仮面ライダービルド 笑顔絶やさずに
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第三章
「ですが気付かないうちに」
「スサノオの手先になっていてか」
「スサノオの思う様に動いていました」
そうだったというのだ。
「そのうえで貴方達と戦っていました」
「そうだったんだな」
「そしてああした世界だったことも」
「全部スサノオがやっていたんだな」
「そうだったんですよ」
「つまり俺達は皆スサノオの手の平で踊っていたんだな」
万丈は苦い顔で述べた。
「つまりは」
「ああ、そうなるな」
桐生もこう述べた。
「要するに」
「そうだよな」
「かなり癪だな」
桐生はこうも言った。
「正直な」
「ああ、ずっとそうだったなんてな」
「俺も今言われるまでわからなかったどころかな」
それこそとだ、桐生は万丈に応えて話した。
「そんな神様がいることすらな」
「気付かなかったんだな」
「そうだよ、お前はもっとだよな」
「何で俺はもっとなんだよ」
「お前馬鹿だからな」
桐生が今万丈に言った理由はこちらだった。
「だからな」
「おい、俺が馬鹿だってのか」
「俺よりずっとそうだろ」
「人並にあるだろ」
「天才物理学者よりはずっと落ちるだろ」
「そんなこと知るか」
「はい、それでお二人ですが」
スマートレディは二人のやり取りを聞き流すところは聞き流して話した。
「これからです」
「そのスサノオって奴をぶん殴らればいいんだな」
万丈はスマートレディに彼らしい直情的な直観を以て応えた。
「そうだよな」
「その通りですがまた随分直線的ですね。お姉さんそういうところ好きだけれど」
「お姉さんってあんたさっき女神って言ったよな」
「一万歳よ」
「歳のことは言わないけれどな」
それでもと言う万丈だった。
「とにかく女神がお姉さんか」
「そういうことでお願いしますね」
「じゃあな、とにかくエボルトもスサノオが仕掛けてたんだな」
「エボルトの存在をスサノオが知ってです」
「俺達に色々仕掛ける様にか」
「仕向けていました」
そうだったとだ、スマートレディは万丈に話した。
「エボルトが気付かないうちに」
「あのエボルトに気付かれないとかな」
桐生はこのことに驚いていた、その驚愕が顔にも出ている。
「とんでもない奴だな」
「そうだよな、あいつの鋭さでな」
「気付かないなんてな」
「それこそな」
まさにというのだ。
「神様だな」
「エボルトの奴は神様か何か気取りだったけれどな」
「彼は神ではなかったですよ」
スマートレディはそのことは笑って否定した。
「神様になったつもりの出来損ないです」
「あいつが出来損ないかよ」
「ただ力があるだけで悪意しかない」
「悪意しかなかったのは事実だな」
桐生もそのことは否定しなかった。
「本当にな」
「そうですね」
「それであいつはか」
「つもりだけです」
神になった、あくまでそれだけだったというのだ。
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