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仮面ライダービルド  笑顔絶やさずに

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第五章

「何だって嫌な連中だったな」
「仮面ライダーブラッドは出ないよな」
 桐生はまさかと思いつつもスマートレディに尋ねた。
「スサノオは何度も生き返らせることが出来るんだよな」
「はい、怪人や種族を」
「だったらな」
「そうみたいですね、エボルトまではわからないですが」
「あいつはか」
「完全に死んだ可能性が高いのでスサノオも利用しましたが」
 このことは事実でもというのだ。
「好きではないので」
「ああした奴はか」
「ですからエボルトまでは」
「わからないか」
「出て来るかも知れませんし」
 また逆にというのだ。
「出て来ないかも知れないです」
「そこはわからないんだな」
「はい、ですがブラッド族の数が多いので」
 スマートレディは桐生そして万丈にさらに話した。
「幾らお二人が強くても無理かと」
「じゃあどうするんだよ」
「他の三人のライダーの人達とお友達の人達を呼んできますね」
 スマートレディはあっさりと答えた。
「そちらにはもう黒衣の青年さんが行っておられます」
「その人がか」
「もうか」
「はい、ですから」
 それでいうのだ。
「お二人はあのお店に向かって下さい」
「ナスチカか」
「あそこか」
「あそこに行けば」
 即座にという口調だった。
「皆さん来てくれますよ」
「話が早いな」
「あまり遅くしているとブラッド族が来ますから」
 だからだとだ、スマートレディは二人に敵のことも話した。
「ですから」
「それでか」
「黒衣の青年さんも動いてるのか」
「ですからもうお二人はです」
 それこそというのだ。
「今からナスチカに行って下さい」
「本当に話が早いな」
 万丈は今心から思った、そしてその思ったことを言葉にも出した。
「どうなんだよ」
「こうなんですと言えば」
「そうなんだよって返せばいいのかよ」
「それでは何か面白くないですね」
「そうだよな、とにかくな」
「お二人はすぐにあちらに行って下さい」
 スマートレディは急かす様に言った。
「今から」
「ああ、わかったよ」
「丁度仕事も終わったしな」
 二人も頷いてだった、そうしてスマートレディの言うままに店に向かった。するとそこは外観も内装も二人が知っているナスチカだった。
 そしてその中にいた人も」
 石動惣一がカウンターの中に、石動美空がウェイトレストしていた。美空は二人を見てすぐに石動に顔を向けて言った。
「お父さん、本当に来たね」
「そうだな、まさかな」
 石動は信じられないといった顔で娘に応えた。
「本当に来るなんてな」
「思わなかったけれど」
「ああ、けれど青年さんの言ったことはな」
「これで本当だってわかったわね」
「そうだな」
「黒衣の青年さんって人がここに来たんだな」 
 桐生は二人のやり取りを聞いてこのことを確信した、そのうえで二人に対して話しかけた。
「俺達はもう二人のことを知ってるけれど」
「しかしこっちは話を聞いたばかりでな」
 石動はどうかという顔で桐生に応えた。 
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