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ドリトル先生の林檎園

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第九幕その三

「美味しいよ」
「そうですよね、あたしも大好きなんです」 
 お蕎麦はというのです。
「それで今日のお昼は」
「そのお蕎麦だね」
「そうです、ですから」
 それでというのです。
「楽しんで下さい」
「それではね」
「あと今日のおやつはお餅です」
「お餅?」
「食後のデザートはそれなんですよ」
「どんなお餅かな」
「真田幸村さんが好物だった」
 ここでもこの人の名前が出ました。
「そのお餅です」
「お餅といっても色々だしね」
「よくずんだ餅が言われますけれど」
「仙台のね」
「あれは伊達政宗さんでライバルですよ」
「常に東軍と西軍に別れていたね」
「あるゲームじゃ完全にライバルですし」
 そうした間柄だというのです。
「ずんだ餅はあたしも好きですが」
「ライバルだからだね」
「長野県のお餅じゃないんです」
 あくまで仙台のお餅だというのです。
「長野県は何といっても幸村さんですから」
「その人もお餅だね」
「はい、お蕎麦の後は」
 こちらは出るというのです。
「だから楽しみにして下さい」
「それではね」
「あとあたし幸村さんは生きていたと思ってます」
 優花里さんは微笑んで、です。幸村さんのことをさらにお話するのでした。
「大坂の陣の後で」
「あの戦いで死んだと思っていてもね」
「はい、実は死んでいなくて」 
 それでというのです。
「秀頼さんを守って十勇士の人達と一緒に鹿児島まで逃れています」
「そう言われているね」
「はい、ですから」
 それでというのです。
「死んでいないです」
「死んでいたらね」
「凄く悲しいですよね」
「うん、僕もあの人が生きていたらね」
 大坂の陣の後で、です。
「いいと思うよ」
「そうですよね」
「日本人好みのヒーローだからね」
「あたしも大好きです、上田と飯田で地域は違いますけれど同じ長野の人で」
「郷土の英雄だね」
「ですから」
 それでというのです。
「あたしも大好きなんです」
「そうだよね」
「はい、あと十勇士の人達も」 
 この人達についてもです、優花里さんは言うのでした。
「実在していたって信じています」
「十人全員がだね」
「そうです、全員」
「確かにモデルになった人達はいるからね」
「そのままの名前の人は六人位でしたね」
「そう、それで猿飛佐助達のモデルになった人達もね」
「いますから」
 それでというのです。
「あたしは十人全員いるって思ってます」
「その十勇士達が幸村さんに従って戦って」
「大坂の陣で秀頼さんをお助けして」
 そうしてというのです。
「鹿児島まで落ち延びたんです」
「そうした説が本当にあるしね」
「はい、皆生きていたんですよ」
「秀頼さんの息子さんもかな」
「あれっ、そうした人もいたんですか」
 この人については優花里さんは知らないでこう言いました。 
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