まさに傲慢
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第七章
「仕掛けるぞ、いいな」
「では今からですね」
「その話をするからな」
この打ち合わせの数日後だった、浅墓の一面に珊瑚礁を荒らした記事が出た。大貝が菅沼と共同で書いた記事だったが。
珊瑚礁にアルファベット二文字で掘ったものがあった、沖縄近海で発見されてものと記事にあり日本人のマナーの悪さを責める記事だった。
この記事を見てだ、箸本はすぐに言った。
「ああ、またやったな」
「浅墓の記事ですか」
「それもあの大貝氏ですね」
「愛人で揉めてる菅沼記者と連名ですね」
「ということは」
「この記事は」
「まずあれだろうな」
箸本は笑って話した。
「浅墓でこの二人だと」
「それならですよね」
「もう答えは出ていますよね」
「それこそ」
「この記事は」
「うん、まあすぐにわかるよ」
極めて落ち着いた声で、だった。箸本は述べた。
「今回もね」
「さて、どうなるか」
「これから」
「面白くなりそうですね」
「浅墓がどうなるか」
周りの党員達も笑っていた、そしてだった。
この記事は実際にネットでも話題になった、その話題の内容はというと。
「浅墓で大貝と菅沼か」
「もうこれだけで怪しいな」
「というかこれ自作自演だろ」
「浅墓の常だしな」
「沖縄の海でこの二文字か」
「本当に日本人がやったのか?」
「何処の誰がやったんだ?」
この疑念から検証されだした、そしてだった。
すぐに大貝と菅沼が取材の直線に沖縄に行ってすぐに東京に戻ったことが確認された。これは二人の新聞の記事やテレビの出演からわかった。
「この記事が起こるすぐ前に沖縄に行ったんだな」
「それで珊瑚礁のを書いてすぐに東京に帰ったのか」
「こんな展開あるか?」
「そもそも東京の二人が何で沖縄のこと知ったんだ?」
「誰かからの情報提供か?」
「それにしたらおかしいな」
「しかもこの二文字新しいぞ」
あるネットユーザーが画像を観て指摘した。
「そもそもな」
「新しい?」
「どういうことだよ」
「何かあったのか?」
「ああ、これ掘ってすぐだぞ」
その文字をというのだ。
「珊瑚の壊れ方とか下の土の加減とかな」
「そういえば画像の海に珊瑚の欠片みたいなのあるな」
「じゃあ掘ってすぐに撮影したんだな」
「ってことはな」
「これはかなり怪しいか?」
「大貝と菅沼の自作自演か?」
「浅墓のいつもの捏造か?」
多くのネットユーザーが気付きだした、そして。
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