動のスキルがあったから。おかげで倒すまでにバーサーカーは6回も命を減らしたわね」
「そうか。まだまだあいつの領域には程遠いな」
アーチャーとの実力の差はまだまだある。それこそ天地の差だ。
だが決して挫折はしないで進んでいこう。
遠坂にも約束したしな、必ず答えを見つけ出そう。
それで決心を新たに俺は残り少ない文章を呼んでみた。
『そうそう、それといい忘れたことがあるから書いて置こう。
アヴァロンを埋め込んだときの副産物で、まずアヴァロンに魔力を流し込めば大抵の傷の修復はできるようになった。
そしてもう一つは老化の遅延だ。
羨ましい事にたとえば50代を過ぎても今の若さは保っていられるだろう。
だからよほどのことがない限り実力は落ちることはないだろう。
さて、私が言えることは大体は言い終わった。
後は君達しだいというところだ。私が言えることは無茶はほどほどにしろよ、いうことだ。
では、これで本当の意味で最後になるが達者に暮らすことだ。
…………それと、追伸だがこのメモに遠坂嬢がなにか細工をしていたが、私はなにも関与していないから恨むなら遠坂嬢を恨むことだな』
「なに? あの遠坂が細工だと!?」
そして暗示のメモが俺の中で燃え上がったと思ったと同時に、
『ガ―――――ンドッ!!』
「ぐほぁ!?」
「し、シロウ!?」
その雄叫びのような叫びが頭に響き、それとともにとてつもない衝撃が体を貫通するような痛みを覚えて俺は床にうずくまってしまった。
なっ……なんでガンド、が……?
「………やってくれるわね、リン。私達を空に飛ばす、メモに爆弾を仕掛けておくなんてほんとうに憎しみがわいてくるわ」
「な、なるほど……暗示にガンドを付属させておいたの、か……」
くそぉ、遠坂の奴め! 本気で殺意を抱いたぞ!?
くっ……意識が遠のいてきやがった。
「すまん、イリ、じゃなくて姉さん……桜咲が来たら起こしてくれ。もう、意識が………落ち、る……」
「シロウ!!」
姉さんがなにか叫んでいたがもう俺には聞こえてこない。
そして俺の意識は深い闇へと落ちていった。
……翌日、
刹那はいつの間にか俺達の部屋に来ていた。
どうやら俺はそれまで気絶していたらしい。
それでイリヤに何時だと聞いてみたらもうお昼過ぎだという事が判明し、
「……戦場ならもう寝首を取られて殺されていたな。それにしてもまだ痛みが残っているなんて、遠坂の奴め!」
「遠坂? 誰のことでしょうか?」
「いや、桜咲は特に気にしなくていい。それよりずいぶん待たせてしまったようだな。すまないが案内をしてもらって構わないか?」
「はい、わかりました」
「でもシロウ? さすがにその格好は目立つんじゃないかしら?」
「む? そうだな、姉さん」
「あれ? イリヤさんの呼び方を変えたんですか?」
「ああ、あっちの世界では本当の姉弟だけでなく初めて会ったときも自分の姉とは知らなかったからな。
だが、もうこちらの世界では戸籍上だが正式に姉弟になったわけだから呼び方は変えておいたほうがいいと提案されてな」
「なるほど、そうでしたか」
「ああ、それより確かにこの赤い外套は目立つな。……そうだな。試しにやってみるか」
「あ、試してみるのね」
「なにをですか?」
「見てればわかるわよ」
ま、とりあえずまだ目立ちたくないから地味目にやってみるか。
「――投影開始」
それで俺がなにを投影したのかというと黒のパンツにシャツだ。
とりあえず洗面室で着替えて戻ってくるとイリヤに、
「まるでホストみたいね?」
なんて、言われてしまった。
しかも理由が白髪に褐色の肌、そして黒い服装。
それでそのまま繁華街に放り込めばあら不思議。ホストの出来上がり。
らしい。
なんでさ……?
それから桜咲と一緒に町を歩いているのだが、
「それにしても本当に便利な能力ですね。昨日、私の夕凪を、投影魔術ですか? それで作り出して、そして経験に共感できるんですよね」
「ああ。昨日は勝手に複製してしまって悪かったな。お詫びとして、もし刃こぼれとかができたのなら俺に言え。
これでも鍛冶師の仕事も俺の能力ゆえに一時期やったことはあるから力になれるだろう」
「そんなことまでしていたんですか?」
「シロウの作る武器や装飾品はほんとにすごいのよ? まだ封印指定をかけられる前は裏市場で資金を稼いでいたんだから。しかもどれも一級の魔術品だったからシロウのように戦闘向けの魔術師には高額で売れていたしね」
「はぁ、驚きです」
「まあ投影品を売るという手もあるにはあるんだが、俺はそんな道徳に反したことはしたくないからな。ほぼ自前で稼いでいたものだ。
それと学園長にも伝えておくつもりだが剣以外にも修理なども解析能力を使えばできる。
だからなにか壊れたものがあるのなら伝えてくれ。
学園長に姉さんとともに寮長にもされてしまったからな。
仕事はしっかりやるつもりだ」
「わかりました。頼りにしています」
「うむ。ではまずは衣類などと職員用のスーツなどを買うとしようか」
「そうね。案内頼むわ、セツナ」
「わかりました。ではまいるとしましょうか」
それから桜咲の案内により街の案内などもかねて衣類の購入などをしていった。
姉さんなんかはやはり男の俺とは違いかなり時間をかけていたものだ。
そして後は食品関係なども購入していった。
その結果、俺の両手はもういっぱいいっぱいの状況になっていた。
「士郎さん、持つのを手伝いましょうか?」
「いや、構わない。これでも力には自信はあるからな。これくらいならまだ軽いほうだ」
「そうそう、シロウはこれでも二メートルはある大剣も軽々と持っちゃうんだから」
「ま、持つコツもあるが今まで古今東西なんでも見てきたからな」
「そ、そうですか(この方は本当に底が見えませんね……)、その、聞いていいでしょうか? ほんとうに士郎さんは才能はないんですか? それだけの実力があれば十分の才能だと思うのですが」
「いや、才能がないのはほんとうだ。師匠にあたる人にも姉さんにも、それと今まで交流があったものには大抵才能はないと言われてきたからな。
その当の師匠にも真面目な顔で『へっぽこ』なんていわれていた始末だしな。
だから俺にあるのは実践で得た知識をフルに活用する心眼というスキルで、そしてその心眼を活かして攻めるのではなく守ることに重点を置いた戦法をとる。
中国拳法で例えるなら“重の八極拳”ではなく“柔の八卦掌”が主体と思ってくれればわかるか?」
「はい、なんとなくですが」
なんとなくだが理解したのか桜咲は頷いていた。
「まぁシロウの場合はそれでわざと隙を作ってそこに敵を誘い込み叩くって戦法だからいつも冷や冷やモノなのよね」
「それはしょうがないだろう? 俺は攻めることに関してはなんでもあり以外なら早々できることではないからな」
「では投影魔術を使えば率先して攻めることもできるのですか?」
「まぁ投影した武器の経験に共感すればな。
例えばかの有名な戦国時代の九州の武将、立花道雪が持っていたといわれる名刀『千鳥』を投影して、経験に共感すれば一個師団に一人で突撃し猛威を奮い『雷神』とも評された立花道雪の動きを担い手には及ばないが再現できる」
「それは!?」
「だが、やはりリスクはあるからそんな無茶はしないけどな」
「そのリスクとは?」
「共感できたとしても担い手の動きに体がついていかなければたちまち自滅してしまうからだ。だから俺は今でも鍛錬はかかさず行って体を鍛えているわけだ」
「なるほど、確かにそれは利点でもあり欠点にもなりますね。ですがそんなに私に情報を与えても平気なんですか?」
「ん? なんでだ。別に桜咲と敵対するわけでもないのだから話しても構わないだろう。
それにもし万が一敵になったと仮定……いや、そんなことは考えないほうがいい。
これから副担任とはいえ実の教え子になる生徒に手を上げると考えると嫌になってくるからな」
「わかった、セツナ? シロウはね、度が過ぎたお人好しなのよ」
横から出てきたイリヤの言葉に俺は乾いた笑みしか浮かべることしかできなかった。
自覚はしてるんだがそれでも性分は変えられないからな。
「ですが、私はその士郎さんの人となりはとてもいい事だと思います」
「そうか? そういってくれるなら俺としても救われるが」
俺としては桜咲の言葉は嬉しかったが、それを聞いていたイリヤはお気に召さなかったのか、
「はぁ~、どうやらセツナもお人好しなところが少しあるみたいね」
と、目を瞑って呟いていた。
そんな時だった。
誰かが近寄ってきて声を掛けてきたのは、
「あれ、そこにいるのは桜咲さんじゃん? どうしてこんなところにいんの? しかも連れているのは美男美女ときてるし」
「あ、朝倉さん!?」
「……知り合いか、桜咲?」
「あ、はい。報道部で同じクラスの―――……」
「朝倉和美っていいます」
朝倉という子が元気そうに挨拶してきた。うむ、活発そうで何よりだ。
「俺の名は衛宮士郎だ」
「私は衛宮イリヤ。シロウの姉よ」
「士郎さんにイリヤさんね。わかりました」
「それより、では明日からよく顔を合わせることになるな。いや、どうやら寮で暮らしているようだから今日からお世話になるのかな?」
「え? どういう事ですか?」
それで朝倉は首を傾げているが、まぁそういう反応をするよな。
「ああ、それはね。私とシロウは学園長に頼まれて女子寮の管理人になったのよ」
「それと明日からは俺は教員免許などは持ってはいないが君達のクラスの副担任につくことになっている。だからよろしく頼む」
「へぇ~、それはいい情報を手に入れました」
「朝倉さん、できればそんなに大きく話題にしないでくれると助かります。急にこんな話が浮上したらイリヤさんはともかく男性である士郎さんは奇異な目で見られてしまいますから」
「了解了解っと。それじゃ質問は明日にしても構わないですか?」
「ああ、構わないぞ。あ、そうだな。桜咲に朝倉、時間に余裕があるのなら食事でもご馳走するが、どうかね?」
「え? 士郎さん料理まで作れるんですか?」
桜咲はもちろん朝倉も相当驚いているようだった。
「ああ、これといって趣味が俺にはなかったのでね。
唯一の取り柄が小さい頃から一人暮らしをしていたのがきっかけで覚えた料理くらいだ。
昔は和食だけだったが、姉さんとともに世界を回っていたからな。和洋中なんでもできるぞ」
「そーなんですかー。またまたいい情報です。それじゃゴチになりますよ、士郎さん」
「それじゃお世話になります士郎さん、イリヤさん」
「ああ、今日は桜咲の案内がてら食材は購入しておいたから任せておけ」
「シロウの料理は本当においしいから覚悟しておくのね」
その晩、今日は久しぶりに和食を食べたいわ。との姉さんの希望で軽く和食料理を振舞ったが、朝倉は料理を食べた瞬間、
「なにこれ!?これどこぞの高級料亭の料理!?」
と、言っていた。俺はそんなものは作った覚えはないのだが、同席した桜咲もすごい驚いていたようだ。
まぁ気にしないことにした。
さあ、二人も帰ったことだし鍛錬をしてから寝るとしよう。
明日から初出勤だから早めに学園長室にいっておいたほうがいいからな。
後書き
あ、感想で指摘されましたが、イリヤは人形に魂を移す際に年齢相応に成長しています。
それとレイライン方式はレアルタ方式ですのでイリヤの魔術刻印の一部を士郎に移植しています。
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